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アクティブシニアが食事を作る楽しみ・喜びが感じられるキッチン 2015/11/20号

食は生命の源ですが、人と食事を共にすることは暮らしを豊かにしてくれます。お正月・雛祭りなど、四季折々の行事にあわせて孫たち家族を呼び、食事を共にすることで、孫の成長を実感できますし、家庭の味を代々伝えることもできます。仕事をリタイアした後、気のおけない友人を招いて、ゆっくりお茶をしたり、おもてなし料理をふるまうことを楽しみにされるシニアの方もいらっしゃいます。
また、献立を考えることや、野菜を切りながら・魚を焼き・お味噌汁を温めるなど、マルチタスクである料理は、脳を活性化させ、認知症の予防につながるともいわれています。人生90年時代となった今、キッチンは安全をベースに、楽しく料理が続けられる場所にしたいものです。ここでは、アクティブシニアのためのキッチンのポイントをご紹介します。

シンク下に膝が入るスペースをつくり、座っても使えるキッチン。
シンクとカウンターはシームレス加工で掃除しやすく。
使いやすさを考え、卓上のコンビネーションレンジをバックカウンターに置いている。

ダイニングとキッチン

人を招いてお茶や食事を楽しめるようにするには、大きなダイニングテーブルが置けるゆったりしたダイニングスペースをつくるとともに、テーブルからキッチンまでの距離を短くし、配膳・下膳が楽にできるように考えるとよいでしょう。
ダイニングやキッチンに窓をつけて明るく風通しのよい空間にすることで、料理や食事を通じて家族や友人との時間をより快適に過ごせるようにもなります。

ダイニングまで一直線の動線にし、配膳しやすく考えられたキッチン。
キッチン家電をまとめて置ける広めのバックカウンターをつくっている。

レイアウト

キッチンのレイアウトには、I型、L型、U型などがありますが、安全に楽に動作できるかが料理を続けるためのポイントになります。
一連の動作がしやすいように、冷蔵庫・シンク・調理台・コンロの並びを通常は考えると思いますが、炊飯器などのキッチン家電や分別ゴミ、食器棚の場所もあわせて考えるとよいでしょう。シニア世代になると、お惣菜を買ってきて温めたり、冷凍食品を使うことも増えてきますので、電子レンジを使いやすい場所に置くことも重要です。

座っても使える対面キッチン。
視線が開け、ダイニング越しに外の風景を見ながら快適に作業できる。
写真提供:BASSTRONAUTS

キッチンカウンター

カウンターの高さは、身長÷2+5cmが目安といわれていますが、からだの状態などによっても使いやすい高さは違ってきますので、動作をしながら決めるとよいでしょう。
齢を重ねると、からだの疲れや足腰の痛みなどで立ち作業がつらくなることもありますので、シンク下をオープンにして、いすに座っても使えるキッチンにする工夫もあります。
カウンターやシンクは汚れにくく掃除しやすい材質を選ぶと家事の効率化となり、楽しく料理を続けられることにもつながります。

収納

無理なく手が届く範囲の収納を充実させることが大切でしょう。カウンター下を引出し収納にすると、上から覘けて物の出し入れが楽ですし、目線の高さのオープン棚は調理器具の一時置きにも使えて便利です。
踏み台に乗って物の出し入れをしようとして、転倒する事故も起きていますので、吊戸棚については本当に必要かよく考えたほうがよさそうです。

設備

コンロは調理の安全性とともに、五徳や天板、グリルの掃除のしやすさにも配慮したいところです。齢とともに目が見えづらくなることもありますが、操作ボタンや液晶パネルが天板についているものは使いやすいようです。
キッチンでは、食材を切る・むくなど細かい動作をしますので、手元照明は必須ですが、照明のスイッチやコンセントは手の届きやすい場所につけるとよいでしょう。レンジフードもスイッチに手が届かなくなることもありますので、リモコンタイプやスイッチを壁面につけることも検討の一つといえます。

食事づくりは日々の暮らしの中では欠かせないことです。食事を作る楽しみや喜びを感じながら、快適に使い続けられるキッチンをつくることは、健康な暮らしの実現にもつながっていきます。

監修:リビングデザインセンターOZONE(ライター:一級建築士事務所 all 村井エリ)