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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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知っておきたい、インテリアデザイントレンド2020-2021

2020.3.19

インテリアデザインのトレンドを牽引する2つの見本市が1月中旬にパリで開かれました。ひとつは創設26年目を迎えたインテリア見本市「メゾン・エ・オブジェ」、もうひとつは今年で11回目の高級インテリアテキスタイルの展示会「パリ・デコ・オフ」で、パリ市内のショールームや特設会場で新作を披露しました。

社会のデジタル化、グローバル化が急速に進展するなか、インテリア業界では逆に「人間らしさとは何か」を問う機会が多くなっています。社会の在り様を問い直すように優しさや温かみを感じるデザインが目立ちました。
このコラムでは、インテリアデザインの構成要素である「色彩」「素材」「模様」「技術」「インテリアポイント」の、それぞれのトレンド傾向をレポートします。

色彩:「ラテンアメリカ」からインスパイアされたカラー

まずは、色彩です。2020年から2021年にかけて大切な提案色は落ち着いた色調の、オレンジ系、グリーン系、ブルー系のカラーといえます。毎年注目を集めるトップブランドの一つ、「クリスチャン・フィッシュバッハ」は、今年「ラテンアメリカ」をテーマに選び、提案色は「テラコッタ」です。ブランドディレクターのカミラ・フィッシュバッハさんは、「陽気なラテンアメリカの人々の温もりを感じるテラコッタは、重要」といいます。また、自然を表現するグリーン系は改めての注目色です。ヒイラギの葉のような濃い緑「ホリーグリーン」、磁器の青磁から由来する優しく青白みをもつ「セラドン」など。ブルー系では、手仕事を感じさせる力強さと優しさを兼ね備えた「インディゴ」です。

FENDI フェンディ(伊)
FENDI フェンディ(伊)
ガラスや大理石の天板、ソファやクッションなどのそれぞれの素材を生かしたグリーン系のグラデーションが優美です。
CHRISTIAN FISCHBACHERクリスチャン・フィッシュバッハ(スイス)
CHRISTIAN FISCHBACHERクリスチャン・フィッシュバッハ(スイス)
女性デザイナーが水彩絵の具で描いた抽象的な熱帯雨林の花と葉の模様。優しく詩的な雰囲気が漂うカーテンとテラコッタ色のソファとのコーディネートが人の温もりを感じさせます。

素材:サスティナビリティ(持続可能性)を強調した和紙

素材では、綿や麻、和紙など再生できる自然素材が注目です。屏風のようなパネルが並ぶ大きな壁紙「ペーパー・スカルプチャー/ ニシモ」は手作業で立体感のあるペーパーアート。アバカ麻60%と梶の木の繊維40%をのり状にした材料を幅3mの作業台に薄く伸ばし、コームで枯れ山水のようなうねりを付けます。黒い色は天然色素で染め、乾燥後に刷毛を用いて金色の波模様を描き、できあがったパネルに不織布の補強材を付けて完成です。エコとサスティナビリティ(持続可能性)を強調するフランスの壁紙ブランド、エリティスの最高経営責任者(CEO)のパトリス・マロー・デ・グロットゥさんは「日本で伝承される手すき和紙に発想を得た」と語ります。

ELITISエリティス(仏)
ELITISエリティス(仏)

独創的な壁紙を作りたかったグロットゥさんはアーティストを探してパリやロンドン、ミラノ、日本など大都市で開かれる展覧会を巡り、2年前に日本人アーティストの大胆な作風にひかれ、協業を申し入れたとのことです。

模様:インテリアがジャパン&オリエンタルに

模様では、まず、「日本・ジャポニズム」が満載でした。インテリアブランド「ミッソーニ・ホーム」では、日本の伝統技術の絣織からヒントを得たモダンな幾何学模様のソファを発表しました。その他にも、折り紙や青海波など、日本の伝統文化に感化された作風が話題を呼びました。ピエール・フレイ(仏)は、「オリエンタル」がテーマ。サウジアラビアやトルコなどの民族の暮らしや手仕事、衣装、生い茂る植物や野生動物などの自然環境が発想源となっています。

