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住宅関連 制度・マーケット情報

住宅産業研究所では毎年、全国のビルダーを対象に、アンケート調査を実施しています。このアンケートでは、事前にピックアップした約20のキーワードから「経営戦略における今後の重点テーマ」を選んでいただいているのですが、ここ数年で回答率が急上昇しているキーワードが「ネット活用」です。2015年は27.6%だったのが、2016年は38.8%、2017年は46.3%と、急速に上昇しています。集客の苦戦傾向が続く中、ネット集客の本格化を考えるビルダー・工務店が、ようやく増えてきたことを示しています。
ネット集客の本格化にあたり、多くのビルダーが真っ先に検討するのが「ホームページのリニューアル」です。実際、ここ1年で、サイトのリニューアルを実施したり、実施を検討するビルダーが急速に増えています。
少し前置きが長くなりましたが、今回は、住宅会社が自社のホームページをリニューアルする際の注意点を解説します。

1大切なことはウェブの知識ではない

ホームページのリニューアルというと、「インターネットのことやホームページのことはよく分からないから…」と、敬遠する方が多くいらっしゃいます。確かに、ホームページのことを考える際、ネットの知識があるに越したことはありません。豊富な知識を持ったスタッフがいれば、ネット集客で成功する可能性は高まるでしょう。
しかし、ネットの知識が無ければ、ホームページ集客ができないというわけではありません。ホームページのリニューアルは、ほとんどの場合、制作会社に外注して行うと思います。専門的な知識は、制作会社に任せてしまっても良いでしょう。
しかし、よく分からないからといって、制作会社に丸投げしてしまうのは良くありません。丸投げで制作したホームページは、見た目は良くなるかもしれませんが、自社が求める成果(資料請求・お問い合わせなど)を獲得することはできません。

そこで重要になるのが、「自社がホームページで何をやりたいのか」を明確にすることです。具体的には、少なくとも下記の3つは決めておきましょう。

【1】ターゲット:どのようなお客様に向けて自社をPRするのか?
(地域・世代・家族構成・予算など)

【2】コンセプト:ホームページを見たお客様に、自社の何を伝えるのか?
(自社の特長・他社との差別化ポイント・載せる情報の方向性など)

【3】ゴール:ホームページを見たお客様に、最終的に何をしてもらうのか?
(資料請求・展示場の来場予約・リフォーム見積もり依頼など)

3つすべて、ネットの知識とは無関係です。しかし、ホームページで自社のファンを作り、資料請求などの反響を獲得するためには、この3つをしっかり定めておくことが非常に重要です。そして、これらを制作会社に伝え、共有しながらリニューアル作業を進めていきましょう。

実は、住宅会社の本業である住宅建築のプロセスと、ホームページ制作のプロセスは、非常によく似ています。
住宅の場合、住宅会社はお客様の理想の住まいを設計・建築するプロです。しかし、お客様の側が「理想の住まい像」を明確にしておかないと、そもそもどのような住まいにすればよいのかが明確になりません。
ホームページの場合もまったく同じです。制作会社は、お客様が理想とするホームページを設計・制作するプロですが、お客様である住宅会社側が「理想のホームページ像」を明確にしなければならないのです。
ホームページのリニューアルにおいて重要なことは、ネットの知識を深めることよりも、自社への理解を深めることなのです。

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2サイトリニューアルとその後の改善で、苦戦していたウェブ反響が大幅増加〜セイズ

1つ、事例をご紹介します。
東京都のセイズは、本社のある葛飾区と周辺エリアで、分譲住宅を中心に年間およそ70棟を手掛けています。
同社の集客の主力ツールとなっている自社ホームページは、もともと反響数が少なく苦戦していましたが、全面リニューアルとその後の改善によって、月間10件以上の反響を獲得できるサイトに成長したといいます。
リニューアルによって訴求を強化したのが、自社オリジナル仕様の、高い耐震性・断熱性です。このような仕様は、もともとホームページ内での訴求は行っていましたが、専門用語が並んでおり、一般のお客様にはやや分かりづらいものでした。そこで、ホームページの内容を見直し、自社建物の説明でキーワードとなる「C値」「耐震等級」などの言葉を、一般のお客様が理解できる内容に改めることで、特長が伝わりやすいように工夫しました。
同時に、ホームページのデザインも変えました。トップページや商品紹介ページのデザインを、それまでの建物イメージ訴求から、ファーストビュー(サイトを開いた際、画面をスクロールせずに見える部分)だけで建物の性能をある程度伝えられるよう改善しました。また、分譲系のホームページで肝となる「物件紹介」のページでも、建物性能の説明・建物紹介ページへの誘導を強化しました、自社の建物を知っていただき、ファンになっていただくことを狙ったのです。
その結果、前述の通り反響が大幅に増加しただけでなく、分譲住宅メインの会社としては珍しい「建物紹介カタログの請求」も発生しているといいます。自社の特長をホームページで知っていただくための取り組みが、お客様の心を掴んだと言えるでしょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)