1木とRCの混構造「Wood Residence MARE-希-(マレ)」~大和ハウス工業
大和ハウス工業は2021年4月、東京、大阪、名古屋を中心とした都市部の富裕層向けに、木造とRC造を組み合わせた混構造を採用した同社の最高級戸建商品「Wood Residence MARE-希-(マレ)」を発売しました。同商品の坪単価は165万円~を想定しており、単価も含め同社の最上位商品です。
ポイントは大きく3つあり、一つ目は混構造を採用したことで実現した空間提案です。木造部分については、最大720mmの梁せいを採用することで、柱なしで最大9mまで開口幅を広げることができます。さらに、最大10mの大空間も実現可能です。天井高はロースタイルリビングと折り上げ天井によって最大4.1mを確保できます。RC造を取り入れることで、傾斜地や高低差のある敷地形状を活かした地下室や地下ガレージの提案も可能としました。
第一弾のモデルハウスとして、駒沢公園ハウジングギャラリー内にオープンしました。この商品は地下1階から地上3階建までの建設が可能ですが、このモデルハウスは2階建て仕様です。構造用集成材に国産ヒノキを採用する他、内外装には防耐火認定を取得した化粧木板や天然石、大判タイル、陶板などを一体的に用いることで、屋内外の連続性と上質感を創出しています。
そして、同商品発売に当たり、トップデザイナーチーム「ZIZAI DesignOffice Tokyo/OSAKA」を新設しました。このチームはこの商品に限らず、高額物件を中心に顧客にとっての最善最良な邸宅づくりをサポートしていく予定です。
2天井高3mの大空間「CENTURY 蔵のある家 FREE LIVING」~ミサワホーム
ミサワホームは、同社最上位ブランドの「CENTURY」の新ラインアップとして、「CENTURY 蔵のある家 FREE LIVING」を21年4月に発売しました。
この商品の特徴の一つは、約3mの高天井空間を活かした新提案「フリーリビングユニット」です。これは同社が手掛ける住宅の特徴の一つである大収納空間「蔵」を設け、蔵の上部空間をスキップフロアとすることによって生まれる新しい空間を指す提案です。このスキップフロア用のアイテムとして、デスクユニットや転落防止のチャイルドゲートなどを施工することも可能です。
また、この商品はウイルスなどの感染リスクから家族を守る空調システムや建材を用意しています。建物ごとに最適な換気量で運転する「邸別一定風量制御」技術を搭載した新型「フロアセントラル換気システム」により、熱交換を行いつつ、エネルギーロスの少ない最適な換気ができます。また、一時的に換気量を増やす機能や、ウイルスや菌、PM2.5、花粉などを捕集して新鮮で衛生的な給気のできる高性能の「HEPAフィルター」も備えられています。ウイルスや菌が侵入した場合にも、活性を抑制する室内空気環境システム「ヘルスエアー」により、家族を健康に保つ空気環境づくりをする他、今回新たに「自宅療養セカンドサニタリー」を提案しています。これは、もし家族がウイルスなどに感染した場合に、セカンドサニタリーを利用することで家庭内の感染リスク低減が期待できます。
3木質感溢れる住まい「MyForest BF(マイフォレスト ビーエフ)」~住友林業
住友林業はこの4月、「MyForest BF(マイフォレスト ビーエフ)」を発売しました。この商品の外観、室内空間を形成する要素の一つは同社オリジナル部材「PRIMEWOOD」です。厳選された国内外の銘木14樹種から選択でき、オイル仕上げや浮造り加工など、風合いを活かした仕上げになっています。その他、壁、天井、建具など随所に木を用いて、暖かで柔らかなやさしい空間を形成し、木調軒天や格子など外観にも木を活かして温もりある佇まいを演出します。
この商品の構造は、同社オリジナルの木質梁勝ちラーメン構造「BF(ビッグフレーム)構法」を採用しており、優れた耐震性と耐久性が特長です。幅560mmのビッグコラム(大断面集成柱)と金物相互を直接接合するジョイント金物で強靭な構造躯体を実現します。柱や壁を最小限に抑えることで、開放的な空間を創ることができる他、子どもの成長や家族のライフステージに合わせた間取り変更等、リフォームにも柔軟に対応できます。
断熱性については、「360°TRIPLE断熱」を採用しています。この「TRIPLE」は、断熱性能の基礎である「断熱材」、アルゴンガス入り「Low-E複層ガラス」、そして、鉄やコンクリートに比べ断熱性能が優れる木を「構造材」として利用していることに由来しています。1980年頃(旧省エネ基準)の住宅と比較すると、住宅の断熱性能は壁が5倍、天井・床が7倍で、1年間の光熱費は7万円ほど安くなるとのことです。
(テキスト/株式会社住宅産業研究所 斎藤拓郎さん)