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住宅新商品トレンド 戸建住宅もニューノーマルの時代へ

INDEX 2021.1.22

2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の生活が一変した1年となりました。マスクは手放せないものとなり、密閉、密集、密接の所謂「3密」を避けることや手洗い、うがいの徹底、テレワークや時差出勤、WEB会議によって人との接触機会の削減を図るなどの感染予防対策は最早当たり前となっています。

大手ハウスメーカーにおいても「ニューノーマル」の住まいづくり、商品開発が進められています。いち早く対応した大手ハウスメーカーの1つが大和ハウスです。同社はコロナ禍において急増したテレワーク需要に対するソリューションとして、住宅の中にワークスペースを設ける、「快適ワークプレイス」や「つながりワークピット」といった商品を打ち出しました。これらのテレワーク商品の反響は良好で、6月の販売開始以降、1ヶ月間で56棟を受注したとのことです。販売目標としては月間100棟を掲げており、注文住宅だけでなく、分譲住宅への導入も見据えています。
今回紹介する商品は20年11月から12月にかけて発売されたもので、感染予防対策だけでなく、ニューノーマルの住まい方提案などが特徴です。

1クローズドワークスペースやパーソナルベランダを新提案「onefitto(ワンフィット)」~旭化成ホームズ

旭化成onefitto 外観

旭化成ホームズはニューノーマルで変化した家族の暮らしにフィットする空間提案を盛り込んだ住まいとして「onefitto(ワンフィット)」を発売しました。年間販売目標は300棟を掲げています。

家にいながらアウトドア気分で寛げる空間として、LDKとつながるタイル張りの「インナーテラス」や、外の空気や季節の変化を感じられる「ファミリーベランダ」を提案し、家族のコミュニケーション促進が期待できます。
そして、夫婦それぞれのワークスペースとして、室内窓からインナーテラスや家族の様子を眺められ、引き戸の開閉でキッチンと仕切ることもできる「セミオープンスペース」、仕事や趣味に没頭できる「クローズドワークスペース」の2種類を用意しています。また、クローズドワークスペースには、「パーソナルベランダ」を隣接させることで、オンとオフの切替えなど、より豊かな環境を確保しました。

旭化成onefitto ファミリーベランダ
ファミリーベランダ
旭化成onefitto クローズドワークスペース
クローズドワークスペース
旭化成onefitto パーソナルベランダ
パーソナルベランダ

キッチン脇には、多目的大型ストックスペース「スマートクローク」を設置しました。外部とつながる出入口にはスマートロック付きドアを採用し、不在の場合でもスマホアプリで発行した時限キーで宅配業者が配送物を運び入れることが可能です。
在宅時間が増えても家事を効率的に行いたいという要望に応えるため、洗濯・物干し・畳むなど一連の作業を効率的に行える「ランドリーサンルーム」、家族の衣類をまとめて収納できる「ファミリークローゼット」を短い動線内に配置しています。
帰宅後の手洗い・うがいなど、LDKに入るまでに感染予防のアクションが自然と身につくことを狙った動線計画で設えています。

2「SHOKUメソッド」で在宅時間を充実化「Season m(シーズンエム)」~ミサワホーム

ミサワSeason m 外観

ミサワホームは20年11月、新商品「Season m(シーズン エム)」を発売しました。同社ではこの商品を「MJ wood」ブランドにおけるニューノーマルライフ対応モデルと位置づけています。
商品コンセプトは「おうち時間を豊かにする3つの『SHOKUメソッド』」。3つのSHOKUとは働くの「職」と飲食の「食」、デザインという意味での「飾」を意味しています。

ミサワSeason m コンセプト
ミサワSeason m ホームオフィスフォーカス

まず、「職」に関しては、3つのワークスペースを用意しています。個室タイプでWEB会議に集中しやすいホームオフィス「フォーカス」、ファミリーカウンターやオープンコモンズなど家族とつながりながら働く「スイッチ」、マルチスペースとしてリラックスの中からひらめきを生む「リチャージ」です。複数のワークスペースを設けることで業務内容や生活スタイルなどによってスペースの切り替えが可能です。

「食」ではファミリーカウンター隣接のアイランドキッチン、大容量のローリングストック収納、タッチレス水栓などを提案しています。モデルプランでは、水害対策も兼ねてローリングストック収納は2階に設置しています。
「飾」は、ファサードが凹凸による陰影とはっきりした水平垂直ラインが特徴のモールデザイン、内装は感染症対策の観点からの壁紙とフローリングの抗菌化と環境アレルゲン軽減仕様の玄関タイル、鍵をかけた状態でも換気ができる採風玄関ドア、宅配ボックスなどを採用しています。

3窓を開けずにきれいな空気環境を実現「スマートイクス」~積水ハウス

積水ハウススマートイクス 熱交換型換気イメージ
積水ハウススマートイクス フィルター動作イメージ

積水ハウスは20年12月、次世代室内環境システム 「SMART-ECS(スマートイクス)」を発売しました。ECSは「Environment Control System(環境制御システム)」との略称であり、窓を開けずに、室内の温度変化を抑えながら、きれいな空気環境を実現するというものです。スマートイクスを構成する主な設備は、アメニティー換気システム(熱交換型1種換気システム、天井付空気清浄機「エアミー」、タッチレス設備(室内ドア、トイレ等)、抗ウイルス建材です。
新型コロナ対策の一つとして換気が重要とされていますが、スマートイクスでも換気および空気清浄の性能にこだわっています。1人当たり30m³/hの換気量を有し、一般的な換気と比べて汚染物質を約2~5倍素早く除去できるとのことです。さらに、換気システムに採用されているフィルターは、2.0μm以上の汚染物質を95%以上除去できます。メンテナンスフリーで、交換頻度が約5年に1回と長期スパンで使用できます。このほか、万が一家族に軽度の感染者が出た場合に、個別換気で空気の流れをコントロールして、家庭内感染の防止に配慮した「自宅療養配慮プラン」も用意しています。

これらのウィズコロナで重要性を増した、おうち時間を充実させる「ニューノーマル仕様」は、ポストコロナの時代になっても、標準的に求められていく住宅商品の機能となっていきそうです。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 斎藤 拓郎さん)

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