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住宅関連 制度・マーケット情報

ビルダー・工務店が行う集客活動の目的は、「自社のモデルハウスやイベントに来場するお客様を増やすこと」です。言い換えれば、家の購入や家づくりをお考えのお客様に、1組でも多くご来場いただくことで、商談の件数を増やすことが、集客活動の目的ということになります。
ウェブを利用した集客活動は、一般的には、まずウェブサイトで資料請求などの反響を獲得し、反響のあったお客様へ来場促進のためのアプローチを行います。しかし、ウェブ集客のやり方を変えることによって、最初から来場を獲得することも不可能ではありません。
今回は、ウェブ集客で「資料請求」ではなく「来場」を獲得する方法について解説します。

1ウェブでの「来場予約」はハードル高いが、サイトの内容次第で獲得可能

自社のウェブサイトを運営するうえで重要なことの1つに、サイトの「ゴール」を明確にするということがあります。ゴールとは、サイトを見ていただいたお客様に、最終的に行っていただきたいアクションのことを指します。
多くの住宅会社が設定するゴールは「資料請求(もしくはカタログ請求)」です。資料請求には、下記のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット】
 ●(お客様側から見れば)いきなり会社を訪問するよりもハードルが低い
 ●そのため、(住宅会社側から見れば)ある程度の件数を獲得できる

【デメリット】
 ●資料請求だけでは来場に至らないので、住宅会社側からの追客が必要
 ●全員のお客様が来場に至るわけではない

資料請求のメリットは、来場より1歩手前のお客様にアクションを起こしていただけるので、それなりに件数を獲得しやすいことです。しかし、来場への歩留まりはその後の追客活動に左右され、そこで失敗すると、ほとんど来場につながりません。
多くの住宅会社がウェブでの集客活動に苦戦しているのは、この「追客」に手間を掛けていないことが大きな要因です。とりわけ、人員リソースに限りのあるビルダー・工務店では、追客に人手を割くことができないというケースが少なくありません。
この状況を解決し、来場数を増やすための方法は、大きく2つあります。
1つは、追客方法を改善することです。とりわけ、メールによる追客スキルを向上することが重要です。このメールマガジンの4月号で詳しく解説していますので、気になる方はそちらをお読みください。

もう1つは、自社ウェブサイトのゴールを「資料請求」から「来場」に変えることです。最も理想的なのは、自社サイトを見たお客様に、来場予約をしていただくことです。この場合、追客の手間を抑えながらも、反響が来場に直結するため、集客効率は大幅に向上します。
ただし、お客様目線で見れば、「ウェブサイトからの来場予約」は「ウェブサイトからの資料請求」よりもハードルが高くなります。現状の自社サイトにある「資料請求ボタン」を「来場予約ボタン」に変えただけでは、反響がゼロになる可能性もあります。お客様がサイトを見た際に、その会社に親近感・信頼感・安心感を覚え、「この会社に行ってみたい」と思っていただかなければならないのです。

2サイトのゴールを「相談会予約」に絞り込み、来場数倍増〜ファーストステージ

ここまでお読みいただいて、「サイトでの来場予約獲得は難しそうだ」と思われたかもしれません。しかし、実際に成功している例はあります。1つご紹介しましょう。
茨城県水戸市に本社を構えるファーストステージは、ここ5年間で棟数を30棟→80棟まで伸ばした、好調ビルダーの1つです。
この会社では、今年初めに自社ウェブサイトをリニューアルし、成果を挙げています。
リニューアル前の自社サイトのゴールは「資料請求」でした。1件でも多くの資料請求を獲得するため、サイト内には「無料プレゼント」の言葉があちこちに見られました。プレゼント内容は間取り集や社長の著書、時にはクオカードにまで及び、あらゆる方法でお客様の関心を引くよう努めました。

その結果、同社には毎月20件程度の反響(資料請求)が集まりました。しかし、資料請求者の来場歩留まりは約20%で、自社サイト経由の来場は月4件前後にとどまりました。営業リソースが限られているため、資料請求客に対する追客も十分ではなかったようです。
そこで、今年初めに実施したサイトリニューアルでは、自社サイトにおけるゴールを「無料相談会の予約」に絞り、資料請求フォームを全廃しました。
その結果、反響(相談会予約)の数は月7〜8件程度になりました。以前に比べて、反響数はリニューアル前と比べて半数以下に減少しています。しかし、これらの反響はほぼ100%来場に直結するため、来場数はリニューアル前の倍近くに増えたことになります。冒頭に申し上げた集客活動の目的「「自社のモデルハウスやイベントに来場するお客様を増やすこと」に照らし合わせれば、リニューアルは大成功だったと言えます。
もちろん、リニューアルでは自社サイトのゴールを変えただけではなく、サイトのデザイン・内容も大幅に見直しています。同社のコンセプトである「デザイン住宅」に見合う形でサイト全体のデザインを大きく変えたほか、「施工ギャラリー」と名付けた施工事例紹介では、デザイン性の高い事例を30件以上掲載しています。また、社長をはじめとするスタッフを詳細に紹介することで、信頼感・親近感の醸成も図っています。
このようなサイトの見直しが、お客様の心理的ハードルを下げ、来場予約の獲得に一役買っていることは間違いありません。

繰り返しになりますが、自社サイトで「来場予約」の獲得を図る場合は、ただ資料請求フォームを来場予約フォームに差し替えるだけではなく、サイト内容も相応の見直しが求められます。手間がかかり、かつ反響減少リスクを負うことにもなりますが、成功すれば「来場増加」と「営業効率向上」を同時に実現することが可能です。資料請求の来場歩留まり低迷に悩み、かつ歩留まり改善のための追客リソース確保が難しい会社であれば、検討の価値はあるでしょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)