お問い合わせはこちら

住宅&住宅設備トレンドウォッチTOPへ戻る

印刷用PDF
住宅関連 制度・マーケット情報

今年の住宅業界の焦点は、消費増税対策ということになって来ると思います。注文住宅の消費増税8%での契約期限は、2019年3月までということになりますので、あと1年間は消費税8%で購入できるということです。消費者は、これらのことを意外と把握していないケースも多いため、説明を怠らないことが重要です。
また低金利の状態は持続していますので、増税前で低金利という買い時要素が重なるタイミングは今しかないと言えます。そのローン金利に関しては、これから先上がる可能性も高まっています。一方で、住宅金融支援機構のローン金利優遇措置ということにも、気を配っておく必要があるでしょう。金融側のアピール不足もあって、消費者のみならず、住宅会社も知らないでいるケースもあります。最後の買い時とも言えるこの時期にも手厚いローン優遇措置があるので、まずは知っておく必要があります。そして住宅会社は優遇措置を営業トークに盛り込んで、顧客に有利になる情報を伝えて行く必要があります。

1増税前の低金利は最後の買い時?

住宅の買い時というのは、お客様自身のライフスタイルやライフプランがあるため、人それぞれではありますが、消費税が10%に上がる前にというのなら、8%で注文住宅を契約できるのはあと1年余りです。2019年3月末までとなります。
また今は、住宅ローン金利は極めて低水準で推移しています。フラット35Sの金利は前回増税前時点の2013年7月に2.05%を付け、その後低下を続けて、底を打ったのが2016年8月の0.90%。その後上がってはいますが、まだ低い水準です。昨年10月以降、フラット35は仕組みを変更して団信特約料の別払いがなくなり、フラット35の金利支払いに含まれるようになりました。その団信込みの金利で、18年2月時が1.40%です。非常に低い金利だと言えます。
そして、昨今の世界情勢からは、米国を中心に金利上昇圧力が強まっています。まだ住宅ローン金利が上昇基調に転じたということはないですが、この先上昇してくる可能性はあります。よって増税前で、なおかつ低金利で買えるという時期は、まさに今なのではないかと思います。もう少し考えてからと、ゆっくり検討していると、金利が上昇基調に転じる可能性もありますし、施工面でも早く契約をした方がメリットがあります。前回増税前の教訓として、ギリギリに駆け込んだタイミングでは施工が逼迫しました。引き渡しが遅くなったり、資材の納入が遅れたりと、バタバタする前に施工をした方が、何かとメリットはあると思われます。

このページのトップへ

2子育て支援と地域活性化型は0.25%優遇

またフラット35が特別に設けた支援制度もいくつかあるので、知っておいて説明できることは必要です。特に地方や郊外での適用となるため、都心部には適用されない支援制度ですが、「子育て支援型」と「地域活性化型」の0.25%金利優遇制度があります。まず大前提として、住宅金融支援機構と、子育て支援などの補助制度を設けている地方公共団体が協定を締結することにより、条件が合った顧客の融資に金利優遇を行うというものです。具体的には、「子育て支援型」は、親との同居や近居の住宅に対して、「地域活性化型」は、地域へのUIJターンや、自治体が計画する立地適正化の誘導区域への住み替えといったケースにおいて、金利を優遇させるというものになります。
実際に、昨年5月にスタートして以来、昨年末までで、この仕組みを取り入れている自治体は222団体(11県、139市、63町、9村)。これが来年度に掛けて100団体以上増えて350団体まで増える予定で、全国の自治体の2割程度では採用されることになります。まず自社の手掛けるエリア内の自治体が、フラット35の優遇措置を行っているかどうかを知った上で、その内容をしっかり把握して、お客様の条件に合わせて説明できるようにしておくと良いかと思います。
実際に、この金利優遇が適用になったケースは、まだ200~300件に留まるようですが、条件が合えば、通常のフラット35Sの金利0.25%優遇に加えて、0.25%を追加引き下げできます。つまり5年間の0.5%優遇が適用され、更に自治体の補助金もあるわけですから、知っていればかなりお得になります。県と市の2つの優遇が出ることもありますので、まずは自社周辺の自治体と、金融支援機構の締結についてチェックしておきたいものです。

このページのトップへ

3金利0.5%優遇のフラット35リノベは使いやすくなる

同じく、フラット35の金利優遇の仕組みとして、フラット35リノベという制度も、2016年10月から始まりました。住宅性能向上リフォームを行って、一定の基準まで性能を高めた場合に適用される仕組みで、金利引き下げは0.6%と極めて大きい優遇措置となります。
しかし性能向上の基準が比較的高いものに設定されているため、多くの利用とまでは至っておらず、開始から1年余りでまだ100件程度の申請に留まっていると言います。
そこで今年の4月以降の申請より、少し基準の幅を広げて、使いやすいものに変更されます(同時に金利引き下げは0.5%に変更)。従来のフラット35リノベ金利Bプランでは、以下の2つの基準のいずれかに適合する必要がありました。

① 断熱等性能等級4に適合させる性能向上リフォームの実施
② 一次エネルギー消費量等級4に適合させる性能向上リフォームの実施

4月以降、以下の4つの新たな基準が追加され、①~⑥の基準のいずれかに適合すれば良しとなります。

③ 一定レベル以上の開口部の断熱改修の実施(断熱等級3または省エネ等級3である場合のみ)
④ 全居室の「開口部の断熱改修」かつ、「床・外壁・屋根(天井)のいずれかを断熱改修」の実施
⑤ LDKの「開口部の断熱改修」かつ、1種類以上の「高効率化等設備への交換」の実施
⑥ LDK以外の1居室の「開口部の断熱改修」かつ、2種類以上の「高効率化等設備への交換」の実施

少し複雑なようにも見えますが、LDKの開口部断熱改修を行って、エコジョーズやエネファームといった給湯器に交換すると、基準に適合することになるため、以前よりもかなり広く使えるようになります。安心R住宅の制度も始まる4月からの変更ですから、ストック流通の後押し要素になって来るはずです。
いずれにしても、今から1年間、住宅市場は次の増税を見据えて、いろいろと動きは活発化してくると思います。受注はおそらく増えて来ると思いますが、重要なのは顧客にとってのメリットを如何に伝えられるか、また駆け込みギリギリになって来ると工事が逼迫してくるため、工期が延びたり、資材が滞ったりといったことも出てくるかもしれません。自社の工事の平準化ということを考えながら、なるべく早めの住宅購入を促すような受注促進を行っていくことが重要です。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 博計さん)