1暮らしの変化
(1)暮らし全体
新型コロナウイルス感染拡大以前と比べて、暮らしがどの程度変化したかを聞くと、全体の75%以上が、「暮らしが変わった」と回答、女性20~30代、50~60代では8割を超えており、緊急事態宣言にともなう外出自粛要請などによって、生活者の暮らしは大きく変化しました。また、性年代を問わず、多くの人が影響を受けていたことがわかります(図1)。
(2)家事
自分自身の家事の仕方について聞くと、「家事の仕方が変わった」人は、女性30~50代で多くなり、70代以上は「変わらない」が多いという結果になりました(図2)。家事の変化は、家族の在宅による食事の準備や、買い物の仕方などであると思われます。在宅ワークによって掃除や洗濯時間が変化した人もいると考えられます。
2増えた時間
新型コロナウイルス感染拡大以前と比べて増えた時間について聞くと、家族との会話は全ての性年代で増加しています。外出自粛によって家族一緒に過ごすことが増え、会話につながっているようです。料理・掃除・育児時間の増加は、男女差が大きく女性で高くなっており、特に女性30代では、料理・掃除ともに増加した人が6割以上にのぼっています。
既婚者でみると、男性も30~40代で家族との会話と育児が増加しています。しかし、料理・掃除は男女差が大きく、女性の負担が増加しています。既婚男性であっても、家事・育児が増加した人の割合は女性に比べると低く、女性に生活変化による負担が偏っていることがわかります。外出自粛の家庭の中では、家事分担や工夫による妻の負担軽減が重要と考えられます。
3既婚女性における、ストレス軽減のために重要なこと・実際に行っていること
家事・育児の負担が偏っていた30~40代既婚女性がストレス軽減のために重要と思うことは、「運動」「おいしいもの」「睡眠」「ひとりになれる場所・時間を作る」ですが、実際との差は、「ひとりになれる場所・時間を作る」が最大です(図5)。30~40代既婚女性は、「ストレス解消のためにひとりになりたいのになれない」状態にあることがわかります。妻がひとり時間を持つために夫が家事・育児を分担したり、家族が時間差で部屋を使うなどの協力が必要と思われます。
4「おうち時間」を楽しむアイデア
家でのストレスを軽減し、暮らしを楽しくするアイデアを、東京ガス都市生活研究所+リビングデザインセンターOZONE+専門家(建築家・料理研究家・暮らしに関するライター、編集者)が創出しました。すぐには実現が難しいアイデアもありますが、それぞれの考え方をヒントに、身近なもので工夫してみてはいかがでしょうか。
※アイデア作成に協力された方々
一田憲子/H2DO一級建築士事務所/萩原雅史建築設計事務所/YADOKARI株式会社/行正り香/米森建築設計事務所
※アイデアはイメージであり、実際に商品化されているものではありません。