お問い合わせはこちら

住宅&住宅設備トレンドウォッチ

印刷用PDF

自然素材でつくる呼吸する住まい

2018.8.24

自然素材や自然エネルギーを利用した健康的で快適な住まいを設計して30年になります。メンテナンスの相談で十数年振りに伺うと、完成した当時は5才だった娘さんが大学生になっていて、「この家は呼吸をしているみたいでずっと大好きです」と言ってくれて嬉しくなるような出来事もたびたびあります。(写真01

写真01.床、天井に信州カラ、壁に珪藻土を使ったリビング。
写真01.床、天井に信州カラ、壁に珪藻土を使ったリビング。

自然素材の無垢の木を内装に使うと、時間が経過しても見苦しくなるということはなく、かえって経年美化で飴色に変わって美しくなります。住んでいる人には愛着が湧いて長い間大切に愛される住まいになります。(写真02

写真02.天井にくりこま杉、壁に珪藻土を使った吹抜けのリビング。
写真02.天井にくりこま杉、壁に珪藻土を使った吹抜けのリビング。

呼吸する住まいとは?

羊毛やセルロースファイバーなどの吸放湿する充填断熱材、付加断熱として外断熱材Baubio(ケイ酸カルシウムを原料とした断熱ボード)を使い、屋根も外壁も通気工法にして、内装に湿気を吸放湿する自然素材を使う住まいを「呼吸する住まい」とネーミングしています。昔の民家の土壁のような構造になるので湿気が滞ることなく室内が快適になります。同時に住まい手にとっては経年美化で愛着の湧く、子や孫の代まで長持ちする住まいになります。

「呼吸する住まい」の定番素材の一部

屋根材

ガルバリウム鋼板
アルミと亜鉛の合金をメッキした鋼板で、加工しやすく耐久性に優れています。横葺きの屋根材として使用しています。断熱性能はありませんので、屋根からの熱を防ぐためには断熱材と組み合わせて使う必要があります。雨の音も響きやすいのですが屋根下の断熱材で軽減できます。

外壁材

外壁材はサイデイングが今の家づくりの主流ですが、呼吸する住まいではモルタルに吹き付けという昔ながらの仕上げにしています。外壁面につなぎ目がなく一体の面をつくることができるからです。モルタルのクラック防止のために、中塗りのときにスーパークラックノンネット(ガラス繊維でできたネット)を伏せ込み、仕上げは弾性塗料を吹き付けにしています。

内装材

内装材で使い続けているのは珪藻土、月桃紙、くりこま杉です。珪藻土は今では十数社から発売されていますが、使い続けているのはヤブ原のケーソーライトです。ワラスサ入リにしてワラ半紙のようなあたたかなテクスチャーにしています。
月桃紙は沖縄の月桃という植物からつくる壁紙で調湿タイプと防汚タイプの2種類があります。適材適所で使い分けています。くりこま杉は宮城県の県産材です。白味で木目がきれいな羽目板を腰壁や天井に使っています。和室には伊藤園のお茶殻をリサイクルして畳床にした「さらり畳」を使っています。カテキンの防虫効果を期待しています。(写真03

写真03.さらり畳、カラ松フローリング、くりこま杉、珪藻土を使ったリビング。
写真03.さらり畳、カラ松フローリング、くりこま杉、珪藻土を使ったリビング。

断熱材

断熱材は柱の外側に付加断熱材としてBaubioを使いその外側に通気層を確保しています。柱間の充填断熱材には羊毛のウールブレス、セルロースファイバーの吹き付けなどコストバランスを考えながら使っています。充填断熱材の室内側にはタイベックスマート(可変透湿気密シート)を貼ります。このシートは透湿をするが気密は保つという特殊なシートで、日本特有の夏の壁体内結露を防いでくれます。

呼吸する住まいは地域の腕のいい工務店さんとネットワークを組んで施工しています。設計に6ヶ月、施工にも6ヶ月と最低でも1年くらいかかります。建築主さんにとっては一生に一度の大切な家づくりです。設計〜施工にじっくりと時間をかけて孫の代まで長持ちするいい家にして欲しいと思っています。

* 使っている自然素材の特徴などについて私の著書「自然素材でつくる呼吸する住まい」「(一財)経済調査会から発行」に詳しくまとめています。(写真04

写真04.「自然素材でつくる呼吸する住まい」表紙
写真04.「自然素材でつくる呼吸する住まい」表紙

監修:リビングデザインセンターOZONE
テキスト:栗原守(建築家/光設計代表)

製品のご案内

火に強い無機断熱材 「Baubio-N断熱」

日本インシュレーション株式会社 Baubio-N断熱
軒下施工中
メーカー名
日本インシュレーション株式会社
URL
http://www.jic-bestork.co.jp
製品名
Baubio-N断熱
種類
けい酸カルシウム板
主な原料
珪石、石灰、補強繊維等
工法
外張り断熱工法
熱伝導率
0.047W/m・K
形状
板状
価格(税抜)
25mm 2,000円/m² ~

とにかく火に強い断熱材です。耐久性も高く、多様な機能を備えた防火外張断熱材が、住まいを外から安全で包みます。

  • 1)準耐火・防火構造認定取得しています。無機材料であるため、燃えないので有毒ガスを発生しません。
  • 2)経年変化が少ない。グラスウールのように、湿気や自重によるヤセやカビの発生が有りません。無機材料であるため、温度変化や経年による劣化が少なく、構造体の耐久性向上に貢献します。
  • 3)Baubio- 断熱N は、断熱機能のみの製品と比較しても優れた断熱性を有しています。土壁の10倍以上の断熱性能を誇る無機ボードです。
  • 4)防火上のウィークポイントにも有効です。
    ①通気層からの火炎進入を防ぐ。
    ②外装材が剥落しても大丈夫。

100%天然無機の内装左官材

株式会社シリカライム シリカライム S1 / S3 / S5
メーカー名
株式会社シリカライム
URL
http://silicalime.co.jp
製品名
シリカライム S1 / S3 / S5
種類
左官材
主な原料
音羽晶石 / 天然水硬性石灰
工法
湿式左官工法(コテ仕上げ)
価格(税抜)
S1(1.5mm厚)2,500円/m²~(材料費のみ)
S3(3mm厚)4,500円/m²~(材料費のみ)

シリカライムSシリーズは、100%天然無機素材をコンセプトに、原料から生産まで徹底してこだわった左官材。
構成材料は、高品質の天然水を生み出す国産花崗岩「音羽晶石」と水で固まるフランス伝統の「天然水硬性石灰」のみを使用。
多くの左官材で使用される、接着剤や繊維など劣化の原因となる材料を含まず、硬化後は岩石と同じ成分に戻る耐久性の高い内装左官材です。
また、シリカライムSシリーズでは、彩色に使用される顔料もすべて天然由来。イタリアやフランス、世界中から数多くの天然材料を取り揃えています。
その中から12色を標準色として厳選しました。合成顔料では到底表現できない自然の彩色を室内で堪能していただけます。