1若い人ほどニオイに敏感
近年様々な消臭グッズが商品化されています。生活臭について聞いた結果、「自分の家のニオイが気になる」人は若年層ほど多くなっています(図1)。
また、洗濯物を室内干しする既婚女性に、室内干しをしたくない理由を聞いたところ、「洗濯物からニオイがでる」と答えた人は若年層ほど多くなっています(図2)。「カラッと乾かない」など他の理由は年代による差が少なく、ニオイについてのみ、年代による差が見られました。これらの結果を見ると、若い人ほどニオイに敏感な傾向があるようです。
2衣類についたニオイ。気になるのは「タバコ」「焼き肉・焼き鳥」
次に、「衣類についた気になるニオイ」を聞いた結果、トップが「タバコ」、次に「焼き肉・焼き鳥」となりました(図3)。これらは外食等の後、外から家に持ち込まれるニオイの代表格と言えそうです。
衣類についたニオイにどのように対処しているか聞いたところ、「消臭スプレーをする」「洗えるものは洗濯する」「干しておく」といった回答が多く挙げられました。スーツやコートなど簡単に洗濯できない衣類には消臭スプレーをかけたり、干して時間をかけてニオイの消えるのを待つ方法をとっていることがうかがえます。
次に、洗えない衣類でも手軽に脱臭する方法をご紹介します。
3浴室暖房乾燥機で、衣類についたタバコ・焼き肉臭を脱臭。その方法は?
気になるニオイの上位に挙げられた「タバコ」「焼き肉」のニオイを布につけて、浴室暖房乾燥機で脱臭しました。その方法と効果をご紹介します。
※実験委託先:(株)環境管理センター
<付臭方法>
すぐに水洗いできない上着やコートを想定し、毛100%の試験布を用いました。約2m³のチャンバー内に布をかけ、「タバコ」「焼き肉」それぞれのニオイを発生させ、1時間放置しニオイをつけます。
<脱臭方法>
ニオイをつけた布の両面にまんべんなく水道水の霧吹きを約80回(水重量で40g)かけます。その後、布をハンガーにかけ、1坪ユニットバス内の浴室暖房乾燥機の衣類乾燥強運転に60分かけます。温風のあたり方を均一にするため30分でハンガーを180度回転させました。
<サンプル採取方法>
付臭直後の布を「初期」サンプル、浴室暖房乾燥機で脱臭した布を「脱臭後」サンプル、浴室暖房乾燥機で乾燥している間、無風状態の浴室で静置した布を「自然減衰」サンプルとしました。
4浴室暖房乾燥機で衣類の脱臭効果が!
<評価方法>
臭気強度(表1)の判定を、嗅覚検査に合格したパネル(20名程度)により実施しました。
<評価結果>
「初期」は3.9(タバコ)、3.5(焼き肉)。強いにおい~楽に感知できるにおいと評価されました。
「自然減衰」は60分間静置した布のニオイで、3.5(タバコ)、3.2(焼き肉)。「初期」よりは弱くはなっているものの、楽に感知できるにおいと評価されました。
「脱臭後」は、タバコは1.4。やっと感知できるにおい、つまりニオイはするが、何のニオイか判らないと評価されました。焼き肉は2.0。何のにおいか判る弱いにおいと評価されました。
干すだけではなかなか無くならない、衣類についたタバコと焼き肉の強いニオイが、水の霧吹きをするというひと手間をかけることで、浴室暖房乾燥機で脱臭できることがわかりました。ちなみに、ミストサウナではマイクロミストによる脱臭機能が付いた機種があり、手間なく脱臭できます。
コートやジャケットを着る機会が多いこの季節、クリーニングに出している暇がない衣類のニオイ消しにご利用いただけそうです。