1WEB経由の契約実績がほぼ無いが、それでも取り組むべき?
結論から申し上げると、必ず取り組まなければなりません。
最大の理由は「家を建てるお客さまがWEBで情報収集を行っているから」です。
インターネットの普及により、お客さまが「ネットで情報を調べる」という行動が、ごく当たり前になりました。このメールマガジンをお読みの皆さんも、商品の購入やサービスの比較検討といった場面で、当たり前のようにネットで調べる方がほとんどかと思います。ということは、住宅を検討中のお客さまが、ネットで住宅会社や物件の情報を探し、比較検討することは、ごく自然な流れと言えます。
かつてのお客さまは、チラシや口コミなどで皆さんの会社を知り、その会社のことを詳しく知りたいと考えたら、モデルハウスやショームームなどに直接足を運ぶしかありませんでした。現在のお客さまは、皆さんの会社のことを知ったら、まずはネットで情報を集め、その後にモデルハウスへ足を運びます。「会社を知る→足を運ぶ」という流れから、「会社を知る→ネットで調べる→足を運ぶ」という流れに変わってしまったのです。
つまり、どれだけモデルハウスに力を注いでも、ホームページに力を注いでいなければ、お客さまがモデルハウスに足を運んでいたける可能性は下がってしまうのです。
特に、ここ数年のスマートフォンの普及によって、インターネットを利用する世代が広がり、かつ利用する時間が長くなったため、この傾向がより顕著になっているようです。
もちろん、モデルハウスなどの集客施設も重要です。しかし、多くのお客さまは「モデルハウスを見て会社を比較する」前に「ホームページを見て会社を比較する」ということを忘れてはいけません。これまでWEB集客の実績が乏しい会社であっても、成功するための方法を研究・実践しながら、取り組みを進めていかなければならないのです。
2チラシなど紙広告をやめて、WEBに注力すべき?
チラシなどの紙広告は、すぐにやめる必要はないと思います。効果の実感できる紙広告であれば、継続して良いでしょう。
そもそも、チラシとホームページは、それぞれ得意・不得意があります。
チラシが得意なのは「会社の存在を知ってもらうこと」です。ポスティングや折り込みなどのチラシは、お客さまの関心の有無に関わらず、会社名や情報を届けることができるからです。ただし、スペースに限りがあるうえ、あまり細かい情報までは載せないことも多いため、結果としてあまり多くの情報を伝えることはできません。
一方、ホームページの得意分野は「会社を深く知ってもらうこと」です。ホームページを見に来たお客さまに、自社の特長やビジョンを詳しく伝えることで、自社のファンになってもらい、来場・商談を促進します。ただし、ホームページは基本的に「社名を知っている人」「住宅に関心がある人」しか見に来ないため、会社の存在を知ってもらうことは、あまり得意ではありません。
紙広告とWEBの使い分けは、簡単に言えば「チラシなどで会社を知っていただき、ホームページでファンになっていただく」といったところです。それぞれの特性を理解し、上手に使い分けましょう。
ただし、近年はWEB広告やSNSの進化により、「会社を知ってもらうこと」も「会社のファンになっていただくこと」も、すべてWEBで完結させるビルダー・工務店が増えていることは、忘れてはいけません。
3良いホームページ制作会社を見分けるポイントは?
ポイントは大きく2つあります。
1つは、ホームページの1番の目的を「デザイン」ではなく「反響・来場などの成果」と考えている会社であること。
ホームページのデザイン性も、自社を魅力的に見せるためには非常に大切です。しかし、住宅会社のホームページの最大の目的は「見込みのお客さまを増やすこと」です。「反響・来場を増やすために何をやるべきか」という視点で、デザイン・掲載内容・使い勝手・反響獲得の仕掛けを考えなければならないのです。
ホームページ制作会社を探す際は、ホームページのデザインだけで比較するのではなく、ビジネスにおける成果(反響獲得・売上増加など)を出せているかどうかを確認しましょう。
もう1つのポイントは、住宅業界における実績があるかどうかということ。
住宅業界、特に注文住宅のWEB集客は、「WEBだけでビジネスが完結しない」「取扱商品が高額である」「お客さまの検討期間が長い」など、他業界と比べてやや特殊です。ですから、業界の特性を知っている制作会社に依頼するのが無難です。同業種のホームページを制作した実績があるかどうかは、必ず確認しておきましょう。
仮に、住宅関連の制作実績が乏しい会社に依頼する場合は、自社がホームページを作る目的・最終的に得たい成果・伝えたい情報を十分に話し合い、制作会社に理解いただくことが重要です。
(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)