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住宅関連 制度・マーケット情報

大手住宅メーカーが展開している住宅は、工場生産を特徴とするプレハブ工法を採用したり、独自に開発した設備・仕様を採用したりと、構造躯体や独自の技術力による家そのものの性能をアピールすることに長けています。
一方で、家をプランニングする際の重要な項目の一つとして「内装(インテリア)を決める」という作業があります。住宅メーカーにもよりますが、使用することができる建材のメーカーやグレード、色や形の組み合わせは無数にあり、施主の個性が最も反映される部分といってもよいでしょう。注文住宅の場合、インテリアデザイナーと呼ばれる専門家と一緒に内装プランを考え、プロの知恵を借りながらユーザーが思い描くスタイルに近づけていくといった作業になります。
最近では、自社ならではのインテリアデザインを実現できるとアピールするメーカーが増えています。一般的に内装の打合せは契約後の作業となりますが、営業の初期段階からこれをアピールすることで契約の決定打にしようという狙いです。例えば、「インテリアの方向性を決めかねているユーザーに、指針となるようなスタイルを提案する」、「ユーザーの思い描くインテリアを理解し、再現できる能力を持った“ヒト”をアピールする」など様々な切り口を持った取り組みが見られます。

1流行に左右されない空間づくりを標榜する「SHIC」〜積水ハウス

積水ハウスのインテリアに関する取り組みは、住宅メーカーの中でも歴史が長く1980年代からスタートしています。最近では、これまでの取り組みによる豊富な実績と、蓄積したデータからブラッシュアップした独自のシステム「SHIC」としてアピールされています。これは、積水ハウスインテリアコーディネーション:SEKISUI HOUSE INTERIOR COORDINATIONの頭文字を取ったもので、独自のインテリア提案システムの事です。テーマは「流行に左右されない上質な空間づくり」というもので同社の自信が伺える仕組みとなっています。
同システムの基本的な流れは、5つの床色トーンをベースに、「五感で楽しむ」「くらしを楽しむ」「質感を楽しむ」という3つのテーマを掛け合わせてインテリアの方向性を考えることからスタートします。これに、和・洋・モダン、ミックススタイルなど細分化されたテイストを加味して、求めるインテリアに辿りつくことを可能とするものです。インテリアのスタイルやアイテムは専用のカタログとしてまとめられており、ユーザーが楽しみながら家族の好みに合わせたインテリアを考えて行くことが可能です。

積水ハウス内装イメージ

また、プレミアムインテリアとして、銘木を使った無垢床や、自然素材の質感を活かした提案など、基本的なデザイン+αのこだわりにも対応できる点を、契約前のユーザーへアピールしています。

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2鉄骨系商品+木質感のあるインテリアを訴求〜旭化成ホームズ

高い耐火性能を持つALC外壁や、鉄骨3階建商品などの訴求により、首都圏を中心とした都市部で存在感を放っているのが旭化成ホームズです。都市部での販売実績が多い同社は、どちらかというと都会的でスタイリッシュな内装提案を特徴としてきましたが、2013年に発売された「ネクストヘーベルハウス」という商品以降、木貼りの壁や天井仕様を導入しており、「ウッディモダンスタイル」「カフェミックススタイル」といった名称で温かみのあるインテリアの訴求に力を入れています。木質感のある内装デザインがより鉄骨構造の強さを引き立てるといった構図になっています。
その他、最近流行りのDIYもうまく取り入れてアピールしています。例えば、実例紹介では、施主が自作した机や棚等もインテリアの一部として紹介するなど自由な発想で家づくりができる点を魅力として訴求しています。

旭化成ホームズカフェミックススタイル
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3能力のあるインテリアデザイナーとのコラボをアピールする〜三井ホーム

三井ホームは、2×4(2×6)工法によるフリー設計を特徴とするメーカーです。洋風の内外装を得意として、富裕層からの支持が多い点も特徴です。
同社の家づくりは、1組の施主に対してクリエイティブパートナーと呼ばれる4人の専門家[プロジェクトリーダー(営業マン)、建築家(設計士)、インテリアコーディネーター(以下、ICとする)、エクステリアデザイナー]が連携を図ることで、意匠性の高い住宅を実現する点を訴求しています。この4人の専門家の内、建築家とICは外部の専門家であり、それぞれの専門分野で培った経験や能力を集結させて意匠性の高い住宅を設計するという流れになります。社内の人員ではなく、その道のプロを採用するのは、1棟1棟の仕事の質を追求するという理由からです。特にICには強いこだわりがあり、三井ホームでのICの仕事を約280名のICの専門家が担っています。

三井ホーム内装イメージ

ICの仕事は、間取りプランの相談、収納のアドバイス、住設の相談・決定、外観、内装仕様決め、スイッチ・コンセント・照明等の計画など様々です。更に同社のユーザーは、ヨーロッパの伝統的な鍛鉄工芸であるロートアイアンや、ステンドグラスといった装飾への関心を持つ人が多く、このあたりの知識や、空間との調和を考えることができる能力も問われることになります。三井ホームでは能力の高い人材を早い段階からアピールすることで、自社を選択してもらうことに結びつけています。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 和則さん)