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家事楽・時短の先の住まいのヒント〜生活者からみるマーケティング〜 第4回 仕事と家事のマルチタスク化

第4回は「家事楽・時短」でできた時間の活用などから次世代へのヒントを探ります。

1家事楽・時短でできた細切れ時間をどう使うか

時計イメージデータ活用の一つは現状を把握することですが、実はデータ分析にはもう一つミッションがあります。現状把握というのは「今」ですから、その先のトレンドを予測するというのも一つです。トレンド予測は当たり外れがありますが、一つだけ例をご紹介します。
ポイントは、データをストーリーとして眺める点にあります。データの現状把握から「家事楽・時短」があるとわかったら、その先に何がありそうかを考えていきます。時間や手間が節約できたら、それを何に使うか。それをストーリーにまとめていきます。
キーワードは「細切れ」です。「家事楽・時短」をして、集まった時間である細切れの時間を全部シフトして夜中に30分使うということは現実的に無理です。そこでまず細切れ時間をどう活用するかです。

2家事を細切れでもできるようにする

ネットショッピングイメージ例えばちょっとした時間にショッピングをしてしまうとか、今まではお店に行く必要があったのが、ネットショッピングなら5分あれば何かが買えたり、注文しておいて取りに行くだけにしておくとか、今は細切れ時間の活用というのはネット系の話ばかりです。しかし細切れ時間を活用するには、今まで細切れではできなかった家事を細切れでもできるようにするのがポイントです。
近ごろではそれに対応した商品も増えてきました。

3細切れ時間に対応した様々な商品

スタンディングデスク例えば今まで掃除機での掃除は、やるとなったらリビングや寝室など、すべての部屋をやっていました。ところが今人気の「コードレス掃除機」は充電式のため可動時間が短く、とても家中掃除ができません。しかし掃除自体を楽しくするので「この時間はこの部屋をやろう」というように掃除時間を細切れにしました。
同じようなことは、浴室のカビ取り掃除や、車のワックスがけなどにも言えます。今まで時間をかけて一回でやっていたものを細切れにすると、さらに家事楽・時短になります。また、現在品切れになるほど流行っているものとして、立ち仕事ができる「スタンディングデスク」という商品があります。家の中で仕事をしながら家事もでき、仕事の効率が良くなるというのが売りですが、これを使った人にヒヤリングをしたところ、「マルチタスク化する」ということでした。
「家事楽・時短」の先には、断片化した時間が増えますので、それをどう活用するかです。そのためには今まで細切れではできなかったことを、断片化できるような提案がポイントになります。

4数値の低い項目にこそ次世代のヒントがある。

グラフデータイメージデータが出ると数値の高いところに注目しがちですが、未来のことを考えると数値の低いところに着目するのもポイントです。
経年変化を見ていくと元々高かったものが下火になってしまったものはもう高くはなりませんが、ずっと低いものはなんらかの刺激によって、今後上がる可能性があります。時系列で見た時にずっと横ばいのものや、少し上がって来たというものは次世代を担うヒントになる可能性があります。

◆まとめ◆

○データ分析には「現状把握」だけでなく、今後のトレンド予測というミッションもある。

○家事楽・時短でできた細切れ時間を活用して、家事を細切れでもできるようにするのがポイント。

○データの数値の低い項目こそ、次世代を担うヒントになる可能性がある。

法政大学 経営大学院 教授 豊田 裕貴氏
法政大学 経営大学院
教授 豊田 裕貴氏

法政大学大学院にて経営学修士号(MBA)、同大学院経営学博士号(DBM)を取得。リサーチ会社、シンクタンクの研究員、多摩大学教授などを経て、2015年4月より法政大学イノベーションマネジメント研究科・教授。主な著書に、『ブランドポジショニングの理論と実践』(講談社)、『知識ゼロからのビジネス統計学入門』、『知識ゼロからの売れる消費者心理学(共著)』(幻冬舎)などがある。

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