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住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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可変性のある住まい

2021.5.21

住宅建物の性能が向上し、長く住めるようになってきている昨今、家族の成長やライフスタイルの変化に合わせて柔軟に変更できる間取りを設計するには、どのようなポイントを押さえればよいでしょうか。多くの可変性空間の設計実績を持ち、個性や価値観から共につくるいえづくりに定評のある建築家・久保和樹さんが、事例をもとに設計プランの立て方を解説します。

ハウスライフプラン

地下に34畳のワンルーム空間
地下に34畳のワンルーム空間

「可変性のある住まい」といっても、建物の可変性には当然限界があります。よってまずは、可能な限りいえの未来をイメージすることが大切です。そしていえづくりの際に、ライフプランやマネーライフプランを考えている方は多いですが、“いえのライフプラン(弊社ではハウスライフプランと呼んでいます)”をまとめている方は少ないのではないでしょうか。ハウスライフプランとはライププランやマネーライフプラン、施主ヒアリングから、いえの一生のつかい方を考えるものです。そのいえに一生住むのか、子育て時期には引越をして賃貸に出すのか、老後は売却するのかなどの条件により、つくり方やお金の掛け方等が、かなり変わってくるのです。

今回は事例の一つとして、“二つの庭と三つのリビング”を紹介したいと思います。
設計当時、施主の家族構成は30代夫婦、幼稚園の子ども1人でした。ご要望は「一生住む予定。将来的には子どもは二人欲しく、子ども部屋はしっかりしたものでなくて良い。妻はヨガ教室を主宰しており、できる限り大きな無柱空間が欲しい。夫は大きな音で映画鑑賞をしたい。建築費のイニシャルコストを極力抑えたい。」とのことでした。この条件から作成したハウスライフプランは以下のようになります。

01.子どもが小さな竣工時から10年程度は間仕切りや建具などを極力つくらず、各階に大きなワンルーム空間をつくり、家族で一緒に過ごす。

02.10年後くらいの子どもが大きくなるまでに個室資金を貯め、必要になったら撤去が簡単な子ども部屋をつくる。

03.子どもが独立した場合は個室を解体して、趣味の部屋やくつろげるような空間とする。

このように流動的な要素の多い子ども部屋は、極力小さく、撤去可能につくることが多いです。今回は初期費用を下げるために、竣工時には間仕切りや建具を極力省くことにしました。以上のようなプランにした背景には、施主が子どもの頃に自分の個室のない住宅で育ったことも大きく影響しています。

スケルトンインフィルの設計

二つの庭と三つのリビング2F子供部屋イメージパース
二つの庭と三つのリビング2F子供部屋イメージパース

ハウスライフプランがある程度固まりましたら、それに合わせて、各時期(竣工・子育て期・老後等)における想定プランを作成します。スケルトンの設計時に重要なのは、将来想定プランの変更部分に、耐力壁を配置しないようにしておくことです。また、老後1Fで生活が完結するプランの場合は、必要な設備系の先行配管をしておくと良いでしょう。スケルトンの次はインフィルの設計となります。この段階でも固定の壁はあまりつくらず、建具や家具などでプライバシーを確保して、将来的に可変性の高い住宅をつくるようにしています。

可変式空間の設計

可動式個室
可動式個室

まず25畳前後の大きな空間を確保します。そこに可動式の家具や間仕切りを設置し、可変性のある空間をつくるようにしています。人が多く集まるホームパーティなどでは、大きな空間としてつかえます。宿泊客がある時には、仮設的に客室にできますし、子供が大きくなったら子供部屋としてもつかえます。このようにイベントや要望、家族構成に沿って、間取りが変化することで空間を有効利用できますし、将来的な生活の変化にも対応しやすい建物となります。

特にマンションなどの限られた空間の中では、固定間仕切りで個室をつくると多くの面積がとられてしまうため、子供部屋などは可動式にして、必要な時期にだけ設置する計画を提案することが多いです。ただし可変式の空間は一般的に遮音性能が低くなる為、その点は施主の了解のもとに設置することをお勧めします。

文=久保和樹(H2DO一級建築士事務所)
監修=リビングデザインセンターOZONE

製品のご案内

オリンピア スライド丁番360シリーズ

スガツネ工業株式会社 スライド丁番
メーカー名
スガツネ工業株式会社
URL
https://search.sugatsune.co.jp/product/arch/c/c20/
製品名
スライド丁番
品名・品番
オリンピア スライド丁番360シリーズ
素材・仕上げ
鋼・ニッケルめっき
価格(税込)
製品による

スガツネの技術力を注ぎ込んだ、ダンパー内蔵スライド丁番が登場しました。スガツネオリジナルのダンパー機構である「ラプコン」の名にふさわしい、扉の優雅な動きを実現します。国内初の5段階調節で、扉の吊り込み後に扉サイズにあわせて最適な速度を選べます。すっきりとした見た目を実現するコンパクトなダンパーレイアウトはスガツネ独自です。ダンパー内蔵以外にも、キャッチ付き、キャッチ無し、プッシュオープンタイプ、85°開き、厚扉用など、使用される扉にあわせてお選びいただけるラインアップを豊富に取り揃えています。オプション品の化粧プレートとあわせれば、ガラス扉でもお使いいただけます。

合板の常識を覆すロシア白樺耐水合板

テツヤ・ジャパン ロシア白樺耐水合板
※写真の合板は、面取り加工をしています。
メーカー名
テツヤ・ジャパン
URL
http://tetsuya-jp.com
製品名
ロシア白樺耐水合板
品名・品番
ロシアンバーチ
素材・仕上げ
合板 #120 無塗装(ロシア白樺)
サイズ
2,440mmx1,220mm 厚み:4~30mm
価格(税込)
4mm 6,900円(税別)〜 お問い合わせください。

ロシア白樺耐水合板は、デルタ合板が改良されたヨーロッパの普及材料です。建築材料(床・壁・天井・建具、フラッシュドア)、家具など幅広く使われている材料で、日本で多く流通している合板より重ねている単板枚数が多く、強度が増しています。単板は全てロシア白樺です。表面は白木の美しい木目、断面の積層模様もバームクーヘンのようになっており、デザインに使われる事があります。塗装などすれば化粧仕上げとしても使えます。単板を接着している樹種はフェノール樹脂で、耐水性、硬化性が高く、反りにくく、剥がれにくくなっています。グレードはロシアンバーチ・エコバーチなど、節やパッチワーク(埋め木)の有無で分けています。プレカット出荷が可能で、フリーサイズでサネ加工をし、オリジナルのフローリング・壁・天井などにお使いいただけます。