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ビルダー販促事例 YouTubeを上手く活用するには?

INDEX 2021.7.16

長引く新型コロナウイルスの蔓延で打撃を受けている業界が多い一方で、逆に拡大しているのがEコマース市場です。インターネットでモノを販売するという市場自体は以前からありましたが、レジャーや飲食、買い物の外出が減った分、おうち時間を快適にする商品や食料品をスマホから気軽に購入するという行動が増えた消費者が多いのではないでしょうか。住宅はEコマースで購入することはできませんが、展示場や見学会に行く前にWEBで情報を集めるという行動は増えていると思われます。
コロナ以降の住宅会社のWEB戦略では、ホームページの情報量を増やして展示場・見学会の来場予約を取る、WEB経由の問い合わせに対応するインサイドセールスの部署を設ける、単純にWEB広告の予算を増やす、などの施策が見られます。広告→ホームページ→来場予約という導線づくりももちろん重要ですが、若年層にとってはブラウザでWEBサイトを見るよりも、SNSや動画配信サイトを見るという行動のほうが多いと思われ、ホームページがWEB集客の入り口ではなくなってきています。
SNSや動画配信サイトに広告を出稿するという方法もありますが、これらの媒体は自社でコンテンツを作って自由に投稿できるオウンドメディアであり、内容次第では「広告にいくら予算をかけたか」に関係なく、情報を拡散することができます。特にここ1~2年で目立ってきているのが、ビルダー・工務店のYouTube活用です。中には数万件の登録者数、数十万回の再生回数を獲得しているYouTubeチャンネルもあります。YouTubeの再生回数が増え、そこからホームページに流入するアクセス数も増え、さらにそこからの来場率・受注率が高まり、YouTubeを活用する前と比べて低予算で多くの受注を獲得できているという実例もあります。

1どのようなコンテンツを作るか

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YouTubeをうまく活用している先行事例でも、何年も前から運用してきたのではなく、本格活用し始めたのは昨年のコロナ以降というところが意外に多いようです。ビルダー・工務店がYouTubeを始めるのは今からでも遅くないでしょう。やり方によっては、広告予算を大きくかけられる大手ハウスメーカー以上に、自社のファンを増やせる可能性があります。そのために必要なのが、どのようなコンテンツを作り、どのように再生回数を増やすかという戦略です。

YouTubeに投稿されている住宅会社のコンテンツで多いのが、「家づくりの知識」と「ルームツアー」です。
「家づくりの知識」は資金計画や間取り、性能等、家づくりを始める人が疑問に思うことを解説するコンテンツです。再生回数を増やしやすい一方で、「良い情報を教えてもらった」というだけで満足されると、自社ホームページや来場には誘導しにくくなります。性能の解説の最後には自社の仕様を紹介する等、自社の強みや特徴を伝えるところを着地点とすると良いでしょう。
家づくりに興味がある人全般に向けて情報を届ける「家づくりの知識」に対し、「ルームツアー」は建物の間取りやデザイン、出演者によって自社の特徴を伝え、自社へのファン化をより促進できるコンテンツと言えるでしょう。動画撮影専用のカメラを使い、編集を専門の会社にアウトソースすることでクオリティを高めることもできますが、スマホ1台で撮影・編集した動画で多くの再生回数を獲得している先行事例もあります。なるべくカット無しの長回しで撮影できれば、編集作業を軽減できます。建物の外観・内観だけをひと通り撮影しておいて、編集時にナレーションとテロップを付けるだけという方法もありますが、営業担当などのスタッフが出演して間取りやデザインのポイントを順に解説していくような構成のほうが一般的です。スタッフの人柄を伝えることがファン化につながり、出演者は家族や友人にも観てもらうことでモチベーションが高まります。新卒採用の募集に効果があるという声も聞かれます。

2どのように再生回数を増やすか

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良いコンテンツを作っても多くの人に見てもらえないと、その先のホームページへの誘引、来場、受注にはつながりません。YouTube活用はコンテンツづくりと同じくらい、再生回数を増やす工夫も重要です。
自社のことを知っている人であれば、ホームページ・SNSからのリンクやYouTube内で社名を検索して動画に辿り着いてくれますが、それだけでは再生回数は増えません。再生回数を飛躍的に増やすには、他の動画の“関連動画”や視聴者の閲覧履歴やトレンドに基づく“おすすめ動画”に表示されることが必要です。そのためには、YouTube側から「この動画は価値がある」と認識される必要があります。投稿した動画の再生回数を増やすには、どのような方法があるでしょうか。

(1)タイトル・サムネイルを工夫する
関連動画やおすすめ動画に表示されても、面白そうだと思ってもらえない動画は再生されません。サムネイルは画像やテキストを組み合わせて内容が端的にわかるようにしましょう。人気のある動画を参考にしてみても良いでしょう。

(2)タグを埋め込む
投稿する動画には、検索や関連動画のキーワードとなるタグを埋め込むことができます。動画の内容に即したタグだけでなく、同ジャンルの他の人気動画と同じタグを加えることで、関連動画として表示されやすくなります。

(3)視聴維持率を高める
最後まで見てもらえずに途中で離脱されることが多い動画は、YouTube側から「価値が低い」と認識されます。最後まで見てもらうには、動画の長さは10分程度か、それよりも短くても良いかもしれません。ルームツアーでは、テンポの良い台詞と編集で視聴者を引き付けることを意識しましょう。クイズ・ランキング形式で見どころを最後まで引っ張る、間取り図は最初に見せずにあえて最後に表示する等の工夫をしている先行事例もあります。

YouTubeをすでに成果に結びつけている住宅会社もありますが、まだ飽和している状態ではないので、参入の余地は十分にあります。動画を作ってYouTubeに投稿することはそんなに難しいことではなく、他の広告媒体にかけているリソースの一部をYouTubeに振り分けて本格的な活用を始めるタイミングとしては、決して遅くありません。まずは気軽に1本の動画を作ってみましょう。

(テキスト/株式会社住宅産業研究所 布施 哲朗さん)