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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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住宅新商品トレンド 独自開発の『IoTシステム』を搭載した住宅商品が登場

INDEX 2019.1.25

ここ1、2年の間に住宅分野にもIoTの考え方が少しずつ浸透し、2018年はIoT住宅元年と言える年でした。これまでのIoT住宅はAIスピーカーが切り口の1つとなっており、大和ハウスの提案「ダイワコネクト」は代表例で、googleスピーカーを通して、音声認証での家電や住宅設備のコントロールを可能と訴求しています。しかしながら、IoT住宅は今のところ住宅のIoT化と言うよりも、正確にはIoT住宅設備やIoT家電の導入を手法としており、どちらかと言えば居住者にとっての「暮らしのIoT化」といったほうが本質を捉えているでしょう。

今回紹介するハウスメーカーの住宅商品は、この「IoT」をテーマに如何に暮らしを革新できるかに焦点を当てています。各社独自開発によるIoTシステムにより、よりスマートで暮らしやすい生活を訴求しています。

1HomeXで毎日の暮らしをアップデート「カサート アーバン」~パナソニック ホームズ

パナソニック ホームズ「カサートアーバン」外観
パナソニック ホームズ「HomeX Display」画像

パナソニック ホームズは2018年11月、都市型IoT住宅『カサート アーバン』を発売しました。この商品は、同社の確固たる住宅性能に加え、パナソニックの「暮らしの統合プラットフォームHomeX(ホーム・エクスペリエンス)」を搭載し、居住者の暮らしをアップデートしながら、家族の充実した時間の創出を目指しています。
同商品は強固な構造が可能にする柱や、間仕切りの少ない開放的な空間、15cmモジュール、勾配架構・ダウンフロアの採用により、都市部の狭小地を最大限活用する設計が可能です。天井高は、2階リビングでも高さ2.7mのハイ天井に対応しています。また、室内環境としても外気を浄化して室内に取り入れ、居室ごとの温度調整も可能な換気・空調システム「エアロハス」や、暮らしのニオイを抑える「エアイーX」の採用などにより、安心で健康的な暮らしを実現しています。

パナソニックが開発したIoTシステム「HomeX」は、複数の居室に設置した「HomeX Display」から、照明やシャッターを遠隔操作したり、天気予報等の豊富な情報を得て居住者に発信することが可能で、主たる機能は大きく3つです。

(i)つながる…家族のライフスタイルに合わせて、新着動画や天気情報等、おすすめの生活情報を提案。伝言や宅内通話等、いつも家族を身近に感じながら、新しい暮らしの発見につながります。

(ii)見守る…台風の接近時には風雨や飛来物、停電の可能性に備え、HomeXが自動でシャッターを閉め、蓄電池があれば充電を開始します。家族の安心できる生活を見守り、暮らしをサポートします。

(iii)応援する…家事や仕事に集中する時や、家族と楽しむ時間、やすらぎの時間等、様々な暮らしのシーンを照明や音でサポートします。クリスマスや家族の記念日には、HomeXが照明や音でサプライズ演出します。

同商品は「パナソニック100周年記念住宅」に位置付けられ、初年度200棟の販売を目指しています。

2IoTライフサービスLinkGates標準化「SMART STYLE H 新・スキップ蔵」~ミサワホーム

ミサワホーム「SMART STYLE H 新・スキップ蔵」外観
ミサワホーム「リンクゲイツの仕組み」

ミサワホームは、独自のIoTライフサービス「LinkGates」を標準化した商品を発売しました。 「LinkGates」は家庭内のエネルギーを最適化する「省エネサービス」、家族を見守る「安心サービス」、住まいのセキュリティを高める「安全サービス」、さまざまな機器とつながり心地よさをコントロールする「快適サービス」など、住まいに関する多彩なサービス機能を、IoTで実現しています。例えば、「安心サービス」では夏の暑い時期に「熱中症アラート」が働いて、スマートフォンに警戒情報が送信されます。自宅にいる高齢者やペットの体調が心配な時は、外からエアコンの遠隔操作が役に立ちます。また、「安全サービス」の事例としては外出先から戸締りをチェックしたり、外出している際、勝手に窓が開いた場合もスマートフォンに通知が届くなどいち早く我が家の異変を察知できます。

また、同商品は設計にもこだわっています。同社の住宅は、これまで大収納空間「蔵」が訴求力のある提案の1つでしたが、同商品では「蔵」とスキップフロアを組み合わせることで実現した5層空間は開放的かつ魅力があります。住まい方だけでなく、空間の創り方としても楽しさを感じさせる商品と言えます。

3IoT機器パッケージのカジサポを導入した分譲住宅を発売~セキスイハイム

セキスイハイム「カジサポ」
セキスイハイム「カジサポのIoT機器パッケージ構成例」

セキスイハイムの販社であるセキスイハイム中部では、独自のIoT住宅パッケージ「カジサポ」の本格展開を目指し、建売分譲に初めて導入しました。これまでもセキスイハイムではIoTという単語が一般的になる前から、独自のHEMSシステム「スマートハイムナビ」で、インターネットを活用して居住者に省エネアドバイスなどを実施してきました。「カジサポ」はこれまで同社が訴求してきたHEMSや太陽光発電システム、蓄電池に加え、「インターネット対応インターホン」や「電気錠」、「スマートスピーカー+家電・照明コントローラー」を加えた総合的なIoT住宅システムです。
これらを用いて住まいと家事にまつわる安全性・利便性の拡張を図り、購買ボリューム層である共働き世帯の家事負担の軽減、住宅の防犯強化を実現できます。よって普段の生活におけるゆとり時間の創出や、留守宅の子どもの安心を確保できる住宅と言えます。

具体的な子どもだけの留守番サポートとしては、玄関のカメラ付インターネット対応インターホンや電気錠をスマートフォンと連携させることで、外出先からも来訪者の確認、応対が可能です。これにより、子どもと不審者の接触を防ぐことが出来、子どもだけでの留守番が多い共働き世帯に安心を提供できます。

IoT分譲住宅の第一弾となる建売分譲「天白区高坂」では、IoT対応家電・家具付きパッケージモデルとして2019年1月より販売を開始します。その後の展望としては中部エリア全域の注文住宅への導入、拡大なども検討しているとのことです。
今年もIoT住宅は普及に向けて進んでいく年になりそうです。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 斎藤 拓郎さん)