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住宅関連 制度・マーケット情報

住宅営業における集客戦略は、どのような客層を集めたいかによって変わってきます。
住宅の計画が顕在化している見込み客を集めて、初回から具体的な商談を進めることを目的とするのであれば、住宅展示場やモデルハウスで集客し、自社が建てる家を見せながら構造や性能、設計の説明をするのが一般的です。
住宅の計画がまだ具体化していない潜在客を集めて、時間をかけて自社のファンなってもらうように育てることを目的とする集客を行っている会社は、展示場やモデルハウスよりも来場しやすいイベントや集客拠点を設けています。地域のお祭り的なイベントを企画・運営してまずは自社の認知度を高める、カルチャースクール等の講座を開講して主婦層が集まる地域コミュニティを形成する、カフェや飲食店、DIYやガーデニングの店舗で住まいに関心のある客層を集客する、といった方法が考えられます。

1「ナチュリエ」ブランドでガーデニングやカフェ事業も展開〜ジョンソンホームズ

潜在客を集めてファン化する集客拠点の一つとして最近増えているのが、家具・インテリアショップです。住宅の情報を集め始める前の潜在客の場合、建物の構造や性能よりも内装やインテリアのほうが身近で、そこから住まいのイメージが膨らみます。自分の好みの家具やインテリア雑貨を扱っている会社が住宅も手掛けているとなると、家づくりの業者選びの最初の候補として選ばれやすくなります。
特に女性は構造や性能よりもインテリアへの関心が高く、こだわりが強い傾向があります。女性客をターゲットとして、モデルハウスの設えには女性コーディネーターの意見を反映させ、完成見学会でも自社で扱う家具や雑貨を展示することで、「家」という商品だけではなく、そこに住まうライフスタイルを提案できます。住宅の引き渡し後も、家具・インテリアショップの顧客としてリピート来店することが期待でき、リフォームの相談や紹介受注につながるというメリットもあります。

北海道のジョンソンホームズでは、商品のテイストごとに複数の住宅ブランドを展開しています。自然素材を活かした「ナチュラル&アンティーク」なインテリア提案を得意とする住宅ブランドの「ナチュリエ」では、同じブランドで新築だけでなくリフォームやガーデニング、カフェ等の事業も展開しています。ショールームの「ナチュリエスタジオ」では、住宅の訴求を前面には出さず、輸入家具等を販売するインテリアショップを中心に、店内にカフェやガーデニングコーナーを設けています。インテリアや暮らし方の訴求で潜在客を集客し、リフォーム・新築の見込み客として育てています。
また、インテリアショップのアクタスFCにも加盟し、自社で2店舗を運営しています。アクタスの客層の中心である高所得の独身女性をターゲットとして、リフォームセミナーを同店舗内で定期開催し、中古マンションを購入してリノベを施すことで、新築戸建よりも割安に自分好みのインテリアに囲まれた暮らしができると訴求しています。

2大塚家具提携の家具・インテリアショールームを開設〜山根木材グループ

広島県の山根木材グループは、新築、リフォーム、中古再販等の事業を展開する創業100年の老舗ビルダーです。自社のプレカット工場、リフォームショールームと併設して、昨年10月に家具・インテリアショールーム「DEJIMASTOCK」を開設しました。同店舗は大塚家具と業務提携し、取り扱う商品の95%は大塚家具の商品ですが、運営自体は山根が行います。販売スタッフは大塚家具の接客研修を受け、運営ノウハウや販促カタログなども大塚家具から提供されています。
この店舗では月平均800人程度を集客しています。ここでの家具の販売をきっかけに、空間のトータルコーディネートとして新築やリフォームの受注へとつなげることを目的としています。その試みの一つとして、昨年11月には大塚家具の商品で設えたリノベマンションをオープンしました。
また、戸建リフォームでも大塚家具の顧客を想定し、「上質な家具に合う内装リフォーム」をコンセプトとしたパッケージ商品を設けています。

家具と言えば、最近の話題として、ニトリが中古買取再販大手のカチタスの株を買い取り、持ち分法適用会社としました。カチタスが買い取り、リフォームされた中古住宅に、ニトリの家具を配置して、ホームステージングを施し、家具付き住宅としてそのまま売ってしまうという販売手法で展開していくようです。
新しい住宅での暮らしは家だけでは始められず、必ず家具や家電、生活雑貨が必要となります。自社の住宅のテイストと合った家具・インテリアを同時提案できることは、顧客満足にもつながるはずです。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 布施 哲朗さん)