戸建住宅関連企業さま向け情報

住宅&住宅設備トレンドウォッチTOPへ戻る

印刷用PDF
住宅関連 制度・マーケット情報

2011年3月に発生した東日本大震災以降、規模の大きな地震が頻発しています。今年は4月14日と、その2日後の16日に熊本県を震源とする最大震度7(M6.5/M7.3)の地震が発生しました。震度7以上の揺れが観測されたのは東日本大震災以来の事となります。また最近では、10月21日に鳥取県を震源とした最大震度6弱(M6.6)の地震が発生しました。現在も比較的大きな余震が断続的に発生しており、避難生活を余儀なくされている方もいるようです。
日本は地理的な背景から見て世界でも類を見ないほど地震が発生しやすい地域だと言われていますが、ここ最近は実際に規模の大きな地震が増えています。東日本大震災以降、震度6弱以上の地震の回数は21回にも上ります(東日本大震災の余震と見られるものも含む)。地域も東日本だけでなく、九州や中国地方など、これまであまり地震が発生しなかったと言われている地域にも及んでおり、住宅を供給する業者にとって改めて「地震に強い家」という訴求をすべき時だと言えます。昨年4月に国交省が発表した「平成25年住生活総合調査」では、住宅及び住環境に関して最も重要と思う項目について、「地震時の住宅の安全性」が13.2%と最も多い結果となっており、頻発する地震からユーザーの関心も高いことが伺えます。

1地震への取組みは継続して紹介しよう

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災を忘れないように、毎年9月1日は防災の日に指定されており、一般的な企業の防災訓練などもこの日に行われることが多いようです。
大手住宅メーカーでも、この時期は災害関連のテーマを持った商品投入や、キャンペーン等の取り組みが見られる時期です。喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉があるように、震災や災害に関する取り組みは、大きな災害があった直後には頻発しますが、しばらく災害が無いと蔑ろになっていく傾向があります。しかし、忘れた頃にやって来るのが災害であり、継続して訴求することが重要です。

震災避難イメージ

例えば、旭化成ホームズでは8月27日〜9月30日まで「災害に強い家フェア」を全国の展示場で開催し、これに合わせてTVCMも放映しました。 「災害に備える」というテーマでキャンペーンを実施、展示場来場者等に、地震に強い家づくりに関する冊子を4冊セットにしてプレゼントするというものです。同社が展開する災害に強い住宅(商品)のアピールするカタログの他、地震への備えや火災対策、非常食・備蓄のチェックリストといったように、普遍的な防災ノウハウをまとめた冊子もセットされており、もらってうれしい内容になっている点がポイントです。

このページのトップへ

2免震、制震システムで繰り返す地震への効果を訴求する

1995年に発生した阪神・淡路大震災以降、住宅の地震への対策は大きな進化を遂げてきました。住宅の構造躯体における地震対策には、

・耐震構造:強固な構造躯体により地震を防ぐ
・制震構造:地震のエネルギーを吸収する
・免震構造:建物と基礎の間に装置を設けて、建物全体の揺れを軽減

という3つの方法があります。耐震構造は柱や壁を強化して、建物全体で揺れに対応するもので、人命を守るために壁や梁などの一部は傷んだり、壊れたりすることはやむを得ないという考え方です。
一方、制震や免振は構造躯体に設置した装置により、揺れを上手く受け流し、建物の損傷も軽減しようという考え方です。ただ、免震は一棟あたり300万円程度かかる価格がネックとなって普及は進んでいません。

家づくりイメージ

制震については採用を大きく伸ばしている会社があります。積水ハウスでは2007年に積水ハウスオリジナルの制震装置「シーカス」を発売していますが、同装置は2011年に発生した東日本大震災以降、飛躍的に搭載率を伸ばしました。採用率は2011年度の58.5%(鉄骨商品系に占める割合)から、直近2015年度には94%にまで上昇しています。
また、2013年には、従来並べて配置していた耐力壁とシーカスフレームを重ねて配置することで設計自由度を高めたハイブリッドシーカスを発売しており、これにより幅3mサッシを2つ並べた6mの大開口を可能として、繰り返す地震に強く、快適性も両立した住宅として、同社ならではの価値を訴求しています。

このページのトップへ

3実大実験動画で地震への強さをアピールする

三井ホームでは、今年6月、7月に国立研究開発法人土木研究所の試験装置(茨城県つくば市)を使った耐震実験を行っており、実験の結果を、TVCM、新聞広告、ホームページ(動画)など様々な形でアピールしました。同社の構法には、

・プレミアム・モノコックG:2×6+Gウォール
・プレミアム・モノコックS:2×6
・プレミアム・モノコックF:2×4

の3つがあります。この内、「プレミアム・モノコックF:2×4」、「プレミアム・モノコックS:2×6」は、一般的なサイズ(89mm/140mm)の構造材を採用したものです。さらに三井ホーム独自のGウォール耐力壁を使用した「プレミアム・モノコックG」というものがあり、ホームページでは「プレム・モミアノコックG」と「プレミアム・モノコックS」の実大実験動画を見ることができます。

家 イメージ

例えば「プレミアム・モノコックG」の実験では震度7の実験を60回行っても、構造躯体の損傷は見られなかったとアピールされており、動画の最後は「モデルハウスにて情報公開中」という文言で締めくくられています。展示場では耐震実験をアピールする垂れ幕やのぼりが用意されており、WEB(動画)から展示場という動線が意識されています。一部の拠点からは動画を見たというユーザーからの問い合わせがあったという話も聞かれており、集客への効果は大きかったものと見られます。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 和則さん)