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住宅関連 制度・マーケット情報

住宅商品の研究・開発にヒトとカネを投下できる大手ハウスメーカーは、周辺分野の異業種との共同事業等も行い、最先端の商品やプランを開発して業界を牽引しています。一方で、企業体としての規模が小さいビルダー・工務店は、自社単独で新商品を開発するための資金や人員の負担が大きく、「商品力」という点ではハウスメーカーの後塵を拝しています。
ビルダー・工務店が商品力やブランド、販売ノウハウを身に着ける方法の一つが、フランチャイズチェーン(以下FC)やボランタリーチェーン(以下VC)に加盟することです。
商品力では、子育て世代をターゲットとしたプランや設備を供給するLIXIL住宅研究所のアイフルホームや、アウトドアの趣味に特化したBESS、カナダ輸入住宅のセルコホーム。構造・工法ではSE構法やパナソニックのテクノストラクチャー。工務店の経営ノウハウではアキュラホームのジャーブネットやイシンホームのイシン住宅研究会。ビルダーの成功事例の水平展開では、新昭和のクレバリーホームやジョンソンホームズのジョンソンパートナーズ等が代表的なFCです。
工務店が家業から企業へとステップアップするため、あるいはビルダーが自社開発商品以外にも商品バリエーションを広げるために、FC・VCに加盟することで業績を大きく伸ばしたというケースは少なくありません。

1ウェディング事業から「ユニテハウス」で住宅事業参入〜ときめきハウジング

比較的新しい住宅FCで最近注目されるのが、商品は規格型でプランが決まっていて設計の手間がなく、本体価格1000万円前後のローコスト規格住宅のFCです。少し前だと福岡県のマキハウスが開発した「CASA CUBE」のCASAプロジェクト。最近では山形No.1ビルダーであるクリエイト礼文のユニテハウス、大分県のベツダイのライフレーベル等が、ローコスト規格住宅のFCで頭角を現してきています。 これらのFCに共通するのは、既にメインブランドがあってセカンドブランドとしてFC・VC商品を取り扱うビルダーよりも、異業種から参入して、新築事業はFC・VC商品のみの販売に注力している加盟店のほうが売れているということです。

ときめきハウジングは、福井県では知らない人はいない、創業50年を超える老舗のブライダル企業です。2012年にユニテハウスに加盟して住宅事業を開始し、翌年7月には2×4の自社工場をオープンして、住宅事業を開始してから3年目の15年度に50棟、16年度は60棟を販売しました。

折込チラシや建売分譲の現場を見て店舗に直接来店するケースが多く、地元のブライダル業界で知名度が高いときめきウェディングが別会社で住宅も手掛けているということが知られ始め、ときめきウェディングで結婚式を上げた新婚客が住宅の相談に訪れることも増えてきました。
初回接客では「ユニテハウス」の説明をして、予算や希望する土地の条件等をヒアリングし、条件に合う自社地をいくつか紹介します。土地の案内は同行せずに、場所を教えて時間があるときに自分で見に行ってもらうようにしています。あれこれと土地の説明をするより、実際にその土地に立った時の印象や、周辺環境を自分で確認してもらって、「この土地で良い」と思えば戻ってきてくれるというスタンスです。
土地が決まれば、予算や希望からそこに当て嵌るプランを提出します。設計や設備の選択の自由度は低いということは初回接客の時点で説明しているので、ここからのプランの打ち合わせは少なく、スムーズに契約に進むことが多いようです。

2不動産仲介のノウハウ活かし「ライフレーベル」で急成長〜ネクスト

千葉県にあるネクストは不動産仲介業者として創業し、14年1月にゼロパートナーズVC(現ライフレーベル)に加盟して住宅事業に参入しました。
1年目の受注棟数は8棟、常設モデルハウスを設けた2年目は14棟。3年目には人員の補充やエリア拡大、販売手法の確立によって、月2〜3棟のペースで受注できるようになり、50棟超を受注するようになりました。
ライフレーベルの主力商品である「ゼロキューブ+ファン」は、29.8坪・3LDKの本体価格はちょうど1000万円(税別)で、この本体に「+ファン」という形で、部屋の増設やウッドデッキ、スカイバルコニー等のスペースを加える商品です。ネクストでは不動産仲介のセンチュリー21にも加盟していて、初回接客は必ず不動産店舗での着座商談を基本としています。

接客時には「ゼロキューブ」の商品説明と、不動産仲介店のため土地探しが得意であることを説明し、予算や土地の希望等の条件をヒアリングします。そしてその日のうちにモデルハウスに案内します。この初回接客は不動産仲介と同じ流れです。売りやすい規格住宅の売り方を、自社のノウハウに上手く当て嵌めたと言えます。

このように異業種といえる業種から、住宅事業に参入するには、住宅FCのノウハウを活用するのは有効です。そして今回事例として出したように、設計などの手間もなく、決まったプランで提案できるというFCの方が、導入のハードルが低いということでしょう。またモデルハウス建築義務などの縛りも少ない分、チャレンジしやすく、実際に加盟社数も増加傾向です。自社の強みと、FCのノウハウがうまく絡みあえば、早期に軌道に乗って業績を伸ばすことも可能です。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 布施 哲朗さん)