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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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暮らしの中の炎の魅力

2018.11.16

ここ数年、薪ストーブのある住宅が建築誌などで取り上げられることが多いと思いませんか。薪ストーブといえば別荘や寒冷地など限られたところでしか使われてこなかったのですが、近年、都市部でも薪ストーブを使う人が増えています。その理由は薪ストーブの性能の向上によるものと、現代では少しずつ失われつつある火と共に暮らす生活に魅力を感じる方が増えているからと思います。

薪ストーブはハイテク暖房器具

薪ストーブは昔から使われてきた暖房器具ですが、現代の薪ストーブは考えているよりもずっと安全でハイテクな機械としてつくられています。薪を完全燃焼に近く燃やすことができるため、煙突から煙が出ることは少なく、他の暖房器具と比較しても遜色なく、優れた暖房能力を発揮します(写真1)。
また、燃料となる薪が再生可能エネルギーとして注目されてきたことも薪ストーブ利用者が増えているひとつの要因でしょう。ほんの30~40年前には、家の中に火は欠かせないものでした。ガス、灯油、炭、練炭、石炭など日常に使われていたものを懐かしく思う世代が家を建てる際に薪ストーブを入れたいと望むのは、自然なことだろうと思います。

写真1. 安全でハイテクな現代の薪ストーブ
写真1.安全でハイテクな現代の薪ストーブ

薪ストーブの計画と使い方

薪ストーブは暖房器具ですので、その能力を活かすためには、家のつくり、間取り、断熱性などが大きく関係してきます。三十坪ほどの家であれば薪ストーブ一台で家全体を暖める能力があるため、効率よく家全体に暖気がまわるような間取りを考えなければなりません。また防火上の観点から、建築基準法、消防法に対する十分な知識を持って設計と施工する必要があります。

一方で、家の中で火を使う楽しさ、燃える炎の魅力、ストーブを利用した調理、薪の搬入、煙突の位置など、使う側の視点からの配慮も必要です。私の設計事務所では、設計する住宅のほぼ半数に薪ストーブを設置していますが、こちらから安易に勧めることはしていません。一年以上も前から薪の心配をして、集め、割り、積んで、乾燥させる、これらの作業があってやっと冬の心地よい暖かさが得られます。火を点けるだけでも手順が必要で、小さな薪から中薪、太薪と順に火を大きくしていき、燃える様子を見ては、ほぼ二時間おきに新しい薪をくべ続けなければなりません。反面、洗濯物が乾く、簡単にお湯が沸く、料理に使える、炎に癒される、などの楽しみと便利さを与えてくれます(写真2・3)。大変さと楽しさが同居するのが薪ストーブなのです。

写真2. 家族で集う食卓と薪ストーブ
写真2.家族で集う食卓と薪ストーブ
写真3. 薪ストーブを使った料理
写真3.薪ストーブを使った料理

手軽に炎のある暮らしを

薪ストーブを使うのは大変ですが、もう少し手軽に炎のある暮らしを手に入れることもできます。その一つがペレットストーブ。間伐材などを加工したペレットと言われる小さな粒状に加工した木を燃料としたストーブです。薪ストーブと比べると暖房能力は劣りますが、火力調整や燃料供給が容易で、煙突は目立たず、排気もほとんど煙がでないため都市部でも比較的導入しやすい暖房器具です。もう一つがガス暖炉。ガスによるハイテク暖房で、炎がきれいに見えるための工夫がされていて排気もクリーン。なによりスイッチ一つで安全に暖まることができる現代の暖炉です。

ゆらめく炎、微かに聞こえる薪の爆ぜる音、身も心も包み込むような暖かさに包まれてゆったりとする時間(写真4)、お湯を沸かし料理に活用する。考えてみれば人は昔から火と共に暮らしてきました。いつのまにか火を使うことが少なくなった今だからこそ、あらためて炎に魅力を感じる人が増えてきているのではないでしょうか。

写真4. 炎を見つめて、ゆったりする時間
写真4.炎を見つめて、ゆったりする時間

監修:リビングデザインセンターOZONE
テキスト:松原正明(建築家/松原正明建築設計室)

製品のご案内

ガス暖炉(暖炉風ガス温風暖房器)

株式会社 ダンロックス DANROX320Fユニット
メーカー名
株式会社 ダンロックス
URL
http://www.danrox.co.jp
品名・品番
DANROX320Fユニット
材質・仕上げ
鋼板・レザートン塗装
カラー
サイズ
W=620mm H=535mm D=325mm
重量
30kg
暖房方式
強制対流式(開放式)
最大出力
2.91kw
最大暖房面積
8~11畳
価格(税抜)
470,000円

ガス暖炉は煙突工事が不要で造作のマントルピースも自由に設計が行なえます。そして薪屑や灰による汚れの心配もありません。
点火消火もワンタッチ操作で手間もいらず素早く温風がお部屋を暖めます。ガス機器としての検定合格商品であり安全装置も万全に備わっています。
暖房としてはもちろん空間のアクセントとしても効果的です。暖炉の赤く揺らめく炉内を眺めていると、思う以上の付加価値があるような気がしてきます。ぬくもりある雰囲気も、インテリアとしても、ガス暖炉のもつ火の暖かさが体だけでなく心まで暖かくしてくれます。

「高気密住宅」対応薪ストーブブランド スキャンサーム

スキャンサーム エレメンツ603フロント
メーカー名
スキャンサーム
URL
https://www.skantherm.jp/
品名・品番
エレメンツ603フロント
材質・仕上げ
鋼板
カラー
ディープブラック
サイズ
H1017×W603×D400mm
重量
本体210kg/ボックス小18kg 大24kg
暖房方式
クリーンバーン式
最大出力
5,600kcal(6.5kw)
最大暖房面積
84平方メートル
価格(税抜)
694,000円~

1981年の創業のドイツ・スキャンサームのヴルフ・シュナイダーデザインによる「elements(エレメンツ)」シリーズのフロントタイプ。
ラックと引き出し、本体の三つのエレメントを組み合わせてつくるモジュール式薪ストーブで、高い密閉性と、保温性により、高い燃焼効率を実現。鋼板の溶接によって、高気密住宅で使用しても高い安全性を誇る「高性能放熱型薪ストーブ」という新基準を確立し、シンプルかつ優美なデザインで、インテリアや家具の一部として空間を美しく演出します。
ヨーロッパでは、火室の高さを上げ、炎を愉しむための本体プランニングがされています。
更に、『ドイツ建設技術研究所 (DIBt=Deutsches InstitutfürBautechnik) 』により、「薪ストーブ本体の遮蔽が完全で、室内空気に依存しない(=RLU)」という試験に合格し、認可を受けているスキャンサームのDIBt認証機種は、日本国内でも類を見ない高気密・高断熱住宅対応の薪ストーブ。〈気密性の高い住宅でも安心して使用できる薪ストーブ〉として注目されています。