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住宅関連 制度・マーケット情報

今年4月、大和ハウスや住友林業、パナホーム、ミサワホームは富裕層をターゲットとする坪100万円内外のハイエンド商品を相次いでリリースしました。富裕層向け住宅は、意匠性の高さ、ディテールの美しさが売りの建築家集団が強いイメージですが、大手ハウスメーカーが打ち出すハイエンド商品では高い意匠性はもちろん、住み心地の良さや住環境の高さを付与することで差別化を図っていくという方向性も特徴です。
富裕層は全国的に増加しています。NRIの推計によると、2015年時点で1億円以上の資産を持つ富裕層以上が121.7万世帯で、13年比で20.9%増加しました。資産5億円以上を有する超富裕層はその内、7.3万世帯で13年比35.2%増となっています。この富裕層・超富裕層の増加要因には、アベノミクスによる株価上昇により保有資産が拡大したことや金融資産を運用している純富裕層の一部が富裕層に移行したことが考えられます。
住宅業界では大手ハウスメーカーがこの潮流に乗って富裕層向けを強化しています。3000万円超えの受注件数が多くなっており、三井ホームに関しては平均単価が4000万円に近い水準まで上昇しています。大手ハウスメーカーは近年の新築戸建住宅市場の減衰を背景に1年間受注棟数の大幅な増加が見込めにくくなっており、1棟当たりの単価アップを図ることも業績向上に向けた戦略の1つと言えるでしょう。

1戸建住宅の建築技術とノウハウを結集「プレミアムグランウッド」~大和ハウス

「プレミアムグランウッド」~大和ハウス 大和ハウスといえば、1959年初発売の「ミゼットハウス」に代表されるようにプレハブ住宅の先端を駆けてきた住宅メーカーの1社です。今年4月に始動したプロジェクト「プレミアムグランウッド」は、これまでの工業化で培ってきた技術を継承しつつも、工業化住宅のプロセスを見直す「脱プレハブ住宅」を掲げ、フルオーダー、自然素材にこだわった木造の一邸逸品家づくりを目指しています。
ケーススタディハウスとして、兵庫県芦屋の六甲山麓の高台に位置する住宅地に「プレミアムグランプリ 神戸・芦屋の家」を建設しました。「プレミアムグランウッド」の設計のポイントは、住宅の空間を住宅単体でデザインするのではなく、外構も含めた総合的な空間を築き上げる「庭屋一如」の考え方です。素材に関しても、これまで手掛けてきたプレハブ住宅で生み出せない「木」の質の高いものをセレクトしたことで、上質な空間が生まれています。また、木造用の新エネルギー吸収型制震耐力壁「グランデバイス」、U値0.198W/m²・Kの「オールバリア断熱プレミアム仕様」、基礎の内外に発泡系断熱材を配した継ぎ目のない「基礎ダブル断熱」、床下の温熱を利用した新空調補助システム「快適涼暖システム」など、技術面でも最高級の住空間の質の高さも提供していると言えます。
当プロジェクトでは「邸別設計・デザイン」を採用し、「グッドデザイン賞」受賞デザイナーなど経験・知識豊富な担当者を専任させ、今後は外部建築家をはじめ「現代の名工」に選ばれる職方などの専門スタッフ体制を構築していく予定です。

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2新概念の空調システムを搭載「カサート プレミアム」~パナホーム

健康被害や良質な住宅ストック社会の形成など住宅を取り巻く社会課題の解決を目指し、新しいくらし価値を提供していく戸建住宅のフラッグシップ商品としてパナホームが投入したのが、「カサート プレミアム」です。
工業化住宅業界初となる新概念の快適・新空調「エアロハス」の特徴は以下の5点。

  1. じゅう健康快適な温度
  2. 部屋ごとの温度調整と室温変動への自動対応
  3. 電気代抑制(一般的な全館空調の44%)
  4. カビ対策(1時間3ℓの除湿能力、空調OFF時もダクト内と室内換気継続)
  5. 浄化能力は空気清浄機レベル(PM0.5にも対応)
「カサート プレミアム」~パナホーム

同じく工業化住宅業界初の技術を採用した耐力壁「アタックフレーム」により、地震エネルギーの吸収力を大幅アップ。耐震性向上とエアロハスの採用で、室内はエアコンや垂壁のないすっきりとした大空間を実現しています。また、「アルミ樹脂複合サッシS」の採用で断熱性をさらに強化し、5.4mの吹抜けでも上下温度差0.9℃など、快適性を確保しました。吹抜けとつながる階段は、踊り場に家族の想い出や趣味の物を飾れる「シェアステージ階段」として活用できます。深い軒下に設けたハイウォールバルコニーは、屋外リビングや、浴室とつながるプライベートバスコートなどとして、都会の寛ぎを演出します。外観は重量タイルや天然石による重厚な外壁とシャープな軒先が特徴。太陽光発電は屋根になじむデザインの「HITスリム」を採用しました。

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3センチュリーモノコック構法を新開発「センチュリー プリモア」~ミサワホーム

ミサワホームが今年4月に発売した「センチュリー プリモア」は、同社の最上級ブランドとして投入されました。新構法を採用した創立50周年記念商品です。同商品では断熱性・気密性・耐風性に優れ、南極昭和基地の居住棟にも用いられている120mm厚の壁パネルを採用し、高耐力のLVL材の梁を組み合わせることで耐震性を確保した新構法「センチュリーモノコック」を採用しました。
5.4m幅の大開口や3mの高天井といった大空間を実現する一方、玄関土間断熱やオリジナル高断熱サッシを用いることで、UA値0.50以下を容易に達成することができ、ZEH基準を大きく上回る断熱性能を確保しています。また、潜熱蓄熱材を組み込んだ蓄熱床を新たに採用し、冬の早朝でもLDKの室温を18℃以上に保てることが試算済みです。

「センチュリー プリモア」~ミサワホーム

夏場の暑さ対策としては、室外に設置したルーバーに水を流して涼風を取り込む「クールルーバー」や、エアコンとトップライトとシーリングファンを自動制御する「涼風制御システム」などがあります。内装材には天然木の風合いと機能性を備える突板建具、挽板フローリング等を採用し、高さや奥行きを自由に設定できる本棚やテーブル等、自社製アイテムも用意し、統一感のあるインテリアを提案しています。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 斎藤 拓郎さん)