お問い合わせはこちら

住宅&住宅設備トレンドウォッチ

印刷用PDF

ウェブ販促事例 ある住宅ビルダーのホームページリニューアル実例

INDEX 2018.12.21

今回は、ある地域密着型住宅ビルダーが自社ホームページをリニューアルし、アクセス数・反響数を伸ばした実例をご紹介します。社名を伏せているため分かり難い点もあるかもしれませんが、自社でリニューアルを行う際の参考にしていただければと思います。

1旧ホームページが抱えていた課題

イメージ1

人口およそ100万人のエリアを商圏とするA社は、注文住宅がメインの地域密着型ビルダーです。地元の気候に合わせた、断熱性能の優れた建物を売りにしています。地元では比較的老舗の会社ですが、施工棟数は減少傾向でした。販売強化策の一環として、それまであまり集客成果の上がっていなかったホームページの改善を図ることになったのです。

当時、ホームページのアクセス数は商圏・会社規模を考えると極めて少なく、資料請求などの反響も年に数件しかないという状況でした。
当時のホームページはいくつかの問題を抱えていたのですが、最大の問題点は「自社の特長説明があまりにも専門的すぎる」という点です。自社の売りである断熱性能をPRしたい気持ちは分かるのですが、細かい計算式やグラフ、学者のコメントなどが並んでおり、一般のお客さまには到底理解できない内容でした。この内容がお客さまに敬遠され、反響を逃す要因になっていたと思われます。

2リニューアルの企画検討プロセス

イメージ2

ホームページリニューアルにあたり最初に行ったのは“ターゲット設定”です。具体的には、過去に受注したお客さまのデータをもとに、「やや年齢の高い一次取得層」「公務員」「夫婦と子ども2人の4人暮らし」「年収は地域平均よりやや上」など、自社の平均的な顧客像を明らかにしました。
ターゲットが決まれば、次は“コンセプト設定”、ホームページで訴えかけるメッセージを決める作業です。従来のコンセプトである「地元の気候に合わせた優れた断熱性能」を継続することは決まっていましたが、これまでのホームページのように専門的過ぎる説明を書き並べていても、ターゲットとなるお客さまに伝わらないことは明らかです。
そこで、「なぜ断熱性能の高い家が良いのか」「お客さまにとってどのようなメリットがあるのか」といったことを、お客さま目線で徹底的に掘り下げる作業を行いました。自社内での話し合いに加え、OBのお客さまにも依頼し、A社の家の住み心地や、住宅検討の段階でA社を選んだ決め手などを、改めて詳細にヒアリングしました。

こうして検討した内容を、実際の“コンテンツ”に落とし込んでいきます。
会社の特長紹介では、いきなり自社PRから始めるのではなく、まず「この地域の家づくりで断熱性能を重視すべき理由」「断熱性能の高い家のメリット」を説明し、そこから「自社の住まいの特長」「実際に住んでいるお客さまの声」などを掲載することになりました。ターゲット層のお客さまを意識しつつ、専門用語に頼らない平易な説明を行うよう留意しました。その結果、従来のホームページに比べ、非常に分かりやすい内容へと生まれ変わっています。

これに加え、施工事例・スタッフ紹介などのページも一新。写真と簡単なコメントだけを羅列していた旧ホームページとは異なり、自社の魅力を伝える説明文を大幅に追加しています。

3リニューアル後のアクセス数・反響数の変化

イメージ3

A社の新しいホームページは、昨秋に公開されました。約8ヶ月にわたる丁寧なリニューアル作業は、良い結果につながったようです。

アクセス数は、リニューアル前の約2.7倍に増加しました。
増加分のうち半数は、リニューアル後に新しく開始したウェブ広告による訪問増です。費用を掛けた分だけアクセスが増えるので、これはあまりリニューアルと関係ありません。
増加分の残り半数は、GoogleやYahoo!など検索エンジンからの訪問増によるものです。リニューアルで会社紹介・施工事例・スタッフ紹介などのページを大幅に増やしたことに加え、新設したスタッフブログを頻繁に更新し続けたことが大きく寄与しています。
ページ数が増え、かつ地元の家づくりに有益な情報を多く掲載したことで、ホームページが検索エンジンで上位に表示されやすくなったのです。

そして、年に数件しか発生していなかった反響は、リニューアル後、月平均で11.5件まで増加しました。しかも、反響の7割近くは「モデルハウス来場予約」「イベント参加予約」といった来場に直結する反響です。
断熱性能の解説をはじめとする特長紹介ページの平均閲覧時間が長くなっており、丁寧かつお客さま目線の説明がファン獲得につながったものと考えられます。

A社はもともと地元で歴史・実績ともある会社です。しかし、良い家をつくっている会社でも、自社の考えや特長を上手に発信できなければ、ネットでの集客はなかなかうまくいきません。逆に、良い会社が自社の良さを上手に発信できれば、ネット集客は必ず軌道に乗せることができます。
A社の事例は、そのことを如実に表していると言えるでしょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)