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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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制度・マーケット情報 次世代住宅ポイント訴求の強化と注意点

INDEX 2019.8.23

いよいよ10月の消費増税が近づいてきました。新築注文住宅では既に経過措置の期間が終わり、今の段階での購入では分譲の完成済み物件でもない限り、10月以降の引き渡し、つまり建物に掛かる消費税は10%での購入となります。そしてリフォームにおいても、7月の時点ではまだ8%の消費税での引き渡しは可能だったと思いますが、施工の状況次第ではもう9月末までの引き渡しも難しくなります。つまりは増税後の支援制度をフル活用する時期に突入しました。

住宅ローン減税の延長・拡充、すまい給付金の拡充、贈与税の拡充等は、実際にお金の面での優遇策です。そしてもう一つの柱である次世代住宅ポイントは、期限や内容など、注意する点もありますので、ポイントの訴求法、活用法といった内容で見ていきます。
更には今年も引き続きZEH補助金が既にスタートしています。補助金を頼りにしすぎるのはよくありませんが、如何にうまく使ってユーザーに訴求できるかが、増税後の販促を支える一つの柱となるはずです。

1次世代住宅ポイントの訴求方法

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まず「次世代住宅ポイントとは何ですか」と聞かれた場合、エコや耐震、バリアフリー、そして家事楽の要素を含んだ住宅に対してもらえるポイントだということを説明すれば良いでしょう。期間は今年4月から、来年3月までに契約し、10月以降に引渡しされる住宅が対象です。多くの新築住宅は、何かしらこの要素を含む住宅が多く、一定水準をクリアできる住宅にはポイントが付与されます。
付与されるポイント数は、新築住宅は分かりやすく、1戸当り30万ポイント、更に長期優良住宅やZEHなどの性能をクリアできた住宅には35万ポイントに拡充されます。新築住宅向けには1,032億円の予算が充てられますので、仮に30万と35万の間を取って1戸当り32.5万ポイントがもらえるとした換算した場合、31万7,500戸分の住宅に対して付与されると言えます。実際には30万ポイントの方が多いでしょうから、32~33万戸の住宅に付与されるでしょう。なおポイントは持家、分譲共に付与されるため、年間45万戸として換算すると、基本的には1年分の着工分までの予算はないと見られます。
つまり次世代住宅ポイントの注意点の一つは契約時期で、「2020年3月末までの契約」が対象となっていますが、まず前倒しで予算が終了するという点です。

またリフォームの場合、部位と条件が細かく指定され、それぞれに対象製品なども指定されます。そしてエコ、耐震、バリアフリー、家事楽というテーマは新築と同じで、1つ1つ加算していく方式になります。例えば、高断熱浴槽は24,000ポイント、浴室乾燥機は18,000ポイント、高効率給湯器に24,000ポイント、段差解消には6,000ポイント等、バスリフォームに関連して、細かくポイントを加算することも出来ます。単独で見るとメリットはそれほど感じにくいかもしれませんが、フルでバスリフォームをした場合には、10万ポイントを超えることも可能で、結構ポイント還元率は高いと思われます。キッチン、バス、トイレ等、部位ごとに、「まとめてこれだけリフォームするとお得です」という訴求の仕方は、ポイントメリットをより引き立ててくれると思われます。
つまり、家全体のリノベーション、新築そっくりさんのようなまるごと改装をした場合には、断熱改修から水回りまで、最大30万ポイントがもらえます。部分ごとにポイントを加算していくことで、例えばそっくりさんではほぼ上限の30万ポイントの獲得に至っています。新築と同額が付与されるわけです。30万というのを仮にお金として見なすと、1,500万円の2%に相当するので、増税分よりも多くのポイントがもらえると考えられます。
更に若年層、共働き世帯が既存住宅を購入してのリフォームの場合は、ポイント加算が大きく、最大で60万ポイントが付与されます。リフォームへの予算は268億円ですから、こういった高額ポイントが多く付与されていくと、予算が早期に尽きてしまう可能性が高くなると考えられます。

2次世代住宅ポイントでは何がもらえるのか、併用できる補助金・支援制度は?

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今回の次世代住宅ポイントの注意点の2つ目は、これまで行われてきたような即時交換が出来ないということです。つまり現金の代わりにはなりません。あくまでポイントがもらえるということで、事務局を通して、何等かの商品との交換ということになります。

交換できる商品としては、そもそもこのポイントがエコや家事楽といった工事を条件としていることもあって、それに見合った6つのカテゴリーに分類される商品が中心です。

  • ① 省エネ・環境配慮に優れた商品
  • ② 防災関連商品
  • ③ 防災関連商品
  • ④ 家事負担軽減関連商品
  • ⑤ 子育て関連商品
  • ⑥ 「地域の振興」に資する商品

商品は徐々に増えて来ておりますが、省エネ関連では、テレビ等の家電、照明器具、園芸グッズ等が中心です。防災関連では避難商品、非常食等、健康関連では空気清浄器等、家事負担軽減では、調理家電、炊飯器、電子レンジといったキッチン家電、掃除・洗濯家電、子育て関連では子供用インテリア、地域振興では家具や食料品、飲料・酒類等といったところが多く出品されています。ポイント換算率が高いとか、低いとかはありそうで、例えば30万ポイントで、ドラム式洗濯機と交換など、家電量販店で買うよりも高くつきそうです。それでもそもそもリフォーム金額に対してのポイントは多く付けられているため、悪くはない還元率となっていると思われます。
注意点の3つ目は、他の補助金との併用について。例えば新築の場合、「どんな支援制度と併用できるか」はしっかりと説明しなければなりません。併用できるのは、①住宅ローン減税、②贈与税非課税枠といった減税制度、また「すまい給付金」に関しては全て併用はできます。

一方で、国費を使う住宅取得支援制度・補助金とは、基本的には併用出来ません。今年もZEH補助金は70万円、ZEH+は115万円といった形で支援されます。これらの補助金獲得が出来るならば金額の高いZEH補助金等を狙った方がメリットがありますので、そちらを勧めて、次世代住宅ポイントはもらえないことをお伝えしなければなりません。
今年度の環境省ZEHの補助金も、既に最終の第四次公募が8月26日から始まっているはずで、公募期間は10月11日まで、先着順ですので残り枠は少なくなって来ています。いずれにしても支援事業や補助金には期限や予算があるため、顧客にとってどの支援がよりメリットがあるかをお勧めしたいですし、選んでもらえるようにしたいものです。なおリフォームに関しては、請負工事契約が別である場合には、補助金の併用も出来るので、その辺りも注意しておくと良いでしょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 関 博計さん)