夏季の日射を効果的に遮る窓の使い方
太陽の日射しが暑いと感じるのは赤外線の影響によるものです。図2はサーモカメラでカーテンの表面温度を捉えた画像です。夏季の午前中、差し込む赤外線を遮っていない上の画像ではカーテンの表面温度が35℃で上昇中であり、シャッターを閉めて赤外線を遮った下の画像では31℃に止まっています。このように夏季の日射は窓外で遮る方が有効ですが、この考え方を活かしたのが簾という先人の知恵です。現代では窓外のサンシェード(YKK AP(株)商品名「アウターシェード」)、赤外線を窓ガラスの表面で反射するLow-E膜を加工したガラスがそれに当たります(図3)。またさらには、南側の大部分を壁とし、上に高窓を設けることによって日射を防ぐという先人の知恵を活かした窓の使い方もあります(図4)。日射が入り込む範囲を壁とすることで日射の侵入を抑えつつ必要な光と風を高窓から取り入れるという考え方は、古来の住まいにはよく見られた手法です。