住宅&住宅設備トレンドウォッチ

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いま改めて考える、バリアフリーの住まいづくり

2019.8.23

誰にとっても住まいは生活の基盤であり、気付かないうちに住まいから色々な影響を受けています。とりわけ高齢期になると家にいる時間が長くなり、生活の質は住まい次第で随分と変わってきます。
バリアフリーコンサルタントの吉田紗栄子さんは、ご自身が65歳になった時から「どんな家に住もうか」をずっと考えていたそうです。そして75歳になった時に「もうこれ以上延ばしてはいけない」と思い、思い切って46年住み慣れた場所を離れて中古マンションを買い、長く住み続けられるようリフォームをされました。ご自身の体験やこれまでの事例から、建築士の視点を交えていくつかの気づきをご紹介いただきます。

高齢期 どこに住むか?

若い時代に買った家。坂道に面し最寄り駅へはバス、買い物は車で、など当時は何でもなかったことが、高齢になると問題になってきます。50歳になったら、遅くとも65歳までには、30〜40年後を見越した長期計画を立ててみることをお勧めします。高齢になって自立できない時は施設に入るなど、今まで考えたことのない状況が浮かぶかもしれません。

環境と友達が大切

体験から言えることは、高齢期の住まいに大切なことは「環境」と「友達」です。環境は、周りの環境と住まいの環境に分けられます。友達は社会的なつながりと考えてください。そのためにも人が行き来できる仕掛けは大切です。
周りの環境とは立地条件です。買い物、病院、公共施設など暮らしに必要な所が近くにありますか?騒音や交通量はどうでしょう。陽当たりは?条件を整理し同じ場所に住み続けるかどうか見極めるとよいと思います。

耐震・省エネ・バリアフリー

車いすの住まい手の例。
車いすの住まい手の例。バリアフリーサッシュをつかって庭のウッドデッキと居間を一体化。

高齢期の住まいにはこの3つが欠かせません。 バリアフリーは段差の解消や手すりの取り付けといった狭義の意味で使われることが多いですが、私は暮らしのなかで不便に感じることや危険なことなども含めていますので、地震も1つのバリア、高い光熱費も広い意味でのバリアといえます。寝室だけでも地震に強い構造にしておくことが大切です。陽当たりや風通しをよくすることは健康的な暮らしのためだけでなく、光熱費の節約にもなります。断熱性とともに設計に取り入れたいものです。

逆算の設計方法

介護を見据えたトイレの設計例
介護を見据えたトイレの設計例

間取りは特に重要です。最終的には昼間の生活の主な場所となるリビングダイニング、キッチン、寝室、トイレや浴室などの水回りを同じ階にすることが大切です。2階に分かれる時は、将来的にエレベーターがつくよう考えておくことも必要です。ヘルパーが入ることも想定しておきましょう。
最終的な形を考え、それを土台にして今の生活に合った間取りを考えるのが逆算の設計方法。そうすることで長く自宅で暮らせます。例えば便器を廊下と平行に置くことで、介護スペースを生み出せます。

日常の動作、動線を重視

何気なくつかまれる手すりの例
何気なくつかまれる手すりの例

寝室からトイレへの動線を短くしたり、動線にそって物の収納を考えておいたりすれば、自立した生活が長く続けられます。動線にそって室温の計画をすれば冬でも動きやすくなります。
手すりは動作が変わる箇所に必要です。棒状の手すりだけでなく、写真のような何気ない手すりをつける配慮があれば事故も減らせます。

「高齢期でも自宅で住み続ける」をサポートするために

今回は自宅リフォームで気づいたことを挙げましたが、新築の企画設計でも役に立つことと思います。
高齢期の住まいに欠かせない視点として、「新バリアフリー15か条」もあります。改めて見直しておきたい、自宅で住み続けるためのバリアフリーのポイントを是非ご参考ください。
https://www.kourei-sumai.com/01npo/pdf/sbf15-2016.pdf

テキスト=吉田 紗栄子(一級建築士/バリアフリーコンサルタント)
監修=リビングデザインセンターOZONE

製品のご案内

どなたにも使いやすく心地の良い洗面カウンター

株式会社エービーシー商会 「ホスピタリティーカウンター」
株式会社エービーシー商会 「ホスピタリティーカウンター」
メーカー名
株式会社エービーシー商会
URL
https://www.abc-t.co.jp/products/detail/9295.html
製品名
「ホスピタリティーカウンター」
サイズ
標準サイズ 900×600(他サイズ対応可)
施工写真 RHS-Gの場合 W920×D600(他サイズ対応可)
価格(税抜)/サイズ/品番
材料設計価格 76,000円~
施工写真 RHS-Gの場合 82,000円~

“思いやり”の意味を持つ「ホスピタリティー」をコンセプトに生まれた、どなたにも使いやすく心地の良い洗面カウンター「ホスピタリティーカウンター」。緩やかな曲線のフォルムが美しいデザインに加えて、車イスをご利用の方が座ったまま使用できる安心設計で、ボウルの底や排水金具に邪魔されず快適に洗面が可能です。また人工大理石コーリアン®製のため汚れが染み込みにくく、毎日のお手入れが容易に行なえるので美しさを長期間保てます。浅型・中型・深型と使用用途に合わせて選べる形とコーナータイプやコンパクト洗面など豊富なラインアップを揃えており、カウンターは柔軟なサイズ対応が可能で空間にあわせてサイズ調整ができる施工性も魅力です。

採光・眺望と省エネ・高断熱を両立する窓

YKK AP株式会社 「APW 511」大開口スライディング
メーカー名
YKK AP株式会社
URL
https://www.ykkap.co.jp/apw/apw511/
製品名
「APW 511」大開口スライディング
品名・品番
片引き窓(均等・偏芯)、両袖片引き窓、FIX窓
素材・仕上げ
アルミ樹脂複合フレーム
Low-E複層ガラス、トリプルガラス、真空トリプルガラス
カラー
・木目仕様(内外ラミネート同色):チーク、ブラックウォールナット
・内外別色:
外観色 ホワイト、プラチナステン、ブラウン、カームブラック、ピュアシルバー
内観色 ホワイト、クリア、ナチュラル、ダークブラウン
サイズ
製作最大サイズ 幅4,000mm×高さ2,730mm、或いは幅5,500mm×高さ2,000mmまで可能
価格(税抜)
406,700円
片引き窓(偏芯) 幅(W)2,600mm × 高さ(H)2,230mm、内外同系色(外観色プラチナステン/内観色プラチナステン)
※価格は、ガラスを含まない標準販売価格で、消費税・組立費・現場搬入費・取付費などは含まれません

ウッドデッキからつながる開放的で一体感のあるリビング空間や、そこからの眺望と十分な光の取り込みなど、昨今の住宅の大空間・大開口ニーズの高まりに対応する一方、合わせて求められる省エネ・高断熱住宅づくりにも貢献しています。

・操作性/安全性
複層ガラス・トリプルガラスの重量によって心配される操作性については、スムースムーヴィング機構により引違い窓のわずか1/10の力での軽くてスムーズな開閉を実現、指はさみに対する安全性にも配慮

・大開口を実現する窓種
窓種は、片引き窓、両袖片引き窓、FIX窓の3種を設定、連続的に配置することで、圧倒的な大開口も実現可能

・高い断熱性能
アルミ樹脂複合構造のフレームと、Low-E複層ガラス、トリプルガラス、真空トリプルガラスを組合せることで、大開口でありながらも高い断熱性能を実現

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