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都市生活レポートのご紹介 自宅の防犯に関する意識と実態

2019.4.19

全国でおよそ81万件。これは、警察庁が発表している平成30年における犯罪認知件数(刑法犯)です。日々様々な事件が起きていますが、都市生活研究所が実施した防犯に関する調査によると、「自宅の防犯対策を行っている(あてはまる、ややあてはまる)」と回答した人は約3割に留まっています。日頃、不安になることは少ないのでしょうか。調査結果をもとに、一都三県在住者の防犯に関する意識と実態をみていきます。

※警察庁「平成30年の犯罪情勢【暫定値】」より

1不安を感じていても、対策を行っていない人が多い

外出時の自宅の様子についてどの程度不安になるか聞いたところ、「よくある」「たまにある」と答えた人(不安になることがある人)が2-3割でした(図1)。
不安になることがある人の防犯対策をみたところ、行っていない人が6割強であり、不安を感じている人でも対策を行っている人は少ないことがわかります(図2)。
犯罪はめったに起こらないことだから、自分の家は大丈夫だろうと考えているのではないでしょうか。

図1.外出時に自宅のことで不安になること
図1.外出時に自宅のことで不安になること
図2.自宅の防犯対策を行っている
図2.自宅の防犯対策を行っている

2不安が大きい女性

自宅の防犯に関して不安を感じる人は2-3割でしたが、男女別にみると、女性では4割弱が不安になることがあると答えており、男性よりも約10ポイント高いことから、女性の防犯に関する不安は男性より大きいことがわかります。
図3.外出時に自宅の様子が不安になることがある【男女別】
図3.外出時に自宅の様子が不安になることがある【男女別】

3家の設備やサービスで防犯対策を望む人が多い

それでは、このような防犯に関する不安を解消するためにはどのような方法があるのでしょうか。防犯対策に関する意識や防犯サービスに対する意向を見ていきます。
「自分や家族が気を付けるだけでは防犯対策は不十分だと思う」という質問に、あてはまる人の7割以上が「防犯のための設備やサービスが充実した住宅に住みたい」と答えており、あてはまらない人より約40ポイント高いことから、設備やサービスによって防犯対策したい意向が読み取れます。

図4.防犯対策意識と、防犯設備・サービスの意向の関係【男女別】
図4.防犯対策意識と、防犯設備・サービスの意向の関係【男女別】

4女性の方が、自宅の防犯対策に魅力を感じる

次に、さまざまな防犯サービスに対する魅力度を聞いたところ、「ガスの消し忘れを確認でき、スマホに通知してくれるサービス」については女性の約6割、男性の約5割が、「玄関や窓の閉開を検知して、スマホに通知してくれるサービス」については男女とも約半数が魅力的と回答しています。図5の通り、いずれのサービスも女性のほうが男性より魅力的と感じる割合が高いことがわかります。
図5.防犯関連サービスの魅力度
(魅力的である+やや魅力的であるの合計)【男女別】
図5.防犯関連サービスの魅力度(魅力的である+やや魅力的であるの合計)【男女別】

5暮らし全般の心配事でタイプ分け

都市生活研究所では、生活上の心配事をもとにクラスタ分析を行い、心配の種類によるタイプ分けをしました。家族の外出先での状況が心配な家族心配層や、自分の外出時の家の状況が気になる防犯・生活環境心配層など様々なタイプの人がいることがわかります。それぞれのタイプにあったおすすめの防犯サービスを紹介します。
図6.各タイプの比率
図6.各タイプの比率
各タイプの特徴・心配事・おすすめのサービス

普段はあまり必要性を感じにくい防犯対策ですが、予め対策を行うことで安心して毎日を過ごせるのではないでしょうか。何もないあたりまえの毎日がずっと続くよう、備えを心がけていきましょう。

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