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住宅関連 制度・マーケット情報

ビルダーや工務店が、自社サイトなどを通じてウェブ上で情報発信を行う目的は、一体何でしょうか?それは言うまでもなく「集客のため」です。ということは、発信する情報は自社の集客ターゲットであるお客様(新築・リフォームなどをお考えのお客様)に求められる情報でなければなりません。
今回は、ウェブ上で発信すべき情報について解説します。

1自社のターゲット層が何を求めているのかを考える

ビルダーや工務店の自社サイトを見ると、仕様説明・特長説明・施工写真など、自社の伝えたいことを、ただ詰め込んだだけのサイトが、まだまだ目立ちます。サイトを見ている人のことを想像せず、ただ自社の主張を並べただけのサイトが、集客・営業につながる可能性は、残念ながら極めて低いでしょう。

冒頭に「ターゲットのお客様」と書きましたが、自社サイトに何を載せるかを考える際には、まず、どのようなお客様に見てほしいのかというターゲットを決めなければなりません。
例えば新築住宅の集客をお考えであれば、少なくとも下記の点は決めたほうが良いでしょう。自社が得意としているお客様像、もしくはこれから強化したいと考えているお客様像を考えながら決めていきます。

  • ● 世帯主の年齢
  • ● 家族構成と家族の年齢
  • ● 世帯年収
  • ● お住まいの地域
  • ● 土地の有無・建て替えか否か
  • ● 現状が賃貸暮らしの場合、現在の家賃

「いろんな人に見てほしいから、ターゲットは絞りたくない」とお考えの方もいらっしゃいますが、誰に伝えたいのかが明確でないウェブサイトは、結果として誰にも響かないサイトになり、集客につながらない可能性が高いのです。

ターゲットが決まったら、今度はそのターゲットに対して、自社のどのような特長を伝えたいのかを決めます。これも、経営者やウェブ担当者の思い込みだけで決めるのではなく、お客様との接点が多い社員や、自社で施工したお客様にヒアリングしながら決めることが大切です。「お客様が自社を選んだ理由」「他社と競合したときに差別化できたポイント」「お客様に喜んでいただいている点」などが、自社の有力な訴求ポイントとなるでしょう。

サイトに載せる情報を決めるのは、ここからです。ターゲットと特長、言い換えれば「誰に、何を伝えるのか?」が明確になれば、「何を載せるべきか」「どのような文章や写真で伝えるべきか」も、必然的に定まるでしょう。
このようなプロセスを経て制作した自社サイトは、ターゲット層のニーズを満たすものとなり、おのずと集客への貢献度も高まるはずです。

2ウェブ展示場+テーマ別サイトで集客〜エスケーホーム

1点、事例をご紹介しましょう。
熊本県熊本市の株式会社エスケーホームは、自由設計の注文住宅をメインとする会社です。年間120棟(2016年6月期)の完工実績を持つ同社では、ウェブが主力の集客ツールとなっています。

同社サイトにおいて特徴的なコンテンツといえるのが「インターネット展示場」です。
自由設計のベースとして用意した8種類の商品について、写真・参考プラン・価格・住宅ローン返済例などの情報に加え、建物を動画で見ることもできます。動画は、外観・玄関・リビング・浴室など場所ごとに分かれており、その数は1商品あたり5〜10本にも及びます。
また、一般的なモデルハウスは昼間しか見学できませんが、同社のインターネット展示場では、建物内の夜の様子も紹介しています。一般的なモデルハウス以上に建物への理解を深められるコンテンツと言えます。

さらに、サイトに会員登録を行ったお客様は、気になる商品の間取り・仕様・設備などをカスタマイズして概算金額を算出できる「WEB見積もり」という機能も利用できます。同社では、この会員登録を行ったお客様に対して、完成見学会や長期見学用住宅(半年から1年程度公開し、分譲住宅として販売)への来場を促進しており、効果も出ているといいます。

「自由設計の家」をウェブで伝えるのは難易度が高いのですが、モデルプランをウェブで公開し、それらの情報を余すことなく提供することで、お客様の関心をうまく高められている例と言えます。また、会員登録システムによってお客様側からのアクションを喚起している点も、良い工夫です。

同社がウェブ上で運営しているのは、実は一般的な自社サイトだけではありません。「土地」「地盤」「平屋」「断熱材」の4テーマで、それぞれ独立したサイトも運営しています。それぞれのサイトでは、テーマに沿った一般的な情報の提供に加えて、同社の実例紹介や考え方の紹介、エリアに特化した情報提供も行っています。そして、地盤がテーマのサイトでは「無料でできる地盤診断の申込」、土地がテーマのサイトでは「未公開物件情報を見られる会員登録」など、それぞれのテーマに合わせた反響獲得を図っています。

家づくりを検討中のお客様が高い関心を持つテーマと、自社の強みとするテーマを重ね合わせ、自社サイトのコンテンツではなく独立したサイトとして情報提供を行い、反響を獲得するという手法は、ターゲットニーズに合わせたウェブ集客の究極系といえるかもしれません。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)