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知っていますか? 災害に備えたレジリエンス住宅 2017/2/17号

東日本大震災や熊本地震など大規模災害と隣り合わせであるわが国の状況を踏まえ、災害に備えた「レジリエンス住宅」に注目が集まっていることをご存知ですか?
今回はその普及に向けて先陣を切る地域工務店・岡庭建設の池田浩和さんに「レジリエンス住宅とは何か」についてお聞きしました。

モデルルーム内観

モデルルーム内観。大きな開口部から日差しが差し込む明るい印象の室内。
ハード面で有事に備えながらも、平時に快適に過ごせることが岡庭建設 が目指す「レジリエンス住宅」である。

災害に負けない強くてしなやかな住宅

「我が国では2年前に『強くてしなやかなニッポンへ』をテーマに国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)、防災、減災の取り組みとして官民一体となった『一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会』が発足し、様々な課題への取り組みや新しい制度や施策、仕組みづくりなどを検討しています。災害に遭って一番被害を受けるのが住宅であり、それによって国民の生活が奪われてしまいます。生活をいかに早く回復できるか。“レジリエンス”の中でも最重要課題であり、最初に取り組まなければならないステップが住宅だと言われています。」(池田さん)。
全国の工務店代表としてワーキングに参加する岡庭建設は、昨年西東京市内に災害に強く、被害を予防して減災し、速やかに復興へと動ける強くてしなやかな住宅「レジリエンス住宅」のモデルルームを建設しました。ここで実践する防災、減災に強い住宅機能をひとつずつ見ていきましょう。

薪ストーブ

暖房性能が高く、煙突1本で1階も2階もあたためてくれる薪ストーブ。調理機能がついたタイプを選べば、普段はオーブン料理やピザなどの料理が楽しめるだけでなく、ライフラインが止まった時には薪さえあれば火を起こして暖房としても使え、炊き出しもできる。

貯水タンク/雨水タンク

災害時に一番必要なのが水。水道水を日々循環させながら蓄える「貯水タンク」を屋根裏や床下に設置すれば場所をとらずに、常時4人家族×2日分の飲み水をキープできる。雨水が多い地域では「雨水タンク」を設置しておけば、断水時のトイレの排水などの生活用水としても使える。

平時は快適に、有事に威力を発揮する構造と設備

「災害に備えた住宅というと、要塞のような建物を想像する人も多いかもしれませんが、平時でも快適に楽しく暮らしながら、有事に威力を発揮する住宅というのが、私たちが考える“レジリエンス住宅”です。」(池田さん)。
ひとつ目のポイントは、耐震性も省エネ性も兼ね備えていること。モデルルームは長期優良住宅の1.5倍の耐震性能3を備えることで、耐震性能を高めています。ただし、窓が小さいと閉鎖的になるため開口部はあえて大きくし快適性を確保しています。気密性の高い樹脂窓などを採用することで省エネ性能を高めていて熱を逃がさないので、冬の有事でも安心です。
次のポイントは設備選び。蒔ストーブは、近年人気が高い暖房設備ですが、調理機能のついたタイプを選べば有事の際、コンロが使えない時など炊き出しに利用できます。また、ライフラインがストップした時に備えて、エネルギーを自給自足できるソーラーシステムを導入したり、雨水タンクを外部に3か所設置し、平時には植木への散水としても利用できるようにしています。水道管の一部を太くして水が貯められる貯水タンクも導入。屋根裏や床下に設置できるもので、タイプに応じて18リットル、36リットルの水が自然に貯まるので有事に飲み水として利用できます。

太陽エネルギー

レジリエンス住宅には、屋根で集熱、蓄電するソーラーシステムなどの自然エネルギー活用も有効。
太陽から得た熱により冬場は空気を温め床下に送る暖房として、夏場にもお湯取りとして利用することが出来る。家内部の各所に設けられた床吹出口から家全体の空調を整えるのでヒートショック(家の中での温度格差)もやわらげる効果も。有事には蓄電したエネルギーを情報収集のための携帯電話の充電などに活用できる。

