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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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住宅新商品トレンド ハウスメーカーが『自然』を身近に感じる暮らしを提案

INDEX 2018.7.20

近年のハウスメーカーでは、アウトドアリビングやグリーンを住宅に取り入れた提案など自然回帰をテーマに据えた商品開発が進んでいます。
アウトドアリビングでは自然との一体感が得られ、バーベキューなど屋外ならではの多様な楽しみ方ができます。旭化成ホームズは2016年頃より、このアウトドアリビング提案に注力していました。キャンプに出掛けなくとも、ベランダや屋上を設置することで日常の中でも自然を体感でき、日々の暮らしを楽しくするというコンセプトが特徴的でした。
グリーンの効用についても、近年注目されています。グリーンが人にもたらす効果を研究する愛媛大学農学部の仁科弘重教授は、室内に植物を置くことによって、室内に潤いが生まれ、人は心が癒され、より快適に過ごせる効果があると提言しています。これを「グリーンアメニティ」と称し、主に熱環境調節・快適性向上効果、心理的効果、視覚疲労緩和・回復効果、空気浄化効果の4つの効果があると考えられています。

1半屋外空間ラナイで過ごす心地よい暮らしを提案「ラングレー」~三井ホーム

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三井ホームはこの4月、新商品「LANGLEY(ラングレー)」を発売しました。四季折々の風や光とともに暮らす、くつろぎの住まいがコンセプトの商品です。商品名の由来は、豊かな自然に囲まれた美しいカナダのブリティッシュコロンビア州にある都市、「ラングレー」から命名しています。年間販売目標を100棟に据え、プロトタイプの坪単価は100万円です。
ラングレーの第一弾となったモデルハウスのファサードは、水平に伸びる軒のラインと味わい深いウエスタンレッドシダーで製作したウッドパネルが醸し出す素材感が印象的です。窓は北欧のパイン材を用いた総木製となっていて、見る者に木のやすらぎを感じさせるような設えとなっています。

また、ラグジュアリーリゾートで見られるような室内と室外がボーダレスに一体となった空間である「ラナイ」もラングレーの特徴。「ラナイ」とはハワイ語で、「半戸外空間」を意味しており、ラングレーにおいても、ハワイの明るく爽やかな、そして清潔感のある気持ちの良い空間を提供しています。軒を伸ばして雨を避けつつも、空間を壁で完全に覆わないことで、時折、ラナイに流れ込む風により、心地良い空間を形成しています。ここにグリーンを配置することで居住者がより自然を感じられる空間となります。

2建築とグリーン一体の空間デザイン提案「ボタニカル リラクゼーション」~三菱地所ホーム

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三菱地所ホームはこの6月、植物や自然の要素を取り入れたライフスタイルを提案するモデルハウス「浜田山ホームギャラリー」をオープンしました。このギャラリーでは、建物外周のコーナー部に大開口を実現できる最新構造技術「3Dティンバーフレーム」と、リラックス効果やコミュニケーション促進効果、空気清浄効果等が期待できるグリーンを、建築と一体でデザインする新提案「ボタニカル リラクゼーション」を採用しています。同展示場では、キッチンでハーブを栽培し、料理に活用する提案や、犬猫の食用ワンニャン草も植えられる提案が盛り込まれています。

「ボタニカル リラクゼーション」は、建築計画の際に後回しになりがちなインテリアグリーンを、顧客のライフスタイルや感性を考慮しながら、効果的な配置やボリューム、風の通し方や照明の当て方などを設計の初期段階からデザインすることです。また、植物を活用したグリーンニッチやグリーンベンチ、グリーンシェルフなど、グリーンとファニチャーを融合させたオプション商品も取り揃えています。ボタニカルリラクゼーションを導入することによって期待できる心理面での癒しと、標準装備となっている全館空調システム「エアロテック」による温度差の少ないきれいな空気環境による身体的な癒しを組み合わせることによって、より癒し効果のある生活が送れると訴求しています。

3玄関アプローチ×アウトドアリビング「のきのまent」~旭化成ホームズ

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昭和の頃の日本家屋には縁側が付き物で、地域交流の場としての役割を果たしていました。近所の住民が縁側にまわって一緒にお茶を飲むことは、日常の一部だったでしょう。旭化成ホームズが5月より発売した「のきのまent」は、現代の縁側と例えられるでしょう。

「のきのま」とは、玄関を大きく引き込むことで創られる広いアプローチ空間を大きくせり出した深い軒で覆い、床をウッドデッキなどのテラスとして仕上げた新たな空間の名称です。大きな開口部で1階リビングと空間をつなげ、外構により道路側からの視線を適度に遮ることで、庭が取りにくい敷地でも、子どもの遊び場、DIYの作業、バーベキューなど家族が楽しむ「アウトドアリビング」として様々な用途に活用できます。更に、近隣住民や来訪者を招き入れコミュニケーションを図る「エントランス」としての活用も提案しています。

近年、近隣交流の機会が減少してきたということは様々なところで議論されていますが、災害時の助け合いや防犯面など、有事の際を考慮して近隣と交流することの重要性は、再度認識されつつあります。しかしながら、リビングや玄関土間などの屋内に招き入れることは望まないユーザーが多く、応対する場所として屋外の「玄関先」の方が、都合が良いという考えが大多数でしょう。
この商品は、家の外と中との中間領域として「のきのま」を提案することで、居住者と近隣がつながるきっかけになることを目指しています。この発売にあたり、「のきのま」の利便性を高めるアイテムとして、意匠性の高い「システム屋外デッキ」や「大判タイル」、ハンモックなどを吊り下げられる「ハンギングフック」などの外装アイテムをオプションとして追加しました。また、1階のリビングには、大開口の「2.7m巾掃き出し窓」、道路から室内の状況が見えずに十分な明るさが得られる「2.4m巾引き違い高窓」なども新たに提案しています。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 斎藤 拓郎さん)