1「無関心」「後回し」は、もう許されない
「WEB集客は気になるけれど、よく分からないし、これまで成功したことがないから、後回しにしている」「そもそもネットは関係ないと思っている」という考えを持っているビルダー・工務店の集客活動は、総じて苦戦傾向にあるようです。集客活動はその先にある営業活動の源泉となるものですから、集客の苦戦は、そのまま営業の苦戦に直結します。
このような会社が集客に苦戦する理由は明確で、「住まいづくりをお考えのお客さまは、ほぼ例外なくWEBで情報収集を行っているから」です。過去にこのメールマガジンでご紹介したデータを改めて持ち出すまでもなく、お客さまの情報収集のメインは完全にWEBへ移行しています。お客さまが情報を探している場所で自社をPRすることは、当然のことと言えるでしょう。
特に自社ホームページは、お客さまと皆さんの会社とつなぐ“最初の接点”となります。ホームページがお客さまの期待を超えるものでなければ、その先の来場・商談にはつながりません。「友達に紹介してもらって会社を知った」「通りがかりでモデルハウスを見かけて会社を知った」というお客さまも、ホームページはほぼ間違いなく閲覧します。ここでお客さまに安心感を与えられなければ、せっかくの紹介も、見栄えの良いモデルハウスも、無意味になってしまう可能性が高いでしょう。
WEB集客は「やるかやらないか」ではなく、「どのように取り組むべきか」を考えなければなりません。興味がない・好きではないという理由で避け続けることは、もはや許されないのです。
2会社の理念・営業現場の肌感覚をWEBに反映しよう
WEB集客に比較的前向きな会社でもよく耳にするのが「ネットは詳しい人に任せている」「ホームページ担当者が全部やっている」というパターンです。もちろん、担当者が実務を担うことは問題ありませんが、WEBに関するすべてのことを、言わば「丸投げ」のような状態にしてしまっている会社は、思うような集客の成果が上がっていないことが多いようです。
WEB集客は、会社の想い・自社ならではの強みを的確に伝えることが成功の近道です。繰り返しになりますが、WEBはお客さまとの最初の接点となる場ですから、より的確でお客さまの心をつかむメッセージが求められます。
このメッセージを考えるのは、WEB担当者の仕事ではなく、会社のトップである経営者の方や、日頃お客さまと接することの多い営業現場の方の仕事ではないでしょうか。ですから経営者の方であれば、会社の考えや想いをWEB担当者としっかり共有することが重要です。営業担当者の方であれば、最近のお客さまの特徴や、日頃の商談でお客さまの心をつかむことの多いポイントなどを共有しましょう。
このような連携が、ホームページに「会社の理念」や「現場の肌感覚」を反映し、自社の効果的なアピールにつながります。ホームページの内容と営業現場で営業担当者が話す内容に一貫性が生まれやすくなるため、受注に至る可能性も高まるでしょう。
経営者や営業責任者が、ホームページの内容などに対して必要以上に口を出しすぎるのはおすすめしませんが、伝えるべきメッセージの方向性は、絶えずWEB担当者と共有し続けましょう。
3WEBは安価ではない、適切な投資を
もう1つ、特に経営者の方に注意していただきたいのが、WEB集客にかかる費用についてです。
集客に苦戦している会社の多くは、「WEB集客は安価なもの」と考えているようです。確かに、モデルハウスの維持費やテレビCMなどに比べれば安価になるケースが多いですが、「お金をかけずに集客できる」というのは誤解です。ビルダー・工務店のWEB担当者の中にも、「チラシと比べて使える予算が少なすぎる」などと困っているケースが少なくありません。
もちろん、ホームページなどはお金をかけずに作ることも可能ですが、見栄えもそれなりのものになりがちです。家を買おう・建てようとお考えの方に発信するホームページであれば、コストはかかります。
また、ホームページはただ作っただけではお客さまは訪れません。WEB広告を活用して見込み客をホームページに誘引するなど、相応の広告宣伝費が必要です。
コスト面におけるWEBのメリットは、「費用対効果が明確になりやすい」という点です。ホームページに訪れた人の数・資料請求や来場予約を行った人の数などがすべて明確になるため、投資コストに対する成果を把握しやすいのです。費用対効果の高い施策を見極めることで、結果的に集客コストを下げることにもつながります。
ただし、繰り返しですが「安価」ではありません。WEB集客で成果を上げるためには、それなりの投資が必要であることを心得ましょう。
(テキスト/株式会社住宅産業研究所 高田 宏幸さん)