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住宅関連 制度・マーケット情報

以前、このメールマガジンでも解説しましたが、住宅会社がウェブでの集客活動を成功させるためには、大きく2つの要素が求められます。1つは、自社ウェブサイトの内容を充実させることで、より多くの反響(資料請求・お問い合わせなど)を獲得すること。もう1つは、反響のあったお客様に対し、メールなどによる適切なアプローチを行うことで、より多くの来場・商談を獲得することです。
この2つは、ウェブでの顧客獲得を図るにあたり、多くの住宅会社が優先的に取り組むべき事項です。これに加えて、もう1つ取り組んでいただきたいことがあります。それが、ウェブでお客様を育成し、自社のファンを増やす取り組みです。

1「家づくりを考えているけれど、まだ具体的ではない」顧客層を効果的に囲い込む

反響の獲得や来場の促進は、家づくりのニーズがある程度具体化・顕在化している見込み客や、ある程度自社のことを気に入っている見込み客に対して、次のアクションを促すための施策です。
これに対して、お客様の育成・ファン化とは、それよりも前の段階にいるお客様を囲い込むための施策です。「家づくりを考え始めたばかりで、ネットなどで情報を俯瞰しているだけ」「なんとなく興味のある住宅会社はあるが、まだ家づくりの計画が漠然としているため、資料請求やモデルハウス来場まで考えていない」などといった方が対象となります。
このようなお客様に対するアプローチは、従来の紙媒体などではやや困難です。しかし、様々なウェブサービスを活用して自社の情報や近況を定期的に発信すれば、このようなお客様の興味を高め、次のアクションを促すきっかけを生むことができます。潜在客を、極めて早い段階で囲い込むことができるのです。

代表的なアプローチツールを、以下に挙げます。

●ブログ
自社サイト内にブログを設けるか、あるいは外部のブログサービスを利用し、自社情報を発信します。お客様が定期的に自社サイトへ訪問するための呼び水となります。

●メールマガジン
メールアドレスを登録したお客様に対し、定期的にメールで情報発信を行います。お客様がメールアドレスを登録することが条件となりますが、それを逆手に取って「住所や名前は登録したくないけれど、メールアドレスだけなら…」というお客様を取り込むことも可能です。

●SNS(Facebook・twitterなど)
Facebookやtwitterなどに自社のアカウントを持ち、情報を発信します。メールマガジンと同様に、お客様側からの登録が必要になりますが、登録の心理的ハードルはメールマガジン以上に低いため、より幅広いお客様の取り込みも可能です。

2ブログ・Facebookで自社のファンをつくる〜やまぜんホームズ・新和建設

それでは、実際にこのようなウェブサービスを活用している住宅会社の事例を見ていきましょう。
三重県のやまぜんホームズは、ブログを積極的に活用している住宅会社の1つです。社長ブログ・副社長ブログのほか、スタッフブログをエリア・部署ごとに7つ運営しています。
更新が滞ることもありません。社長ブログは月2回の定期更新を長年継続しており、副社長ブログも毎月3〜4回の更新を続けています。そして7つのスタッフブログは、その多くが持ち回り制で、ほぼ毎日更新しています。スタッフの業務にブログ更新を明確に組み込んでおり、更新が途切れないよう工夫しています。
そして、同社サイトのトップページには、ブログの更新情報を掲載しています。頻繁なブログ更新の結果として、トップページには常に数多くの最新情報が掲載されており、活発に情報発信を行なっているイメージをお客様に与えることができます。

ブログの内容は、イベントなどの宣伝もありますが、大半は社内の様子や担当スタッフの近況報告などです。直接的な会社宣伝ではありませんが、お客様に対して自社の空気感を伝える役割を果たしています。
このような情報発信を行うことで、自社のコンセプトに合ったお客様を、早期に取り込み、ファン化することが可能です。実際に同社では、まだ面識のないお客様からフレンドリーなメールが届くケースがあるといいます。このようなお客様が家づくりの具体的なアクションを起こした際、同社は極めて有力な候補となるでしょう。
さらに、新規のお客様だけでなく、OBのお客様からのアクセスも多いといいます。リレーション継続や、将来的な紹介獲得にも役立っているようです。

愛知県の新和建設は、大手SNSのFacebookを活用しています。同社が開設しているFacebookページのフォロワー(ページの更新情報を追っている人)は12,000名を超えており、地域密着型ビルダーとしては最大規模です。同社がFacebookページを更新するたびに、12,000名以上のフォロワーに対して、情報が発信されるということになります。
情報配信は週2〜3回で、こちらも自社キャンペーンなどの告知はあるものの、メインはOB客の紹介や住まいの事例写真など、直接的な宣伝色の薄いものが中心です。
FacebookなどのSNSは友人・知人同士の交流が主目的であることから、過剰な宣伝は敬遠される傾向があります。そのため、宣伝色を抑えつつ、自社のイメージを印象づける情報を配信することが有効です。社名や自社の写真が継続的に配信され続けることも、ブランド構築に一役買っていると言えそうです。

以上、2つの事例を紹介しました。
中には、このような取り組みに全く着手していないだけでなく、「一応ブログやSNSのページはあるけれど、ほとんど放置している」などという状況もあるかもしれません。
これらのツールは中長期的な顧客育成が主目的であり、すぐに効果が出るものではありません。しかし、そこで放置せず、根気よく継続することができれば、将来の集客活動に大きなプラス効果をもたらすでしょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)