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要点

今年は住宅市場にとっては、昨年に比べて売りやすい環境になると思われます。まず昨年のような消費税駆け込みの反動減といったマイナス基調からは脱出できます。昨年10月以降から、ようやく大手ハウスメーカーの受注動向もプラスに転じ始めました。
消費増税が先送りになったことで、今年3月まで起きると見られた駆け込み自体はなくなりましたが、住宅取得に係る贈与税非課税措置の延長・拡充、省エネ住宅ポイント、フラット35Sの0.6%金利引き下げと、立て続けに手厚い支援制度が打ち出されました。今年の住宅買い時感は、昨年よりも大幅に増すと見られ、住宅購入を促進するはずです。

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贈与税非課税枠の拡充、今年は最大1,500万円まで

年末に27年度の税制改正大綱がようやくまとまりましたね。住宅関連では贈与税非課税枠の延長が気になりますが、どのように決まりましたか?

そうですね。本来ならば昨年末で終了という措置でしたが、延長・拡充が決まりました。昨年までの最大1,000万円非課税から、500万円拡充させて最大1,500万円までが今年の非課税枠です。最大というのは、省エネ住宅等の基準を満たした「質の高い住宅」に対してのもので、一般住宅はそれより500万円少なくなります。また今年から省エネ、耐震に加えて、バリアフリー対策を取っている住宅も「質の高い住宅」と認められ、優遇されるようになりました。

最大3,000万円までの拡充も求めていましたが、今年に関しては1,500万円に留まりました。ただ500万円増でも大きな拡充ですし、ある調査では贈与額で最も多い金額帯は500〜600万円程度、次いで1,000〜1,500万円でしたので、現実的な贈与額と言えるかもしれません。

そうですね。1,500万円までの贈与というのが一般的に多いと思われます。いずれにしても延長されたのは大きいですね。来年からは引き下げられて行きますか?

今までは年末に引き下げられてきましたが、今回の制度では次の消費税10%への再増税を考慮して変則的になっています。大きく変わったのは、まず一つ、「適用の時期」です。従来は枠が使えるのは、「贈与を受けた時期」で線引きされました。今回からは、「住宅購入の契約をした時期」によって線引きされます。
またもう一つは、消費税8%で購入したか、10%負担で購入したかでも分けられます。つまりこれも契約の時期に関わって来ます。

・2015年1月〜12月の契約は、1,500万円(一般住宅1,000万円)
・2016年1月〜9月の契約は、1,200万円(一般住宅700万円)
・2016年10月〜2017年9月の契約は、3,000万円に拡充(一般住宅2,500万円)
・2017年10月〜2018年9月の契約は、1,500万円(一般住宅1,000万円)
・2018年10月〜2019年6月の契約は、1,200万円(一般住宅700万円)

つまり次の増税に向けて駆け込みが起きそうな時期には、贈与税非課税枠を縮小して(17年9月まで)、反動減に苦しみそうな時期には3,000万円まで拡充すると、顧客の動きをうまく調節する仕組みになっています。
そして2019年6月までで終了となっています。なおこの期限は、住宅ローン減税の期限と重なりますので、この辺りまでで住宅の大型支援措置は終わってしまうということです。

なるほど、3,000万円までの贈与が出来るケースがどれほどあるか分かりませんが、相続税も改正されましたから、住宅資金を高額で贈与するというケースもありそうですね。消費税の駆け込み抑制と反動減抑制に、ある程度効果はありそうです。

そうですね。住宅を供給する側も、贈与額を見極めながら、ケースバイケースで提案して行く必要がありそうです。

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早いもの勝ち、省エネ住宅ポイントが復活!

