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今年は阪神淡路大震災から20年目の年であり、9月の防災週間等では住宅業界でも、災害への備えを重視しようという取り組みが多く見られました。また、最近では地震だけでなく、局所的な大雨が冠水や土砂災害などを引き起こす“ゲリラ豪雨”が増えています。豪雨への対策は今後の住宅提案において必須のテーマと言えそうです。

これまで住宅メーカーでは、①躯体の耐震性のアピール、制震・免震による揺れの軽減、②スマートハウスによる災害時の電力確保、③災害への備え(食料などの備蓄、普及までの自立した暮らし)、といった流れで商品開発が進んできました。建物自体の強さや性能の訴求に始まり、スマートハウスやゼロエネ住宅などにより災害時の電力確保も、省エネに並ぶ大きなテーマとして提案されています。さらに最近発売された商品では、
・災害時に強いだけでなく“平常時の快適性”に配慮
・実際に災害が発生した場合に“どのように生活を維持するか”
というように、災害発生前、発生後の暮らしの満足度にも視点を当てた商品がトレンドになっています。

1耐震性と快適性の両立を図る家

2011年3月に発生した東日本大震災以降、大型の地震への関心が高まっています。
大和ハウスでは、2014年1月に同社の最上級商品として「ジーヴォΣ(ジーヴォシグマ)」という商品を投入して、売れ行きも好調に推移しています。同商品は、その名前の由来となったシグマ型のデバイスを採用した耐力壁により、繰り返しの巨大地震を受けても初期性能を維持できるという点が特徴です。
また、好調の理由は地震に強いことに加えて、強さを維持しながら快適な住空間を確保できる点にあります。

一般的に住宅の耐震性を強化する場合、間取りに制約が出ることが少なくありません。しかし、同商品では、躯体の性能により天井高最大2.72m、最大開口幅7.1mの大空間・大開口が可能という点を大きな特徴として訴求してきました。
現在、発売から約1年半で累計3,000棟の販売を達成するなどヒット商品となっており、8月からは生産体制を強化して月産350棟体制へと強化するということで、耐震性の充実と快適な住空間の両立が好調の理由となっているようです。

さらに9月からは、「xevo Σ Grande(ジーヴォシグマグランデ)」仕様として、
・グランリビングモア →最大3.8mの天井高
・ハイクラスプラス断熱仕様 →ZEHに対応しながら大空間・大開口
・オリジナルタイル外壁など →高級感のある外観・内装
という仕様を追加、耐震性に加えて高級感を演出する設備・仕様の充実で更なる拡販を目指すとしています。

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2自然災害に備える“生活継続性能”に注目

ミサワホームでは、今年4月に防災・減災ソリューション「MISAWA-LCP(ミサワエルシーピー)」を発表しました。災害時、災害後も安心した暮らしを実現する「生活継続性能」として策定されたものです。具体的な提案としては、
・2つのリビングプランにより万一の床上浸水でも避難生活が可能
・「蔵」への食糧、飲料水、防災用品の備蓄
・ローリングストック収納、飲料水貯留タンクなど非常時の食料確保
・被災度判定計「GAINET(ガイネット)」の設置
といったものが訴求されています。
提案されているプランは、1階部分と、「蔵」の上部を利用したスキップフロアにより、2つのリビングとして平常時は寛ぎの空間を提案し、床上浸水があった場合でも避難生活が可能な点をアピールしています。

さらに、災害時には復旧までのシェルターの機能を果たすことになるため、「蔵」への食料・飲料水の備蓄を提案。非常時だけの為に備蓄するのではなく、日常生活で使う食材を一定量確保しておくという「ローリングストック収納」により、食材を無駄にすることのない収納という点もポイントです。

その他、KDDIと共同開発し4月より発売している被災度判定計「GAINET(ガイネット)」も設置しています。これは戸建住宅専用に量産化する被災度震度計のことで、オーナーの安全確保と建物の復旧対応を目指す装置です。
高速データ通信を活用することで、被災情報がクラウドサーバーに集約し、全国の建物ごとの被災度を短期間に把握し、建物の緊急度に応じたサポートを行うという新しいサービスも展開するようです。災害が発生した際への備えはもちろんですが、それによって平常時の暮らしやデザイン性を損なわないという点も提案の特徴となっています。

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3これからの防災住宅は“ゲリラ豪雨対策”が重要に

ミサワホームの提案にもあるように、これからの災害への備えとしてのポイントとなっているのが、ゲリラ豪雨などによる水害への備えです。

このような災害に対応するために、積水化学工業の環境・ライフカンパニーでは、7月に、5つの防災アイテムをパッケージにした戸建て住宅向け設備「防災・安心パッケージ」を発売しました。

その内容は、
・飲料水貯留システム 〜災害時向けに3日分の飲料水確保
・サイフォン雨樋 〜従来の1.2倍の排水が可能
・オーバーフローソケット 〜雨水の居室への侵入防止
といったものです。先行発売していた飲料水貯留システムに加え、想定を超える大雨が降った場合にも、雨水の侵入防止や、速やかな排水を行う雨樋などにより、住宅の被害を最小限に抑える新技術をパッケージ化し、住宅会社に向けて提案しています。

 (株)ウェザーニュースによると、関東甲信エリアは、2014年の7月15日から9月30日までの間に790回ものゲリラ豪雨が発生しているということです。記憶に新しいところでは、今年9月10日に茨城県・栃木県で台風の影響による豪雨が発生し、鬼怒川が氾濫して多くの住宅が浸水被害を受けました。また、今年9月12日には、関東で大きな地震もありました。自然災害に対する消費者の関心は高まっていると見られますので、自然災害対策を施した住宅の提案は欠かせないと言えそうです。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 和則さん)