コロナ禍でガーデンが見直された
新しい生活の中で、暗い話が多い中、ガーデン業界はすこし息を吹き返しました。住宅で過ごす時間が長くなったことで、ガーデニングや家庭菜園の需要が増えたのです。
2020年5月頃のホームセンターの売り上げは前年と比較して大幅に上がったそうです。個人がDIY感覚で行うものですから、庭を劇的に変化させることはできませんが、見下ろす空間に花や野菜が増えていくのをみるだけでも十分楽しいものです。5月は特に温度が上昇し始め、植物たちがぐんぐん変化し、手をかければかけるほど答えてくれる時期です。成果がはっきり出るためやりがいもあったのではないでしょうか。
下表は私の会社で運営協力しているアーツ千代田3331の屋上菜園で、比較的初心者でも成果を出せた野菜のリストです。
春~夏 | イチゴ、エダマメ、カボチャ、クーシンサイ、コマツナ、ジャガイモ、シュンギク、スイスチャード、チンゲンサイ、トウモロコシ、ナス、ニンジン、バジル、ピーマン、ミニトマト |
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秋~冬 | イタリアンパセリ、サツマイモ、シュンギク、スイスチャード、ダイコン、パセリ、ホウレンソウ、ニンジン |
テレワークをお庭で
リビングやダイニングで仕事をしている人も多かったと思いますが、思い切って、庭やベランダに机、椅子を持ち出して仕事をする方も増えたようです。日当たりが良すぎる庭は、緑陰が欲しいですね。
少し木陰をつくる場合は、日差しへの耐性や手入れのしやすさから、次のようにおすすめします。
■日差しが非常に強い場合
西日、乾燥に強い、サルスベリ、オリーブ、シマトネリコがおすすめです。シマトネリコは非常に成長が早い樹木で、サルスベリ、オリーブに比べて剪定を適宜行う必要がある点に注意しましょう。
■日差しが少し強い場合
日差しに耐え、春は花が楽しめる、ヒトツバタゴ、ウメ類をおすすめします。サクラ類も良いですが、大きくなりすぎると管理が大変なため、剪定しやすいウメ類が便利ではないかと思います。実も楽しめますしね。
■午前に日差しがある場合
エゴノキ、コバノトネリコ、ヤマボウシ等大きくなりすぎないものを植えると、手入れが楽です。
乾燥と暑さに強いオーストラリア系の植物が人気
40年前に比べて本当に夏が暑くなってきています。そのため朝、夕に頻繁に水やりを行う必要があります。自動灌水システムを備えた住宅も増えました。そのような状況下、水やりが簡単で、そこまで大げさにしたくないけれど、植物を楽しみたいという方に注目されているのが、色や形に個性のあるオーストラリア系の植物です。
テキーラでおなじみのアガベも大流行中です。特に男性に人気があるようです。乾燥を好む植物たちなので日差しの強いテラスやベランダに大変向いていますが、日陰はNGです。
リビングの延長線上でこだわりのあるデザインコンテナに植栽し、配置するとスタイリッシュに決まります。四季の変化があまりないことで飽きないように、いろいろな色や形のものを入れると良いでしょう。
成長が早いものが多いので管理体制までの提案が必要です。暑さに耐える植物として、エンドユーザーへご提案してはいかがでしょうか。
文=山﨑 誠子(GAヤマザキ取締役)
監修=リビングデザインセンターOZONE