普及のポイントは「これならできる」という安心感

「家づくりにおける一番の問題はお金です。災害対策を完璧に備えた住宅を建てようと予算の何倍もかける人はまずいません。だからこそ、例えばソーラーシステムを導入して集熱と蓄電をしながら、快適な温熱環境にするなど、ちょっとしたことをオプション化するくらいで誰でも真似ができるようでないとレジリエンス住宅は普及していかないでしょう。設計者は平時と有事の利用法を事前に提案した上で、施主に必要な設備や機能をチョイスしてもらえればいい。『これならできる』と取り入れられることが大事です。」(池田さん)。
このモデルルームは、災害時の復興拠点にもなるように、普段から頻繁に暮らしを楽しくするワークショップなどを開催し、普段から人と地域がつながることで、いざという時にスムーズに被災支援の場として機能できることを周知しているそうです。

最後に、池田さんは次のようなアドバイスをしてくれました。「レジリエンス住宅は自分の設計を変えてまでやるのではなく、自分たちの家づくりの延長で捉えて欲しい。既製品を取り入れることも一つですが、自分たちのアイデアで災害に強くすることができるのです」(池田さん)。
設計者一人ひとりが防災、減災という視点を持つことで、レジリエンス住宅のアイデアは無限に広がっていき、私たちの生活を守ることにつながっていくのです。

監修:リビングデザインセンターOZONE(テキスト:阿部博子)

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災害に備えたレジリエンス住宅 製品のご紹介

デザインと機能性を備えた薪ストーブ

モルソー 7110CB

■メーカー名:モルソー(輸入元:株式会社新宮商行)
■URL:http://www.morso.jp/
■製品名:7110CB
■材質・仕上げ:鋳物
■カラー:ブラック
■サイズ:W575×D564×H740(mm)
■重量:140kg
■暖房方式:輻射熱式
■最大出力:9.0kW(7,740kcal)
■最大暖房面積:135m2
■価格(税抜き): 370,000円

■製品の特徴:
スカンジナビアン・デザイン独特のシンプルさと、エッジ部分に見られるはっきりした輪郭のクラシックアメリカンデザインの両方の要素を持つ薪ストーブ。
多くの人から愛されるモデルです。サイドプレートに刻まれた「セイント・ヨハネス・シールド」は、古くから魔よけのシンボルとして北欧で親しまれています。大きく開いたガラス面は暖かさだけでなく、類まれな美しい炎で見る者を魅了します。1本の給気レバーだけでコントロールでき、外気導入にも対応した機能的にも優れた1台。壁に近づけて設置できる対流熱式のモデルもあります。

強くて美しい、洗練された瓦

株式会社鶴弥 スーパートライ110 スマート

■メーカー名:株式会社鶴弥
■URL:http://www.try110.com/
■製品名:スーパートライ110 スマート
■材質・仕上げ:釉薬瓦(陶器瓦)
■カラー:クールブラック、銀鱗、マットグリーン、アンティックブラウン、クールブラウン、クールグレー、美銀 ■サイズ:全長356mm働き長さ260〜285mm、全福347mm働き幅306mm
■価格(税抜き):8,400円/m2〜(設計価格)

■製品の特徴:
「瓦屋根は地震に弱い…」と思っていませんか?鶴弥の防災瓦なら、上下の瓦同士がガッチリかみ合うスーパーロック工法が地震や台風時に威力を発揮し、住まいを守ります。また、釉薬を塗り高温で焼き締めた瓦は色落ちしないのでメンテナンスコストも不要です。
スーパートライ110スマートは、すっきりとしたフルフラット形状の瓦です。2.5寸〜の緩やかな勾配の屋根にも対応し、住宅を洗練された印象に。クールカラーは赤外線を選択的に反射し、室内温度の上昇を抑制。化粧スレートと比較し、1か月のエアコン電気代に換算するとクールブラックの場合で約1,200円節約できる結果となりました(社内試験結果の換算による)。身体とお財布に優しい、高性能な製品です。

レジリエンス機能を強化し、IoTにも対応したエネファーム新モデルを発表

エネファーム イメージ

※写真はイメージです。実際の設置とは異なります。

2017年4月に発売されるエネファームの新製品は、レジリエンス機能が強化されています。停電時発電継続機能を内蔵した機種(レジリエンスモデル)については、停電時の発電継続期間を最長約8日間(現行品は最長約4日間)に延長するとともに、停電時にエネファームが停止していても、市販の蓄電池や発電機等のAC100V電源を用いて起動できるようにするなど、災害時に安心な機能がついています。さらにIoT化への対応など、今まで以上に快適な暮らしと防災対応の両方を実現するモデルとなっています。

◆詳細はこちら(東京ガスプレスリリースへ)