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趣味の時間を内包する「玄関」 2016/11/18号

「玄関は家の顔」と昔から言われる通り、玄関はお客様を出迎える最初の場所であり、その家の第一印象は玄関で決まると言っても過言ではありません。そして、内と外をつなぐ出入り口としての機能だけでなく、現代の暮らしにおいてコミュニケーションの場や趣味の時間を過ごす場として活用する事例が増えています。そうした多目的スペースを持つ玄関を設計してきた建築家の東端桐子さんに玄関のプランニングのポイントについてお聞きしました。

蒔ストーブを設置したエントランス

天井を吹き抜けにして、蒔ストーブを設置したエントランス。第二のリビングとして、家族の寛ぎの場所になっている。彫金のアトリエを隣接し、将来的にはアトリエを開放して、地域との交流スペースとして活用していく予定。撮影=Takeru Koroda

靴脱ぎ場だけではない多目的スペースに

「都心の狭い敷地での家づくりにおいて、広々とした玄関を作ることはとても稀です。床面積が限られしまうためリビングやダイニングといった場所が優先されて玄関に面積を割くことはもったいない、と考える施主がほとんどだからです」と東端さんはいいます。
右側の写真は東端さんが設計した住宅で、『エントランスをもうひとつのリビングにする』というプラン。「『蒔ストーブを使いたい』という施主の希望を受けて、設置場所を2Fのリビングではなく、1Fのエントランスにして、そこに隣接して奥様の趣味である彫金のアトリエにしました。金属を研磨する際に埃が出るために引戸で仕切っていますが、普段は開け放して一体的に使われています。エントランスは基本的にモルタルで一体的に仕上げていますが、玄関ドアの靴脱ぎ場の一角だけ2〜3cm段差を設けて埃が室内側に上がらないよう配慮しています。玄関を靴脱ぎ場という機能だけに限定せず、多目的な場に捉え、清掃に配慮した材料や仕上げにすれば快適に過ごすことができるのです」と東端さん。ゆくゆくはオープンアトリエとして玄関スペースを開放し、イベントなどを行い、地域の人達との交流の場としても機能させたいと考えているそうです。

土間風の玄関

ご主人が趣味のDIY作業も出来るようにした土間風の玄関。ドアをフルオープンにすればポーチと一体となった広々とした作業スペースも確保できる。玄関に手洗いを設置すれば、帰宅後の子どもの手洗いや土間での作業後、菜園で収穫した野菜の泥を流すのに使えて便利だ。撮影=Takeru Koroda

快適に作業ができる工夫を

「『土間が欲しい』という要望が増えていることも、最近の傾向のひとつ。それは、自転車やDIYといったアウトドア志向の趣味を持つ人たちが増えていて、その趣味に没頭できる場として土間を使いたいと考えているようです」と東端さん。こうした要望に対して、可能な限り玄関前に広いポーチを設けること、そして軒の深い庇をつけることをおすすめしているそうです。
「玄関を三和土にして、さらに外に広いポーチを設け、建具をフルオープンにできるものを選べば、趣味の自転車をメンテナンスしたり、DIYで家具などを作れる広々とした作業スペースが生まれます。ポーチの上に庇をかければ雨の日でも作業が出来、車を横につければ、雨に濡れずにアウトドア道具の荷下しがしやすいというメリットがあります」。その他に、玄関に手洗い場があると子供が家から帰って来た時やご主人がDIYの作業をした後にさっと手が洗えて便利で、アウトドア志向のご家庭にはおすすめ。
玄関を趣味の場として捉えた場合、そこでの滞在時間が長くなることにも配慮しなければなりません。開口部の建具は引き戸よりも開き戸の方がより密閉性が高く、隙間風が入りにくいため、多目的な玄関スペースには開き戸を採用しているそうです。
「玄関の扉は外観とのバランスやコストを考えて、木かスチールで作ることが多いですね。スチールの場合は塗装ができるので、施主の好みの色を聞きながら家のアクセントになるような色を使いますね。外観は白、黒、グレー、ベージュと地味な印象になりやすいので、玄関の扉に鮮やかな色を使うことで、家全体の雰囲気をパッと明るくしてくれます」。設備や仕上げの工夫で使い勝手を良くすることはもちろん、環境においても快適な場所になる配慮をしたいものです。

単独に『趣味室』のようなものを設けるのではなく玄関を活用し、時間帯やシチュエーションによって機能をオーバーラップさせることは、限られた面積の住宅のプランニングにとても有効です。現代のライフスタイルにおいて、趣味の時間を内包できる特別な場所になりつつある玄関。そこにどんな工夫を凝らせるかでより豊かな空間が生まれるのです。

監修:リビングデザインセンターOZONE(テキスト:阿部博子)

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趣味の時間を内包する「玄関」のための製品のご紹介

デザイン、材質にこだわった自由設計対応の玄関ドア

ガンマー株式会社 玄関ドア(両袖FIX付)

■メーカー名:ガンマー株式会社
■URL:http://www.gammaz.com/
■製品名:玄関ドア(両袖FIX付)
■素材・仕上げ:扉 ウォールナット剥板貼、芯材鋼製下地
 枠 susフレーム
 ガラス 防犯ガラス+12A+FL6
 電気錠対応
■サイズ:W3400×H2400(mm)
■価格(税抜き):2,800,000円(設計価格)

■商品の特徴:
施主や設計者の自由設計に対応可能な不燃ドア(非防火認定品)。
表面にはウォールナットの剥板材を貼り、塗装はシッケンズ仕上げを施すことで、ムクドアの雰囲気を演出しています。また、枠にはsus材、扉下地にはスティール材を使用。表面に使用する材は、チークやオーク、その他外部に使えるものであれば可能です。ご相談により他のデザインでも対応できます。

小さくても、動作をサポートする手すり

株式会社ユニオン ハンドバー

■メーカー名:株式会社ユニオン
■URL:http://www.artunion.co.jp/acdb/detail/?daicd=all&gr=1&lng=1&id=56626
■製品名:ハンドバー
■品番:HG-1
■素材・仕上げ:ユニキャストペイント(アルミ鋳物塗装仕上)
■カラー:レッド、ブルー、イエロー、シルバー、アンバー、パールホワイト
■サイズ:W79.4×H88×D101(mm)
■価格(税抜き):4,500円

■商品の特徴:
ワンポイントの手すりとして、また玄関で靴を履くときの手がかりとして、さりげなく動作をサポートするハンドバー。
その他いろんな場所で立ち上がる時や段差がある時、手がかりになる物が欲しいところでも活躍します。
小さな手荷物などもかけられるので便利です。インテリアに合わせてカラー6色からお選びいただけます。