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〜生活者からみるマーケティング〜 第3回 家事楽・時短の先の住まいのヒント

第3回は、「家事楽・時短」の先の住まいのヒントについて、最新の事例を交えてご紹介します。

1ヒント① さらに進化する家事関連の商品・サービス

掃除 イメージ生活定点観測調査の図1は2005年からの10年間で「省力化したい」人の割合が増えた家事を差が大きい順に並べたものです。「トイレ掃除」「掃除機かけ」「食料品の買物」「献立を考える」などが上位になっています。

[図1] 家事の中で省力化したいもの 既婚女性20〜50代

これらの家事に関わる商品・サービスについて、具体的な事例を紹介します。

掃除や洗濯の手間を軽減する商品

新機能・新素材トイレ/TOTOネオレスト 各社から汚れにくく、掃除いらずを謳った新素材・新機能を搭載した便器が開発され続々登場。
新機能・新素材トイレ/TOTOネオレスト
ロボット掃除機/iRobotルンバ 各社から多彩な機種が続々登場。形状も機能も色々。拭き掃除やモップがけ、窓拭き掃除が可能なタイプも。
ロボット掃除機/iRobotルンバ
全自動衣類折りたたみ機 ランドロイド/セブンドリーマーズ 画像解析技術、AI、ロボティクス技術の調和から生まれた、成長し、進化する知性を持った全自動衣類折りたたみ機。
全自動衣類折りたたみ機 ランドロイド/セブンドリーマーズ

買物や献立を肩代わりしてくれるサービス

食生活提案サイト/ウィークックナビ 1週間の夕食の献立と買物リストを提案してくれるサイト。時間・労力・お金を節約できる。
食生活提案サイト/ウィークックナビ
レシピ付き献立キット/Kit Oisix 買物や献立を肩代わり。20分で主菜と副菜が作れる必要量の食材とレシピがセットに。1メニューからOisix.comで購入可能。
レシピ付き献立キット/Kit Oisix

手間いらずで必要なものを短時間で届けてくれるサービス

Amazon Dash Button よく使う商品を登録したボタンを押すだけで自動的にアマゾンに注文ができ、最短で当日商品が配達されるサービス。
Amazon Dash Button
ドローンによる配送サービス 英国ではAmazonが初めてのドローン配送を行なった。ドミノ・ピザでもニュージーランドでピザの配達を開始した。
ドローンによる配送サービス

2ヒント② 究極の家事楽・時短は「モノを持たない」暮らし

2010年前後から海外で使われるようになった「ミニマリスト」という言葉がその後日本で流行り出し、「モノを持たないことはいいことだ」と考える人たちが現れ始めました。モノの手入れや整理の必要がなく、家事の面でも、モノを持たないほうが楽になるるのではないかと考えられます。そんな流れの中で、モノを持たずに便利に暮らすためのサービスも充実してきています。その一例をご紹介します。

ファッションレンタルサービス 1週間分の服を送ってきてくれ、着たら洗濯もせずに返送するとまた新しい服が送られてくるサービス。「服を持たない暮らし」を実現。
ファッションレンタルサービス
DIYレンタルスペース 家には工具も場所もない、でもDIYしたい人のニーズをかなえる。
DIYレンタルスペース
フリマアプリ 不要なものがあったら気軽にフリーマーケットに出品し、売ることができるさまざまなアプリが登場。
フリマアプリ
カーシェア 若い人ほどクルマを持たない人が増加。所有せずに使いたい時だけ使うという考え方が広がっている。
カーシェア

3ヒント③ 「家事楽・時短」した時間をどう使う?

[図2] 生活の中で増やしたい時間「家事楽・時短」でできた時間を生活者がどう使うのかを考える時に、都市生活研究所の蓄積されたデータの中からヒントになりそうなデータを探すことができます。
図2は「生活の中で増やしたい時間」を20代〜50代の既婚者に聞いた結果です。男女共にトップは「睡眠」で、約5割が増やしたいと答えています。

[図3] 睡眠の重要度・満足度睡眠についての調査では、20代〜50代までの既婚女性の約7割が「睡眠は自分にとって重要だ」と考えていますが、「現在の睡眠時間に満足している人」や「現在の睡眠の質に満足している」人は3割か4割にとどまっています。(図3

またひとりで過ごす時間に着目した研究も行なっています。既婚者であっても男女ともに「ひとりで過ごす時間が欲しい」と答えている人が約8割程度いて、どういう場所でひとりの時間を過ごしているかというと「自宅のリビング」という回答が多く、「誰もいない自宅で本を読んだり音楽を聴くのが好き」「子どもや夫が寝静まってからの自宅のリビング」などの声が聞かれました。
ひとりの時間があることで、家族とより良い関係を築けると考えている既婚女性が男性と比べても多く、約7割の女性がそのように答えていました。(図5)このように「家事楽・時短」をしたら、どのような暮らしにしたいのかを考えていくことが、次の住まいや暮らしを考える上でのヒントになるのではないでしょうか。

[図4] 「ひとりで過ごす時間が欲しい」/[図5] 「ひとりの時間があることで、家族に優しくすることができる」

◆まとめ◆

○ 省力化したい家事に対応した商品やサービスが提供されている。

○ モノを持たないと家事は楽になる。モノを持たない暮らしを実現するサービスも多く存在している。

○「家事楽・時短」でできた時間をどうするか?が次の住まいや暮らしを考えるヒントになる可能性がある。

東京ガス 都市生活研究所 主任研究員 大野 明子
東京ガス 都市生活研究所
主任研究員 大野 明子

2006年東京ガス株式会社入社。新築マンション営業部門を経て、現在は都市生活研究所にて、1990年から3年ごとに行っている「生活定点観測調査」を担当。生活者の食・入浴・住まい・環境等に関する経年的な行動・意識の変化を分析し、将来のライフスタイルやニーズの予測を行なっている。

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