文京区のLOVE2HOUSE:都心の敷地にありながら露天風呂付きの寝室
ぐっすり眠るためには、寝室単体だけでなく寝る前にいい湯につかって体を温めほぐしてあげることが大切です。温泉に行くと、いい湯とよい睡眠によって疲れを癒すことができます。温泉の客室に専用の露天風呂がついている場合があります。付いていない部屋よりも宿泊費が高くなりますが、その分入浴後にすぐに睡眠と隣接することで、途中の廊下で体が冷えたりすることなく、温めてほぐした体をシームレスに睡眠へと連続させることができる利点があります。
LOVE2HOUSEは、シャワー室は屋内にありますが、バスタブは屋外テラスにあり、寝室に隣接していることで、湯につかってほぐした体をシームレスに睡眠へと連続させることができます。テラスの周りにはプライバシーを確保するコンクリートの壁が、上には入浴時はテントをかけることで、安心して都心でも露天風呂付き客室のような露天風呂付き寝室を楽しんでいます。
文京区のLOVE2HOUSE:空の下の寝室
ぐっすり眠るためには、体内時計を自然とともに整え、生活のリズムをつくることが大切と言われています。LOVE2HOUSEは、7m高の天井最上部に円弧天窓があり、寝るときには夜空の星が見え、起きると青空に雲が動いているのが見えます。そして寝ている間に空の明るさが徐々に変化していることも、寝ている体が無意識に、しかしおそらく自然の変化を感じながら体のリズムをつくっているのです。
天窓は結露しにくいように複層ガラスとし、万が一割れた場合に備えて強化ガラスとしています。また結露した場合に下に垂れずに片側の結露受けで受けられるよう最低でも11度の勾配をとること、天窓から入る直射日光が直接寝ているところに当たらないような位置関係にすることも大切です。上からの光は季節によって角度や長さが異なるのも楽しく、光の様子で起きた時間が何時かもわかるようになります。
HOUSE119:川辺に建つ風景と水音を取り入れる寝室
ぐっすり眠るためには、寝室の外部環境要素を適度に感じられることがとても大切です。LOVE2HOUSEの事例では天窓から外部環境要素を感じるよう計画しましたが、HOUSE119は川の風景と音を取り入れています。
川に面した敷地という環境の良さが土地選定の決め手となった計画において、敷地が川に面する側により多くの川に面する窓を設けるために平面計画を扇形とし、少しずつ角度を変えながら川に面しています。川側から見て右端が寝室の窓です。窓は地面から一定の高さですが、窓と床の高さ関係は部屋によってかなり多様に設定しており、寝室は寝た状態で窓を楽しめるように床から窓になっています。窓はドレーキップ形式で、内開きと内倒しのどちらも可能になっていて、内倒しに少しだけ開ければ風を取り入れながら雨が入らないようにできます。川の音は季節によってかなり異なっていて、川辺にいる虫たちの声もたくさん聞こえます。この場所の季節の音を聞いて、豊かな環境でぐっすり眠ることができます。
文=保坂猛(保坂猛建築都市設計事務所)
監修=リビングデザインセンターOZONE