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要点

国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことを目的とした法律「食育基本法」が2005年に制定されてから、「食」を通じた子どもの育成は国としての取り組みとなっています。親の意識としても「生きる力」を育むために大切なこととして「親子で料理すること」を上位に挙げています。自宅のキッチンで、親子揃って料理をつくるといった日常的な行動から得られることは多そうです。今回は親と子へのアンケート調査から「親子料理」に対する意識とその効果を探ってみました。

1今後増やしたい自宅での子どもとの時間は「料理」

親子がコミュニケーションをとりやすい機会として多くの人があげているのが、家族揃って夕食を食べる時や一緒に入浴をする時。ところが図1のように小学生以下の子どもがいる20代〜40代の子育て世代の6割以上が、もっと親子のコミュニケーションの時間を増やしたいと答えています。必ずしも現状の親子の関係に十分満足しているわけではなさそうです。では、子どもとの時間をどんなことをして過ごしたいと考えているのでしょうか。
図2は小学生を持つ母親に今後増やしたい自宅での子どもと過ごす時間をたずねたものですが、「一緒に料理をする」「一緒に入浴をする」と答えた人が多く見られました。とくに「一緒に料理をする」は、休日・平日を合わせると5割以上にのぼり、料理に対する関心の高さがうかがえます。

[図1] 親子のコミュニケーションについて今の時間を増やしたいですか? [図2] 今後増やしたい、自宅での子どもと過ごす時間(末子小学生)
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2母親が子どもと料理をする理由は「子ども自身の意欲」や
「料理教育」「コミュニケーション」のため

子どもを持つ親たちは、子どもの「生きる力」を育むための一つの手段として親子で料理をすることは大切だと考えているようです。しかし、実際に親子で料理をしている頻度はそれほど高くはありません。図3は母親に親子料理の頻度を聞いたものですが、「1〜2週間に1日以上」の頻度で行っている母親は4割以下にとどまり、5割以上は「月に1回以下」と答えています。親子料理を日常的に行わないのは、「時間や手間が余分にかかる」「自分の気持ちに余裕がない」というのが理由のようです。
では「週1日以上」のペースで親子料理を実施している母親は、具体的にどのような理由で親子料理を行っているのでしょうか。その結果をまとめたのが図4です。1番目は「子どもが料理をやりたがる」と、子ども自身の意欲によるところが7割以上ともっとも大きく、2番目は「将来、子どもが料理を作れるようになってほしい」と料理教育を挙げた人が6割以上。次いで「子どもとコミュニケーションがとれる」と、親子料理を子どもとの交流機会ととらえている人も同程度いました。

[図3] 親子料理の頻度(母親) [図4] 親子料理を行う理由(母親)
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3“働く母親”の方が親子料理を日常的に行い、
「コミュニケーションの大切な機会」と強く意識している

母親の仕事の有無と親子料理の実施頻度に何か関係はあるのでしょうか。普通に考えると比較的時間に余裕のある専業主婦の方が親子料理を行っているように推測されますが、実際のところは、図5を見て明らかなように時間が限られている有職の母親の方が日常的に親子料理をしていることがわかりました。「週1日以上」親子料理を行っている母親は無職・パートの人で2割強なのに対して、有職の人は4割を超えています。
なぜ、時間がとりにくい有職の母親の方が親子料理を実施できているのでしょうか。図6は親子料理を日常的に行う理由を就労状況別に比べたものです。4つの理由すべてにおいて有職の人の方が高くなっており、とくに差が大きい理由が「子どもとコミュニケーションがとれる」でした。時間に制約があるからこそ、料理をする時間も子どもとのコミュニケーション機会として大切にしたい、と考えているようです。

[図5] 親子料理実施頻度(就労状況別) [図6] 親子料理を日常的に行う理由(就労状況別)
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4親子料理を始めた年齢のピークは5歳。
9割の子どもは「親と一緒に料理したい」と考えている

次に子どもの側から親子料理に対する意識を見てみましょう。いくら親が子どもと料理をしたいと思っても、肝心の子どもにその気がなかったら親子料理などできません。当然、子どもが料理に興味を持っていることが前提となります。図7は「子どもが料理に興味を持ち始めた年齢」と「親と一緒に料理を始めた年齢」をまとめたもので、いずれも5歳がピークになっています。この結果から、子どもが料理に興味を持ったことが親子料理の最初のきっかけになっていることが見てとれます。
小学生は親子料理についてどう感じているのか聞いてみました(図8)。「自分ひとりで料理したい」と答えた子どもは約7割、「親と一緒に料理したい」子どもは約9割にのぼりました。多くの小学生が親子料理に対して積極的に挑戦したいと感じていることがわかります。

[図7] 子どもが料理に興味を持ちはじめた年齢・一緒に料理を始めた年齢 [図8] 子どもの料理意向(自分ひとり、親と一緒)
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5日常的な親子料理は、家族の「幸福感」につながっている

親子料理は、家族にとって良い効果が色々とあり、親も子どもも肯定的に捉えていることがわかりましたが、さまざまな事情があって実施頻度は決して多いとは言えないようです。
そこで日常的に親子料理を行っている母親に、実際に親子料理が家族にどのような影響をおよぼしているかを調べてみました。料理頻度別に家族の仲の良さや幸福感を母親に聞いてみたのが図9です。それによると料理頻度が高いほど、家族同士の仲が良く、幸せを感じられる傾向にあることがわかりました。料理を通じて親子のコミュニケーションが活発になり、共同作業によって楽しみや喜びを共有できることが幸福感につながっているようです。

[図9] 家族の関係や幸福感への意識(親子料理頻度別)