MISSONI HOME ミッソーニ・ホーム(伊)
MISSONI HOME ミッソーニ・ホーム(伊)
88歳にして働き盛りのアートディレクターのロジータ・ミッソーニさんは親日家。日本の伝統文化に造詣が深いのです。
PIERRE FREYピエール・フレイ(仏)
PIERRE FREYピエール・フレイ(仏)
パリの高級ホテルがこぞって採用する仏最大手のテキスタイルメーカー、ピエール・フレイ。1935年創業のファミリー企業で、会長のパトリック・フレイさんがクリエーティブディレクターを務め、世界を旅して新作テーマの着想を得ています。

技術:ハイテクに優しさを添えて

斬新なデザインで定評のあるスイスのヤコブ・シュレイファーは、オートクチュール御用達のテキスタイルメーカーです。裏生地は残し、表生地だけをレーザーカットする特殊技術の「キューブカット」や裏地をカットして作る透け感をあえて表地に表現した「フロントレーザーカット」は、色彩豊かな優しさを秘めています。

「キューブカット」JAKOB SCHLAEPFERヤコブ・シュレイファー(スイス)
「キューブカット」JAKOB SCHLAEPFERヤコブ・シュレイファー(スイス)
2019-2020秋冬コレクションでは、ルイ・ヴィトン、マーク・ジェイコブス、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどのテキスタイルを手掛けました。
「フロントカット」JAKOB SCHLAEPFERヤコブ・シュレイファー(スイス)
「フロントカット」JAKOB SCHLAEPFERヤコブ・シュレイファー(スイス)

押さえるべきインテリアポイント

インテリアトレンドを知ることで、お客様への提案に説得力が増します。トレンドカラーを把握し、手仕事や優しさ、温かみを感じるような空間デザインを心掛けてみてください。

テキスト:堀 和子(ホームファッションラボ)
監修:リビングデザインセンターOZONE

製品のご案内

東洋の楽園が表現されたコットンベルベット

PIERRE FREY
PIERRE FREY
会社名
株式会社トミタ
メーカー名
PIERRE FREY
URL
https://www.tominet.co.jp/world-fabrics/pierre-frey/index.html
製品名
Le jardin du palais velours
品名・品番
FPF-F3470002
素材・仕上げ
コットンベルベット(CO 88%、P 12%)
サイズ
132cm巾 リピート縦65CM
価格(税抜)
35,500円/M

16世紀のペルシャ、サファヴィー朝では、たくさんの動物たちが共存しさまざまな樹木や花が植えられている美しい楽園の庭が愛されていました。このファブリックは手触りの良いコットンベルベットの生地でつくられており、ガゼル、トラ、リス、フラミンゴ、そしてサギなどの鳥たちが平和に暮らす緑豊かな楽園が、縦65cmの大きなリピートでプリントされています。その中でも夜の楽園を表しているのがこの「Le jardin du palais velours(ル ジャルダン ドゥ パレ ヴルール)」です。色違いに白がベースの「Le jardin du palais(ル ジャルダン ドゥ パレ)」がありますが、こちらは朝の楽園を表しています(コットン100% プリント)。コレクション ‘REVERIES ORIENTALES’ の中からの1点です。

セビリアの魅力が詰まったコレクション

PIERRE FREY
PIERRE FREY
会社名
株式会社テシード
メーカー名
Cole & Son[コールアンドサン]
URL
https://www.tecido.co.jp/
コレクション名
SEVILLE
品名・品番
壁紙コレクション
素材
不織布
サイズ
52cm×10m、68.5cm×10m、70cm×10m ※デザインにより異なる
価格(税抜)
31,000円/本〜(参考価格)

Cole & Sonのデザイナー達が、2日間のスペイン旅行で得たインスピレーションを元に作られた2020年春の新作コレクション。スペイン南西部の都市・セビリアをモチーフに、オレンジの木、フラメンコで使われる扇子、タイルなどのデザインはどれも魅力的なものばかり。シェイクスピアの作品『ロミオとジュリエット』の、あの印象的なバルコニーシーンにインスパイアされた建物や、ユネスコの世界遺産に登録されているアルカサル宮殿のデザインもあり、セビリアの街並みに思いをはせるようなコレクションとなっております。テラコッタカラーなどのトレンドは抑えつつも、Cole & Sonらしい大胆なデザインは必見。壁紙からスペインの温暖な気候を感じられるようです。