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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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住宅新商品トレンド 狭小地でも住まいの魅力を最大限引き出す住宅メーカー

INDEX 2018.5.18

4月末から5月上旬にかけての大型連休は、多くの住宅メーカーにとって集客が期待できる期間と言えます。大手住宅メーカーは、この大型連休に突入する前の3、4月に新商品をリリースすることで、集客の目玉にするという狙いがあります。
今春、投入された新商品の傾向の1つは、狭小地を想定した住宅商品です。狭小地でもユーザーが理想とする住宅を建設できることを訴求し、狭小地ならではの住まいのアイデアを提案することでユーザーの興味関心を惹きつけています。

狭小地向け住宅商品の大きな共通する特長は、
  • ・狭小地でもZEH性能を有する
  • ・斜線規制等にフレキシブルに対応
  • ・狭小地でも吹抜けや造作家具等でこだわりのある空間設計を実現

といったものが挙げられます。狭小地では屋根面積が限られ、太陽光発電パネルの容量がZEH基準に満たないケースが散見されますが、断熱性を高めることや屋根形状を工夫することで克服しています。また、斜線規制等に対しては、独自開発した構造躯体により、フレキシブルな屋根形状を用意することで解消しています。住宅内部に関しては、造作家具や吹抜けなど顧客ニーズに対応できる設計でユーザー満足度を高めています。

1人生100年を見据えた住まいの提案を「CENTURY Primore3」~ミサワホーム

「CENTURY Primore3」ミサワホーム

ミサワホームは創立50周年を記念する商品の第二弾として、4月28日(土)に北海道・沖縄を除く全国で「CENTURY Primore3(センチュリー プリモアスリー)」を発売しました。ZEH基準を満たす断熱性能を確保しつつ、都市部で建築上課題となる狭い敷地や居住空間の有効活用、日影規制などの建築上制限に対応した家づくりを訴求しています。

同商品は、都市部でもZEHに対応できる点が大きな特長です。構造躯体を形成する「センチュリーモノコック」は最大5.4m幅の大開口を実現しながらも、UA値は0.5以下を容易に達成します。さらに優れた断熱・気密性能を発揮する木質パネル接着工法により、120mm厚のコンパクトな壁厚で高断熱を実現しました。また、高度斜線や日影規制に対応する急勾配屋根と、太陽光発電パネルをより多く搭載できる緩勾配屋根を混用する「異種勾配屋根」を新しく開発したことで、都市部におけるZEHを実現可能としました。この「異種勾配屋根」の運用を拡大することで、準防火地域における3階建て住宅も建設することができます。さらに、急勾配屋根の直下を高天井の広々とした空間として活用するプランや、1階床の一部をスキップダウンさせる提案を盛り込むことで、空間バリエーションを拡充しています。

また、同社では暮らしに対する多様なニーズに対応するため、ライフスタイルを6つにカテゴライズしたインテリアスタイルを提案しています。同商品では、富裕層を意識し上品さや優雅さをイメージした「ALL LUXURY」スタイルおよび「With Elegance」スタイルを導入し、新たに内装の造作システムや新色の床材などを開発しました。
外観デザインについてはサッシやバルコニーなどの部品に落ち着きと統一感を持たせる目板や庇、外装材などのオリジナルアイテムによって、重厚感のある美しいファサードを形成しています。

販売目標棟数は、2019年度までにセンチュリーモノコックブランドで年間1,000棟。「CENTURY Primore3」としては、首都圏、関西、地方都市圏の準防火地域を中心に240~250棟の販売を計画しています。

2新規格ユニットで間口の狭い敷地にも対応「シンセ・アイラシク」~トヨタホーム

「シンセ・アイラシク」トヨタホーム

独自の鉄骨ユニット工法で成長してきたトヨタホームは4月19日(木)、狭小地向けの住宅商品「SINCE i-rashiku(シンセ・アイラシク)」を発売しました。間口の狭い敷地にも対応可能としていて、延床面積は100m²前後、坪単価は57.4万円~を想定しています。

このコンセプトは、「こだわりが手に入る『私らしい家』」です。ターゲットを子育て世代に据え、そのニーズに応える外観、インテリア、水廻り設備と、優れた耐震性や耐久性を持つ住宅品質を訴求しています。また、軒を伸ばすことで、プライバシーを確保しつつ雨風をしのげるインナーバルコニーや、子供の成長に合わせて自由に間仕切り壁を変更できる内装プランも特長です。

「ワイズジョイントS」トヨタホーム

狭小地への対応に関しては、新規格の47ユニットや新開発の「ワイズジョイントS」工法の採用が奏功しています。特に、「ワイズジョイントS」工法はユニット同士を0.25m、0.50m、0.75mの間隔で連結することができるようにしたもので、敷地の効果的な活用を実現しました。

また、同商品はスマートスピーカー「Amazon Alexa」にも対応しています。同社開発の「チェッくまホームなび」をインストールすることで、ユニットバスの操作など住宅設備をコントロールすることが可能です。

3豊富な屋根形状で斜線規制に対応「Vieuno3E」~パナソニックホームズ

「Vieuno3E」パナソニックホームズ

パナホームはこの4月、社名を変更して「パナソニックホームズ」として新しいスタートを切りました。同社の都市部をカバーしている住宅商品は、3階建て住宅「Vieuno3E(ビューノ スリーイー)」です。

同商品の特長は、豊富な屋根形状とこれらを活かした眺望の良好な3階部分に最大天井高3.1mを確保した「3階リビング」提案です。また、断熱性に優れた「アルミ樹脂複合サッシS」の標準採用とZEH基準の断熱性能向上に加え、発電効率の高い太陽光発電システムを搭載することで、ZEH対応も可能としています。また、15cmきざみで調整可能な設計システムを採用したことにより、複雑な形状の土地においても最大限延床を確保できます。また、フロア間のスムーズな移動を提供するため、パナホーム時代を含めパナソニックホームズとして初のパナソニック製ホームエレベーターを標準搭載としたことも特長の1つです。

同社ではこれまで、Vieunoシリーズで最大9階建ての多層階住宅を建設できる技術力を訴求してきました。今回、Vieuno3Eを発売したことで、改めて3階建てをメインに多層階住宅マーケットのシェア拡大を目指していきます。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 斎藤 拓郎さん)