平成26年度の補正予算でも、住宅支援の予算が付いていますね。

今年1月9日には、26年度補正予算が閣議決定されました。国交省予算での目玉は、住宅エコポイントの復活と、フラット35Sの金利0.6%引き下げです。
住宅エコポイントは、「省エネ住宅に関するポイント制度」とされて、805億円の予算枠が設けられました。省エネ性能を満たす住宅を新築した場合には、一律30万ポイントが付与されます。具体的にはトップランナー基準を満たす一戸建住宅、共同住宅、一次エネルギー消費量等級5を満たす住宅。木造住宅の場合は、①一次エネルギー消費量等級4、②断熱性能等級4、③省エネ対策等級4の3つのうち、いずれかを満たす住宅となります。

また対象工事を実施するエコリフォームに関しては、対象工事のポイントの合計で、最大30万ポイントまで、但し耐震改修を同時に実施する場合には、最大45万ポイントまでが付与されるという制度です。

なるほど、ありがたいですね。前回もそうだったと思いますが、リフォームの方が効果がありそうですね。

そうかもしれませんね。窓1枚から対象になりますし、手すりなどのバリアフリー設備の設置にもポイントが付与されます。また金額に占めるポイント還元率で見ても、新築は価格に関係なく一律ポイント、リフォームのメリットが大きいことは明らかです。

予算額は805億円とのことですが、いつまでの措置でしょうか。

明確にいつまでというのは明らかにはしておりませんが、受付開始は、2014年12月27日以降の工事請負契約を結んでおり、2016年3月31日までに着工される住宅ということになります。
終了するのは805億円の予算枠が埋まると見られる時になりますから、前回もそうでしたが、やはり早いもの勝ちということになります。例えば全て新築で使ったとしても、30万ポイントの場合、27万戸で予算枠を超えてしまいます。
1年間に着工される持家だけで30万戸程度ですから、予算は1年分に満たないということです。額は小さいかもしれませんが、リフォームでの活用も進みますので、3分の2くらいが新築としますと、共同住宅も含めて15〜16万戸で終了になってしまうことが予想されます。つまりおそらく今年前半が勝負ということになるでしょう。

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史上最低金利も更新中、フラット35Sの0.6%金利引き下げも

補正予算では、フラット35Sの金利引き下げ措置もありますよね。

はい。フラット35S金利引き下げ優遇措置は、0.3%から0.6%へ拡充します。フラットには1,150億円の予算が付けられました。制度開始から1年間の優遇措置となりますが、これも予算枠いっぱいになったら、前倒しで終了する予定です。省エネ住宅ポイント同様に、早く契約した方が大きなメリットが出るということで、早期の住宅購入を促しそうです。

0.6%の優遇は大きいですよね。住宅ローンを借り入れるには非常に好機と言えますね。

そうです。しかも今の住宅ローン金利は史上最低水準を更新しています。フラット35の最低金利は、今年に入っても過去最低を更新して、1.47%となりました。12月の1.56%から0.9ポイント低下しており、この最低金利の更新は6ヶ月連続です。
これに0.6%金利引き下げのメリットが加わると、金利は1%を割って、0.87%になります。そうなると何が起こるかというと、ほぼ無利子でローンが借りられるという状況になるのです。現行の住宅ローン減税では最大借入額5,000万円まで。年末の残高の1%がローン減税で返って来る額は、金利負担分よりも多くなるはずです。
この金利引き下げ措置は、長期優良住宅等の場合、10年間続き、住宅ローン減税も10年間。つまりこの1月の金利で言えば、10年間は住宅ローンを無利子で借りられるという絶好のチャンスが訪れることになります。

すごいメリットですね。税制から支援制度まで、今年の買い時メリットはかなり増えそうですね。

そうなんです。補正予算では、経済産業省の方でもZEH技術導入促進に150億円、定置用リチウムイオン蓄電池導入支援に130億円、エネファーム導入支援に220億円の予算枠が設けられました。エネファームは1台当り上限が30〜35万円の補助額となります。環境機器導入への補助も、住宅購入の後押しをしてくれます。
昨年は反動減もあって、住宅市場は低迷しました。それも10月以降少しずつ回復基調となって来ています。更に再増税が先送りとなったことで、少し余裕も出て来たと言えるでしょう。贈与税非課税枠の拡充、省エネ住宅ポイント、フラット35Sの金利引き下げ優遇、更には金利自体が史上最低を更新中です。これらの制度は、早い方が良い、または早くしないとなくなってしまうものです。更にもう一つ、早い方がメリットが大きいのは、太陽光発電の売電価格。これも4月からは引き下げられます。2015年は住宅購入には大チャンス到来と言っても過言ではありません。

(構成/テキスト:株式会社 住宅産業研究所 関 博計さん)