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住宅関連 制度・マーケット情報

2017年も1ヶ月が過ぎ、トランプ大統領の就任後、TPPを始めとする貿易関連、イスラム諸国入国問題、メキシコの壁等、何かと騒がれることは多くありますが、現状株価も比較的安定していますし、住宅業界にとっても大きな変動は起こっていません。
今年を展望するに当たっては、すごく良くなる要素というものはありませんが、逆に悪い材料も特別に見当たりません。安定した市場動向が見込めるわけで、増税後へ向けての準備をしやすい年と言えるでしょう。
政府の支援制度は、省エネ関連、ストック関連、また子育て支援といった観点から、予算が設けられています。今回は紙面の関係もあり、多くを細かくは紹介出来ませんが、金利優遇支援や補助金など、子育て、ストックという観点での注目の支援制度を見てみます。

1若年子育て世帯に向けた金利優遇支援

ここ最近、国の住宅政策では、若い世代が住宅を買いやすく、そして子育てを応援するという目的のための支援制度が目立っています。29年度予算の中でも、「子育て支援」「若年層」「三世代同居」といった対象に絞られた支援制度は多くあります。
まず金利優遇で1つ。フラット35Sの金利優遇は、現在も28年度のものが実施中ですが、平成29年度予算でも継続して支援事業が行われる予定です。金利優遇は0.3%引き下げとなりますので、仮に2月の最低金利1.10%の場合では、0.80%の金利が適用となります。
昨年は一時1%を割っていた金利情勢も底を打って、多少上昇の傾向とも見えますが、まだまだ低い状況には違いありませんので、ローン減税を合わせれば、ほとんど金利はゼロかそれに近い状態で借りられるわけです。

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昨年10月には、「フラット35リノベ」というストック向けの支援制度がスタートしました。既存住宅を購入し、ある一定ラインまで性能を高めるリフォームを行った場合、当初5年、または10年間の金利優遇として、0.6%引き下げるという仕組みもスタートしています。実際にはまだ実績はわずかということですが、やや性能向上のレベルが高めであり、また流通のタイミングが合いにくいといったハードルがあるようです。この仕組みも29年度も引き続き支援されていく予定です。

平成29年度予算で新たに創設されるのが、「フラット35子育て支援型」です。これは地方公共団体による財政的支援と合わせて手掛けられる事業ですが、対象となる住宅は、若年子育て世帯による既存住宅の取得。また新築においても、若年子育て世帯と親世帯等による同居・近居のための新築住宅の取得も対象になります。これら対象世帯や近居等の要件は、地方公共団体が、地域に合わせて設定するということです。
子育て支援型の金利優遇は0.25%の引き下げ。この優遇はフラット35Sやフラット35リノベとの併用も出来るという方向で進められていますので、新築の二世帯や近居でも0.55%の金利優遇と、大きな金利優遇になります。フラット35リノベとの併用も最終的には調整中のようですが、若年子育て層の中古+リノベという住宅取得はかなり金利面では優遇されるということになります。

もう1点、29年度の変更点として、長期優良住宅の供給・流通促進を図るために導入されるのが、アシューマブルローンという仕組みです。仮に住宅を売却する際に、フラット35の当初の借入金利のまま住宅ローンを購入者へ引き継ぐことが出来るというもの。従来はフラット50に適用されていましたが、フラット35でも導入されるようです。

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2ストック分野での支援制度は目白押し〜簡易リフォームから長期優良住宅化まで

国は昨年、住生活基本計画を見直し、住宅政策をストック重視に大きくシフトさせました。それに伴い、リフォーム・ストック分野への支援制度は、より手厚いものになってきています。前述のフラット35にしても、ストック分野への優遇が大きいことでも分かります。またサービス付き高齢者住宅の補助金も、新築よりも既存住宅の改修の方が補助が手厚くなります。
現在、ストック関連では、補正予算でも充てられている「住宅ストック循環支援事業」があります。①エコリフォーム、②40歳未満の若年層が既存住宅を購入し、リフォームする場合、③エコ住宅への建て替え、以上の3タイプの事業に補助金が出ますが、②の支援制度は、売買に際してインスペクションを実施して、瑕疵保険に加入すれば、インスペクションに5万円、エコリフォームを含めて最大50万円が補助される仕組みです。耐震改修を同時に行えば最大65万円の補助となります。

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①は従来のエコポイントや省エネ住宅ポイントのようなもので、窓や壁等のリフォームで最大30万円の補助が出ます(耐震改修を行う場合は最大45万円)。
③は新築住宅への建て替えということになりますが、耐震性のない住宅を除去して、エコ住宅に建て替えるというもの。BELSの性能レベルに合わせて30万円、40万円、50万円の3タイプの補助額となります。
この補助事業は、事業登録自体は1月18日から始まったものですが、3月末までに事業者登録をする必要があるため、少し急ぐ必要があります。事業期間自体は6月一杯が期限になる予定です。

リフォームで大きな補助額が充てられるものと言えば、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」があります。29年度からは、従来の劣化対策、耐震性能に加え、もう1つその他の省エネ性か、維持管理・更新の容易性も性能向上が求められることになります。ただこれも若年層には緩和策が設けられており、若年層の場合は従来のように劣化対策と耐震性の基準を満たせば良いということです。
事業タイプとして、3レベルが設けられており、補助限度額も異なります。
従来の評価基準の適用とその他1項目が適合する「評価基準型」は最大100万円、長期優良住宅の認定を受ける「認定長期優良住宅型」が200万円、更に一次エネルギー消費量が省エネ基準比20%削減される「高度省エネルギー型」は最大250万円が補助されます。
またこれも子育て支援ということで、三世代同居対応改修工事を行った場合には、戸当り50万円を限度として補助が加算される仕組みです。つまり三世代同居工事を伴えば、150〜最大300万円まで補助されます。

今回は大まかに子育て支援、ストック活用という点での住宅支援策を紹介しましたが、まだ制度が固まっていない部分も多々あります。詳細は各省庁や地方公共団体による制度概要を見て、最新の動きを見ながら活用していく必要はあります。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 博計さん)