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要点

省エネ住宅ポイント制度がスタートしました。この制度は以前「住宅エコポイント」の名前でしたが、26年度補正予算に盛り込まれた現制度では、名称も変わりました。省エネ住宅の購入者にとっては、新築1戸当り30万ポイントと、分かりやすく使いやすい支援制度です。
その他にもZEH支援制度、エネファームなどの環境配慮機器の補助金制度など、様々な省エネ住宅に対する支援制度が始まります。
また4月には、2013年10月に改正された省エネ基準が、1年半の移行期を終えて、完全改正されます。つまり「一次エネルギー消費量」を指標とした建物全体の省エネルギー性能を評価する基準に改められます。国の政策という意味でも、大きく省エネ化に舵が切られていくわけです。

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省エネに手厚い支援策、目玉は省エネ住宅ポイント

前のエコポイントのような、「省エネ住宅ポイント」が始まりましたね。

はい、省エネ住宅ポイントについては前回も触れていますが、26年度補正予算に、805億円が盛り込まれましたね。「省エネ住宅に関するポイント制度」という名称に改められ、基準を満たす新築住宅には一律30万ポイントが付与されます。対象期間は、2014年12月27日以降に工事請負契約し、2016年3月31日までに着工される住宅になります。

省エネ住宅ポイントは、リフォームは適用の幅が広がるようですが、前回のエコポイントとの違いは何ですか?

そうですね。リフォームの場合は、従来の窓断熱、外壁・屋根・天井・床の断熱に加えて、設備エコ改修でもポイントが付与されるようになります。具体的には、①太陽熱利用システム、②節水型トイレ、③高断熱浴槽、④高効率給湯器、⑤節湯水栓、このうち3種以上を設置することが条件となっています。
エコリフォームとの併用で加算されるものとして、A:バリアフリー工事、B:エコ住宅設備の設置、C:リフォーム瑕疵保険、D:耐震改修、更には既存住宅を購入してのリフォームの場合は、10万ポイントがプラスされます。エコリフォームで30万ポイント、併用加算で15万ポイント、最大で45万ポイントが付与されるわけです。
新築の基準は、トップランナー基準を満たす一戸建住宅、共同住宅というのは変わりません。また一次エネルギー消費量等級5を満たす住宅も同等です。また木造住宅の場合は、①一次エネルギー消費量等級4、②断熱性能等級4、③省エネ対策等級4の3つのうち、いずれかを満たす住宅となります。③は改正前の3月までの性能表示基準です。

国の方でも、既存住宅、新築住宅共に省エネ住宅を建てることを強く推進しているという感じですね。

その通りです。今年の住宅関連支援や税制の優遇というものは、基本的には省エネ住宅、更には長期優良住宅にはより手厚くなっています。例えば、同じ補正予算で設けられたフラット35Sの0.6%金利優遇の場合も、金利Bプラン(5年間優遇)では省エネ住宅ポイントの木造住宅基準と同じく、一次エネルギー消費量等級4をクリアというのは条件ですし、10年間優遇の金利Aプランでは長期優良住宅か認定低炭素住宅が条件となります。
また贈与税非課税枠も、同じ条件の省エネ住宅であれば、一般住宅の非課税枠1,000万円に加えて500万円枠が拡充します。住宅ローン減税にしても、長期優良住宅、認定低炭素住宅に対しては、一般住宅の限度額が400万円に対して500万円まで拡充されています。固定資産税も、長期優良住宅は2年間長く減税されます。
もっとも、仮に省エネ基準を満たさなくても、耐震、バリアフリーで一定の基準をクリアすることで、フラット35Sの金利Bプランや贈与税非課税枠の500万円拡充は適用されます。ただ省エネの性能が最優先される基準とも言えますし、住宅性能のバランスが取れた長期優良住宅であれば、ほとんどの支援制度で最優遇されるということが言えます。

