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住宅関連 制度・マーケット情報

2017年度、初月の4月着工は前年同月比1.9%増とプラスでスタートしました。持家は1%未満の小さな伸びですが、相変わらず賃貸、分譲はプラスで、幸先の良い年度の始まりとなっています。昨年度以来続く低金利の影響もあって、住宅購買意欲は比較的安定しているようです。
ただ1ヶ月のみですから、地域によってバラつきも大きく、熊本や鳥取等は大きく持家着工が伸びています。景気動向としては、株価が2万円を超えるなど堅調であったり、上場企業の決算も好調であるなど、雰囲気としては比較的良いとも言えます。気がかりなのは金利の動向ですが、上昇基調でもあり、少しずつ先高感も出て来たようにも見えます。
住宅購入の支援制度、補助金制度も新しくなって始まりました。既存住宅の流通やストックに向けたものが多いことは変わりませんが、新築住宅に対しても、新たな仕組みとなって、ZEHビルダー登録制度の公募も始まっています。今回は2017年度の支援制度について、主に新築に使える制度を見てみます。

1今年度のZEHビルダー登録制度は補助金75万円に減額

まず特に大手ハウスメーカーの中で注目度が高い支援制度が、ZEHビルダー登録制度による補助金です。2020年度までの目標を掲げ、企業登録をしてから申請を行うという流れなど、大まかな仕組みは昨年度と大きく変わっていませんが、2017年度は補助額が減額となっています。
現在約6,000社の登録がありますが、昨年度の補助金制度では、全体の8割が登録は済ませたものの、申請は行わなかったということです。またそもそも予算枠に限りがありますから、2016年度の当初予算では約1万件の申請のうち、交付が決まったのが6,400件程。性能順に交付が決まり、3〜4割は申請しても通らず、といった状況でした。
今年度も予算はほぼ同等ですが、前年度の補助額125万円に対して、1件当り75万円に減額されています。その分、補助件数は9,700件程度と増えることで、多くの登録ビルダーにチャンスが与えられるという見込みがあります。また地域区分などによらず全国一律とし、1、2地域の寒冷地においての補助額の増額はなくなりました。

その他変更点としては、建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示(BELSなどの第三者認証を受けているものに限る)が、申請手続き上、必要になりました。
またコスト意識にも注意が促されています。ZEHの価格低減を推進していくものとして、ZEHのための外皮・設備のm2当り単価に上限を設け、一定価格以下にするということも補助対象の条件となっています。補助対象経費に、地域区分や住宅仕様ごとに設けられた「申請可能な上限額」を設けて、それを下回るようにという要件が設けられました。「ZEH補助対象費用上限単価(万円/m2)」として、一覧にしてそれぞれ価格が定められています。要するに設備などが過剰スペックとなり過ぎず、自立化につながるようなZEHの普及を目指すようにということを謳っています。
更には、特定のビルダーの事業に、過度に集中することを防ぐため、ビルダーごとに1公募当りの採択目安数が設定されます。これは各ビルダーの前年度の実績や今年度の目標に応じて、規定の算出方法で算出されます。採択目安数を超えて申請があった場合には、採択順位を下げて、採択されにくくなるようです。
公募は第一次から第四次まで、第一次公募は5月15日よりスタートし、既に終了していますが、第二次公募期間が6月8日〜23日、第三次が7月3日〜21日、第四次が7月31日〜8月18日と、定められています。

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2フラット35Sの「子育て支援型」と「地域活性化型」

金利優遇支援も、住宅購入者には大きな後押し要素になります。フラット35Sの0.3%金利優遇は、2017年度も引き続き設けられますが、今年度から新たに登場したのが、「子育て支援型」と「地域活性化型」です。少子化対策に向けた子育て支援と、衰退へ向かう過疎地域の活性化という、日本の将来における課題に対して、住宅購入の金利面での支援を行うということです。
これは地方公共団体(自治体)と住宅金融支援機構が連携して行うもので、全国一律ではなく、自治体が行う補助金などと合わせて、自治体ごとに要件が異なる支援策になります。フラット35の金利優遇に関しては、当初5年間、0.25%金利引き下げを行うというものになります。また新築に対しても要件を満たせば対象となりますが、既存住宅の方がメインになってくるかもしれません。

対象となる自治体の取り組みは以下のようになり、これら地方自治体の取り組みを後押しするのが狙いです。

① 子育て支援・・・保育の受け皿の整備などの子育て支援
② UIJターン・・・起業支援などの地域活性化や空き家解消など
③ コンパクトシティ形成・・・都市機能の誘導などのコンパクトシティ形成

金融支援機構と連携する地方自治体は、それほど多いわけではありません。例えば、北海道では夕張市などの3自治体のみ。また山形の場合は山形県ということで県が連携していますが、栃木県の場合は、栃木市、小山市といった市で連携しています。事業名もそれぞれ独自のものを設けており、栃木市の場合は、「まちなか定住促進住宅新築等補助事業」、「空き家バンクリフォーム補助事業」と2つ設けられています。各地方公共団体の補助事業の要件に関しては、フラット35ホームページ上でもその要件が明記されています。

「子育て支援型」は、若年子育て世帯が既存住宅を取得する場合、また子育て世帯が親世帯と同居・近居するための新築住宅、既存住宅の取得などに対して支援が受けられます。対象となる世帯や要件は、各自治体が認定するということですから、利用手続きの流れとしては、まず地方自治体から、「フラット35子育て支援型・地域活性化型利用対象証明書」の交付を受ける必要があります。
この金利優遇は当初5年間に限られますが、従来の金利優遇である0.3%優遇と併用できるという点がメリットとしてあります。つまり5年間は0.55%の金利優遇で、フラット35を利用できることになり、大きな支援策と言えます。
また従来のフラット35S金利0.3%優遇も、今年10月1日以降の申し込みは0.25%に引き下げられます。9月までの申し込みがお得で、金利先高観もあることから、住宅購入を急がせる一つの要素にはなりそうです。市場環境は悪くないため、補助金や支援制度を有効に活用して、住宅販売を促進していきたいものです。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 博計さん)