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住宅関連 制度・マーケット情報

今年は消費税増税に向けて、駆け込み受注が起きると予想されています。ただこれも予定通り2017年4月の増税となればの話で、年明けから世界的に景気不透明感が増す中で、増税の再延期も可能性として否定できない状況です。
株価も乱高下を続けましたが、日銀のマイナス金利発表以来、株価も戻りつつあり、また住宅業界にとっては、住宅ローン金利が更に下がって借りやすくなるなど、多少風向きは変わってきたとも感じられます。住宅業界にとっては今、攻め時ですから、支援制度も有効に活用してみたいものです。
昨年末に閣議決定された2016年度予算案では、住宅関連で三世代同居、サ高住、省エネ化施策、ZEHといったところに補助が出されます。真新しいテーマとしては、アベノミクス新・3本の矢の一つである出生率上昇を目指すといった意味で、「三世代同居」に向けた支援でしょう。税制改正でも三世代同居向けの減税が盛り込まれています。今年、住宅業界の中で多少なりとも背中を押せる支援制度を見てみましょう。

1子育て支援を狙う「三世代同居」をテーマとした支援制度

国が住宅業界を後押ししてくれる制度として、一つは予算による補助金支援制度、もう一つは税制による減税の制度があります。また住宅関連ですと、国土交通省と経済産業省との関わりが深いので、両省の予算や税制に注目すると、何に支援が手厚いのかが分かります。

2016年度の住宅関連予算を大きく分けると、若年子育て世帯向け、高齢者向け、空き家対策、ストック中古流通、省エネといったところの支援になるかと思います。
その中でも今回の支援制度では、「三世代同居対応」というのが目立っています。アベノミクスの新しい矢の1つである、「出生率を1.4から1.8へ回復させる」という目標のために、子育てがしやすい環境を作れる住宅に対しての支援ということになります。
例えば新築では、中小工務店のグループを対象にした「地域型住宅グリーン化事業」に対して、今年も110億円の国交省予算が充てられています。従来の長期優良住宅や認定低炭素住宅に対しての1戸100万円の補助金が与えられますが、新たに三世代同居対応住宅には、上限30万円が加算されるようになります。

また「長期優良化住宅リフォーム推進事業」に対しては、従来の性能向上リフォームへの補助に加え、キッチン、バス、トイレ、玄関のうち、いずれか2つ以上が複数箇所ある「三世代同居対応住宅」の工事には補助費50万円が加算されます。
更に2016年度税制改正でも、三世代同居に対応したリフォームに対して、最大25万円の所得税減税が盛り込まれています。この減税措置は2019年6月まで続くので、しばらくの間使える支援制度です。
これら三世代同居支援が目指すべきところは、共働き世帯にとっての子育て支援、そして出生率が上昇することがメインですが、更にはシニア層にとっても孫との同居によって、健康寿命を延ばすという方向性も意図していると思われます。

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2高齢者住宅への支援制度拡充、空き家活用促進の税制も

高齢者対策としては、サービス付き高齢者向け住宅の補助も拡充しています。従来は補助額が1戸100万円でしたが、今回は夫婦型のサ高住で135万円、既存ストック型に150万円、それ以外は120万円と、補助額が拡充されました。拠点型のサ高住の場合は、1施設に1,000万円であったものが1,200万円まで拡充され、かなり支援が手厚くなっていることが分かります。
2016年度予算では、サ高住を含む「スマートウェルネス住宅等推進事業」として320億円が充てられ、市町村のまちづくりに即したサ高住の支援を重点化していく方針です。更に2015年度補正予算では、緊急募集として、サ高住に189億円の補助も出されます。補正予算だけで、入居者で約2万人分、15,000戸に対しての補助額になります。

また空き家対策としては、国交省予算では20億円を充てられ、市区町村と民間事業者が連携して実施する総合的な空き家対策を計画的に行う事業を支援してくれます。
2016年度税制改正でも空き家対策として、相続した空き家を売却した場合、譲渡益に掛かる所得税の減税特例も設けられました。対象となるのは、1981年5月以前に建てられた建物で、相続後に空き家となり、賃貸などで使っていないことが条件。2019年末までの措置で、譲渡所得から3,000万円が控除されます。

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3省エネ関連では、引き続きZEH

省エネ関連では、前述の地域型グリーン化事業やビルも含めたZEH・ZEB補助金がそれぞれ110億円充てられます。グリーン化事業は国交省、ZEHは経産省の予算になります。
グリーン化事業は長期優良住宅、認定低炭素住宅が100万円、ゼロエネ住宅が165万円の補助額となりますが、今回新たに「性能向上計画認定住宅」にも上限100万円の補助が出ます。これは建築物省エネ法に基づき、省エネ性能が高いと認定された住宅となります。
ZEHはここ数年、ハウスメーカーを中心に普及が進み、補助金も有効活用されています。2030年までには新築住宅の平均で、ZEHを実現すべく積極的に展開したい省エネ住宅です。同じ2030年の目標値として掲げているのは、エネファームの530万台普及の達成。経産省予算の中でも、水素社会実現に向けて、エネファーム導入補助金として95億円が盛り込まれています。

今年使える補助金や減税制度を見てきましたが、それぞれの詳細については、まだ明らかになっていないものもあり、追って情報を集めていく必要があります。早期になくなってしまうものもありますから、常に情報をキャッチし、お客様に的確に伝えていくことが求められます。
今年は住宅ローン金利が最低水準という追い風もあります。支援策と合わせて、増税前というタイミングに如何にメリットをアピールできるかが勝負になって来るでしょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 博計さん)