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住宅関連 制度・マーケット情報

住宅の商品訴求には、性能やデザイン、価格のわかりやすさ等の様々な切り口があります。その中でも、趣味や暮らしをコンセプトとする商品訴求は、共通の話題で顧客との距離を縮めやすく、ファン化しやすい切り口と言えます。

趣味をコンセプトとした住宅商品で、トレンドの一つとなっているのがアウトドアです。アウトドアやキャンプというと、専門的な道具や知識が必要で、ハードルが高い趣味というイメージがありましたが、アウトドアブランド各社からは、カッコよくて機能性の高いウェアやグッズが販売され、お洒落で気軽に楽しめる趣味となっています。フェス文化やアメリカ西海岸のサーフカルチャーとも合わさって、住宅にアウトドアテイストのデザインを取り入れる提案がよく見られるようになりました。
リビングに大空間・大開口を設けて、庭やテラス等の外の空間とつなげるようなプランで、家の庭で気軽にキャンプやアウトドアを楽しめるような提案は、家族の休日の過ごし方の夢が膨らみます。敷地の関係で大きな庭を確保できない場合でも、屋上にアウトドアの空間を設けることができます。へーベルハウスでは2年程前から、重量鉄骨の強固な躯体構造を活かして屋上を第二のリビングとして活用する「アウトドアリビング」のキャンペーンを行っています。木造でも屋上を活用できる工法や防水の技術を取り入れる会社は増えています。桧家住宅では「青空リビング」として、屋上テラスの開発・販売・施工会社と業務提携して、屋上専用のオリジナル家具や床材とのパッケージ提案を行っています。

1趣味を楽しむオーナーがSNSで情報拡散〜BESS

アウトドアの趣味にターゲットを絞った商品戦略を続けてきたのが、ログハウスシェアNo.1のBESSです。ログハウス以外の商品でも、内装材にはラフな無垢材を使用し、土間や吹き抜け、ウッドデッキを広く設けている間取りが多いのが特徴です。居室や収納のスペースは多くはありませんが、多少不便であってもBESSの家での暮らしを楽しむライフスタイルを提案しています。
BESSの展示場は複数のモデルハウスが建つ大型の単独展示場で、広い敷地内で行うBBQやフェスのようなイベントの集客力が高いです。特に冬場は、薪割りや薪ストーブへの着火、調理体験等の参加型イベントの人気が高く、薪ストーブの採用率は約5割です。モデルハウスの中も、ハンモックやマウンテンバイク、カヌーなどのアウトドアグッズで設えて、遊びに来る感覚で気軽に来場してもらい、趣味の話題を中心にコミュニケーションを取って、何度も通ってもらううちにファン化するという営業戦略です。
住宅情報誌ではなく、アウトドア雑誌やライフスタイル雑誌への広告出稿を主力としているのも特徴です。広告宣伝の効果が高いのがSNSです。FacebookやInstagramのフォロワー数は住宅会社の中ではトップクラスですが、Instagramで公式アカウント以上に機能しているのがオーナーによる投稿です。オーナーは「#bessの家」のハッシュタグを付けて、家の外観、内観の写真だけでなく、子供やペット、食卓や車、外に見える風景等、建物が写っていない写真を投稿します。オーナーの投稿にはコメントが付けられることも多く、投稿者と友人との会話だけでなく、別のBESSオーナーが投稿者をフォローしたり、BESS検討者がオーナーに質問を投げかけるようなやり取りも見られます。
BESSのオーナーはアウトドアやスローライフを趣味とする客層がほとんどで、その暮らしぶりを誰かに自慢したくなり、よりエンドユーザーの目線に近い情報発信をSNSで自発的にしてくれるという好循環となっています。

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2キャンプイベントを企画・運営〜エイダイハウジング

茨城で年間約60棟を手掛けるエイダイハウジングは、ライフレーベルFCの加盟店で、販売している住宅商品は、本体価格1000万円〜の規格住宅の「ゼロキューブ」だけです。シンプルでローコストな規格住宅に、暮らしを楽しむことを掛け合わせた提案を行っています。本社の1階はアウトドアメーカーのスノーピークとコラボしたインテリアショップ、2階には家具・インテリアとアパレルの店舗を設け、庭でアウトドアを楽しむ暮らしや、新築時にインテリアも揃えて新生活をスタートすることを提案します。そのため、資金計画の際には建物と土地の予算以外に、エクステリアや家具の予算も組み込んで総予算を考えるようにしています。建物本体が1500〜1600万円、エクステリアで200万円、家具・インテリアで40〜50万円、土地も合わせた総予算3000万円前後が顧客の平均像で、約6割が新築時に家具を同時購入します。

住宅をまだ具体的に検討していない若年層に対し、暮らし提案型の家づくりをしている自社の認知度を高めるため、様々なイベントを行っています。その一つが水戸市の仙波湖畔で行うキャンプイベント「アーバンアウトドアキャンプ」です。水戸市の後援・協賛を得て、エイダイハウジングは実行委員会として企画・運営を行います。キャンプの会場内では、音楽ライブや雑貨づくり、ヨガ体験などの様々な催しを行います。今年11月で3回目の開催となりますが、主にSNSからの申し込みで毎回50組の参加者枠が即日定員に達するそうです。ここからすぐに住宅の受注につながるわけではありませんが、これをきっかけに自社を知ってもらい、家づくりが具体化したときに「面白い住宅会社がある」と思い出してもらえることを目的としています。

趣味を絡めた商品訴求は、その趣味を楽しむようなイベントによって、ターゲットに合致する客層を集客できます。アウトドア以外にも、自動車やガーデニング、映画や音楽など、趣味を切り口とした様々なテーマが考えられます。共通の趣味を持つ友人同士の口コミや紹介も期待できる商品訴求と言えます。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 布施 哲朗さん)