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環境関連機器の補助制度とゼロエネ支援

他にもエネファームや蓄電池の補助金が出るようですね。

省エネ住宅ポイントやフラット35S金利優遇は、国交省の予算なんですが、経産省の26年度補正予算では、住宅・ビルに対する革新的省エネ技術支援(ZEH技術導入促進、既存住宅への高性能断熱材・窓の導入)に150億円、定置用リチウムイオン蓄電池導入支援に130億円、エネファーム導入支援に222億円の予算枠が設けられました。
エネファームの予算が大きいですが、1台当り上限が30〜35万円の補助額、補助率は従来型給湯器の価格差の2分の1+設置工事費の2分の1と定めています。最近では機器の価格自体も下がっていますから、実質100万円程度での導入も可能になってくるわけです。導入促進によって、2020年のエネファーム普及台数140万台を目指すということです。
また蓄電池はまだ詳細が決まっていませんが、当初は目標価格との差額の3分の1〜3分の2としています。つまり10kW未満の太陽光発電+蓄電池という導入も進み、自給自足型の省エネ住宅普及の後押しになるものと思われます。

ゼロエネ住宅の補助金はどんな制度ですか?

「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」ということで、2012年からスタートしていますが、2013年度は1,055件、2014年度は938件に交付されました。7〜8割はハウスメーカーが取っていて、大手向きの支援制度かもしれません。
昨年までは補助率は2分の1、上限350万円という制度でしたが、今回の補正予算から1件130万円前後に定額化する方向性です。また予算額はビルのゼロエネや既存住宅への高性能建材への導入も含めて、150億円としています。14年度の予算は76億円でしたから、倍増することになるでしょう。これもまだ募集開始時期などの最終決定が出ていませんので、注意して動向を見ておく必要があります。

大手がほとんど取っているということで、中小工務店には不利なんですね。

中小工務店向けにも、国交省から「住宅のゼロエネルギー化推進事業」ということで、上限165万円の補助事業を行ってきました。
今年からはどうも、昨年実施された地域型住宅ブランド化事業と統合するようです。「地域型住宅グリーン化事業」ということで、これは27年度予算に計上されています。地域での工務店、建材流通、製材業者などの連携の取れた取り組みに対して出されるもので、長期優良住宅に対しては上限100万円、認定低炭素住宅にも上限100万円、ゼロエネ仕様であれば、上限165万円の補助金が交付される制度です。更に、産地証明された地域材を柱・梁・桁・土台の半分以上に使用した場合には、それぞれ上限額が20万円加算されます。

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これからは一次エネルギー消費量、改正省エネ基準に完全移行

確かに省エネ関連、長期優良住宅といった性能の高い住宅には、国も多くの支援をしてくれているというのはよく分かります。

そうですね。省エネ住宅ということは、新築住宅においては必須条件とも言える性能です。極端な話、省エネ住宅でなければ新築を建てる意味はあまりないとも言えます。新築のメリットは様々ありますが、光熱費などのランニングコストを抑えられるメリットは非常に大きいはずです。
国の目指す方向性も、2020年には省エネ住宅を義務化する方向性に進んでいますし、標準的な新築住宅ではゼロエネをという動きです。更に2030年には全ての新築住宅の平均でゼロエネ達成を目指していきます。

2020年には義務化という省エネ基準は、改正された基準ですね。

そうです。2013年10月に改正省エネ基準が施行されました。従来のQ値という断熱性能から、「一次エネルギー消費量」を指標とした省エネ性能で測るように変わっています。この移行期間として1年半の経過措置がありましたが、今年4月からは完全施行させ、これからは2013年改正の省エネ基準を使っていくことになります。そして2020年、この省エネ基準を義務化させるという方向性です。

エネルギーの問題は、我々の生活だけでなく、国の貿易収支、更には大前提である地球環境に大きく関わって来ますからね。省エネ住宅の普及促進が重要であることはよく分かります。

そうですね。東日本大震災以降、エネルギー問題はより重要性を増しています。昨年太陽光発電の固定買い取り問題が起きましたが、本来はもっと太陽光発電は必要だと思いますし、日本が再生エネで賄う電力は、1割に満たず、先進国の中でも大きく見劣りしています。ですから住宅に太陽光パネルを載せて発電し、蓄電池やエネファームでエネルギーを有効活用するというのは、非常に重要な施策です。それと同時に、まずは新築、ストックを含めてエネルギー消費を抑える住宅を増やしていくというのが、住宅業界の役割と言えるでしょう。

(構成/テキスト:株式会社 住宅産業研究所 関 博計さん)